司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

債権者保護手続 その3

2009年08月03日 | その他会社法関連

さぁ!一週間の始まりです。しかも月初め!
なのに、キリが悪くなってしまって m(__)m
先週のつづきにもうしばらくお付き合いくださ~い。

⑤債権者の範囲がよく分からない

知れたる債権者というのは、どんな債権者を言うのか。もちろん、債権者全員なのですが、実務上は小額債権(例えば1万円)については、個別催告をしない、という取扱いが一般的です。

法律上は「細かい債権者には催告しなくて良いんだよ~」なんてことにはなっていませんが、そんなヒトにまで催告していたらキリがないので、“もし何か言われたら、すぐに弁済しちゃいましょう!そうすればもうそのヒトは債権者でなくなります” みたいな理論展開がされて、現在に至っているようです。

ですが、小額でも債権者は債権者。法律で認められていないことを「えいやっ!」とやってしまうことにギモンを持つ会社もあるでしょう。

あとは金銭債権でない債権者にも催告するの?もし、異議が出たらどうやって対応するの?といったモンダイもあります。

⑥催告期間の予備期間を置きたくない

異議申述期間は1ヶ月以上必要です。公告であれば掲載日の翌日からぴったり1ヶ月とすることができますが、催告については、相手方に到着してから1ヶ月間必要なので、郵便が到着するまでの期間を1ヶ月に加算します。
どこに宛てて発送するかにもよりますが、1ヶ月プラス1週間くらいの期間を満了日として設定することになりますから、そのことをご説明すると、「そんなこととは思いませんでした~」とクライアントさんから良く言われます。最短で手続したい場合は、予定も狂っちゃいますね。

先日、減資されるという会社さんからスケジュールを聞いたら、催告書上の異議申述期間の満了日を1ヶ月プラス1日にして、公告掲載日の前日に催告書を発送するというお話しでした。
債権者は都内(23区内)ばかりのようなので、確かに普通郵便でも翌日に到達すると思いましたが、あまりギリギリにするメリットもなかったので、もう少し(2~3日)期間を延長することにしました。

再編というのは、日程がオカシイと致命的になりますので、できるだけ安心感のある余裕をもって(といっても、会社によって “安心感” が違いますケドね♪)手続することをオススメします。

また、何年か前から、「公告期間と催告期間は同じにするべきだ!」と言われております。つまり、公告掲載日と催告書発送日が同じ日の場合、公告による異議申述期間の満了日を最短とすると、催告書に記載した期間満了日の方が当然遅くなりますよね。そうすると、知れたる債権者(催告書をもらったヒト)とそれ以外のヒトでは異議を述べることができる期間が違ってしまい、場合によっては同じ債権者なのに異議の言えるヒトと言えないヒトがいることになってオカシイ! ということのようです。

公告と催告の異議申述期間満了日を同日にするためには、公告、催告どちらの文面も「~●月●日までにお申出ください。」とすればOKです。
官報公告のパンフレットに出てくる文例だと、「~本公告掲載の翌日から1ヶ月以内に~」と記載されていますが、ムシしていただいて大丈夫です(笑)。

というわけで、その1での前振りからずいぶん時間が経ってしまいましたが、こんな理由で個別催告をしたくない会社さんも、結構あります。

そこで、その代わりに、事前に定款変更決議をし、公告方法を変更するのですが、新聞にするか、電子公告にするかの基準(ワタシの感想です)を明日お話ししますね。

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