元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「SING シング」

2017-04-15 06:31:57 | 映画の感想(英数)
 (原題:SING)イルミネーション・エンターテインメントによるアニメーションだが、困ったことにキャラクターデザインがあまり可愛くない。このあたりはディズニーに一日の長がある。しかも、可愛さが足りないだけではなく、愛嬌も無い。感情移入できる登場人物を最後まで見つけることが出来ず、不満を抱えたまま劇場を後にすることになった。

 人間世界とよく似た、動物だけが暮らす別世界。コアラのバスター・ムーン(声:マシュー・マコノヒー)が支配人を務める劇場は、昔は繁盛していたが今や客足は途絶え、銀行から差し押さえられていた。バスターは起死回生の策として、歌のオーディションを開催する。ところが手違いにより賞金が実際よりはるか上の額のまま周知されてしまい、大量の応募者が押しかけるハメに。



 バスターは今さら間違いだったとは言えないまま、出演者を選出する。しかしオーディションに合格した面々も一筋縄ではいかず、それぞれに大きな問題を抱えていた。やがてこれが新たなトラブルを引き起こすことになる。

 いくら動物ばかりの架空の世界とはいえ、話が雑なのではないか。バスターが経営する劇場が左前になった理由がよく分からないし、その立て直し策に(いくら上手いとはいえ)素人の“のど自慢大会”を持ち出す道理は無いと思う。バスターの友人の祖母が往年の大スターだったという設定も、都合が良すぎる。そもそもこの劇場主は、隣のビルから盗電したり水道管を勝手に引っ張ったりと、阿漕なことを平気でやるので同情できない。

 雇い入れた“歌手”たちもそれぞれ事情を抱えているが、面白いエピソードには繋がらない。父親が泥棒やっているゴリラなんか、無理筋のシチュエーションだし、ネズミは生意気でゾウは煮え切らない。ブタは所帯じみていてヤマアラシはふて腐れている。



 結局この映画のセールスポイントは、挿入される楽曲に尽きるのであろう。ほとんどが知っているナンバーで、それを芸達者な声の出演陣が朗々と歌ってくれるのだから、その点は満足度が高い。リース・ウィザースプーンやセス・マクファーレン、ジョン・C・ライリーにタロン・エガートン、トリー・ケリー、ニック・クロールと、面子は揃っている。特にスカーレット・ヨハンソンの意外な歌のうまさには驚いた。

 ガース・ジェニングスの演出は平板。とはいえ続編が製作決定とかで、このシャシンを評価する向きも少なくないのだろう(まあ、個人的にはパート2は観るのを遠慮したいけどね)。
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