元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「スーサイド・スクワッド」

2016-10-28 06:25:01 | 映画の感想(さ行)

 (原題:SUICIDE SQUAD )全然楽しめない。キャラクター設定はもちろん、話の展開も支離滅裂で、作っている連中がマジメにやっていないことが明確に見て取れる。クセの強そうな怪人どもを集めれば、あとは何とかなるとでも思っていたのだろう。とにかく、観るのは時間の無駄である。

 次々と襲ってくる世界的危機は治安当局や正義のヒーロー達だけでは対処が出来ないとばかりに、政府はある決断を下した。投獄中の悪党連中を、減刑と引き換えに危険な任務を遂行する集団“スーサイド・スクワッド”へ入隊させようというのだ。凄腕の暗殺者デッドショットをはじめ、集められた悪人どもは最初は及び腰だったのだが、折しも太古よりの眠りから蘇った魔女エンチャントレスが暴走を開始するに及び、成り行き上協力して事に当たる。

 だいたい、スーサイド・スクワッドを結成した経緯がほとんど説明されていない。こいつらが出向かないと解決しないようなお膳立てが全く存在しないのだ。この作品世界にはバットマンやフラッシュもいるはずなのに、彼らを差し置いて悪党軍団がクローズアップされる理由が無い。

 さらに呆れたことに、エンチャントレスは当初はスーサイド・スクワッドのメンバーになる予定だったのだ。スカウトしてみたら勝手に大暴れを初めて、皆がその対処に追われるという馬鹿げた筋書きには脱力である。これは完全な“マッチポンプ”ではないか。各登場人物の配置もいい加減で、そもそも人数が多すぎる。これでは描き方が大雑把になるのも当たり前だ。ジョーカーも賑々しく登場してくるのだが、結局何がしたいのか分からないし、敵対しているはずのバットマンは意味も無く不在ときている(笑)。

 デイヴィッド・エアーの演出はテンポも深みも無く、弛緩した空気が流れるばかり。デッドショットを演じるウィル・スミスは相変わらずの俺様主義で画面の真ん中に居座ることが多いのだが、その他の悪人どもに扮するジェイ・ヘルナンデスだのアダム・ビーチだのジェイ・コートニーだのといった面子は軽量級に過ぎる。ジョーカー役のジャレッド・レトに至っては論外で、歴代ジョーカーの中で一番貫禄が無い。

 ヴィオラ・デイヴィスが演じるウォーラー司令官は目立っていたが、敵役として設定するのならば素性の分からぬ魔女風情ではなく、この狂的なオバサンの方だろう。ただ、ブッ飛んだ女道化師ハーレイ・クインに扮したマーゴット・ロビーだけは魅力的だった。先日観た「ターザン:REBORN」とは違った役柄だが、しばらく出演作を追いかけたくなるような吸引力がある。

 DCコミック陣営は今後マーヴェル・コミックに対抗して“ジャスティス・リーグ”を展開させるつもりなのだろうが、本作の体たらくから察するに、「アベンジャーズ」の劣化コピーに終わる可能性が大である。集団で見せる作戦よりも、一人一人のヒーローを掘り下げていくやり方の方が、マーヴェル・コミックとの差別化を図れるのではないかと思う。
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