元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「キングコング:髑髏島の巨神」

2017-04-22 06:25:47 | 映画の感想(か行)

 (原題:KONG:SKULL ISLAND )とても楽しい時間を過ごすことが出来た。キングコングが登場する作品は(日本版も含めて)けっこうあるが、1933年の第一作を除けば大した作品は無かったように思う。しかし、ついに“本命”がここに登場した。怪獣映画のツボを押さえた、わくわくするようなセンス・オブ・ワンダーに溢れた快作である。

 ベトナム戦争が終わろうとしていた1973年、帰国間近だったパッカード大佐の部隊に最後のミッションが与えられる。それは、ランドサットが発見した未知の島・髑髏島へ赴く特務研究機関モナークのメンバー達の護衛だった。周りの海は一年中嵐が吹き荒れ、外界から孤絶したこの島は、生物も独自の進化を遂げていた。未知生命体の存在を確認しようと、ヘリコプターに乗ったパッカード隊と学者やカメラマン等からなる一行が遭遇したのは、巨大な猿だった。キングコングと呼ばれるそのモンスターによって部下の大半を失った大佐は、復讐に燃えて追撃を開始する。

 一方、別の場所に不時着した元特殊空挺部隊隊員のコンラッド達は、この島の原住民と、第二次大戦中に漂着した米軍パイロットのマーロウに出会う。話によるとキングコングは島の“守護神”で、今回はコングを怒らせたため襲ってきたのだという。彼らは島を脱出するために船との合流地点である島北部に向かうが、この島のモンスターはコングだけではなかった。調査隊の面々は究極のサバイバルを強いられる。

 キングコングがその威容を放つ姿を見せるのは、一行が島に到着した直後。通常、脅威を小出しにしてサスペンスを盛り上げるものだが、ここは潔い。さらに、次々と現れる怪獣達とのバトルは、それぞれが段取りとアイデアが非凡で飽きさせない。

 キャストではパッカードに扮するサミュエル・L・ジャクソンが最高だ。戦争が終わって虚脱状態に陥っていた根っからの軍人が、思わぬ強敵と遭遇して溌剌とした表情に早変わり。嬉々としてジャングルの奥地に進軍する勇姿は、あの「地獄の黙示録」のカーツ大佐を彷彿とさせるヴォルテージの高さだ。コンラッドを演じるトム・ヒドルストンやブリー・ラーソン、ジョン・グッドマン、ジョン・C・ライリーといった他の面子も悪くないのだが、サミュエル御大のアクの強さには敵わない。

 監督は新鋭ジョーダン・ボート=ロバーツだが、ストーリーテリングにおける水準は楽々クリアしているばかりか、大の日本びいきという個人的趣味が横溢しているのが嬉しい。マーロウがかつての“戦友”であった日本人将校の形見である日本刀を大切にして実戦にも使うあたりもアッパレだが、本作のハイライトはエンド・クレジット後のシークエンスだろう。日本の怪獣映画を愛してやまないこの監督の特質が見て取れる。大々的にフィーチャーされる60年代から70年代初頭にかけてのヒット曲も抜群の効果だ。
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