“沖縄の音楽・小説・映画とダイビング”

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あたしのマブイ見ませんでしたか(池上永一)

2009-11-01 10:49:38 | 沖縄の小説[他]
あたしのマブイ見ませんでしたか (角川文庫)
池上 永一
角川書店

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沖縄出身の作家・池上永一の短編集。タイトルは収録作品の「マブイの行方」から採ったもの。こちらは、同じ〝マブイ(魂)〟ネタでも目取真俊の『魂込め』(まぶいぐみ)と違って、コミカルな味わいの短編となっている。この作品集、当初新刊本として出された時のタイトルが『復活、へび女』だったそうな。これも収録作のうちの1作なんだけど、売れないよね、こんなタイトルじゃ。だいたいこのタイトルだと楳図かずおのマンガのイメージになってしまうけど、この作品はどことなくほのぼのとしていて、全く楳図マンガのイメージではないのよね。

マンガ化されたりアニメ化されたりした『シャングリ・ラ』で有名になってしまった池上永一だけれども、こんな短編集も読んでみたらいかがでしょう? 沖縄の離島に行く時、ヒマつぶし用に持っていくと良い1冊です。

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風音/目取真俊

2009-01-03 13:52:17 | 沖縄の小説[他]
風音―The Crying Wind
目取真 俊
リトルモア

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この小説『風音』は、映画の脚本を基にかかれたもので、成り立ちとしては通常の逆である。さらにややこしいことに、作者・目取真俊は3種類の『風音』を書いている。最初のものは沖縄タイムスに連載されたもの、2つ目はそれを加筆訂正し『水滴』に収録されているもの、そして本作である。最初の作品は読むことができないが、2作目と本作は読み比べることが出来る。

小説『風音』に共通するのは、風音を発する“泣き御頭”と呼ばれる特攻隊戦死者の頭蓋骨にまつわる話という点である。前作で“泣き御頭”を訪ねて来るのはTVの取材クルーだが、本作では老婦人に置き換えられていたり、設定は変わっている。個人的には2作目の方が沖縄らしさが感じられて良いと思う。しかし映画化するにあたって今風の設定が求められたのか、本作では夫のDVに耐えかねて逃げ帰って来る母子が出てきたりする。

どちらが好みかは読者次第、2作を読み比べてみてはいかが?

高等学校 琉球・沖縄史

2008-12-27 14:53:12 | 沖縄の小説[他]
高等学校琉球・沖縄史
新城 俊昭
地方・小出版流通センター

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出版元の編集工房東洋企画HPでは次のように紹介されている。

「地域史・郷土史をもっと教育現場で取り入れていかなければならない」と、一高校教諭の長年の奮闘によって生まれた副読本「高等学校琉球・沖縄史」の改訂版。

私の持っているのは2001年に那覇の書店で購入したものだが、その後版を重ねている。沖縄の高校生だけでなく、沖縄に観光地以上の愛着を感じて来た人に読んで欲しい1冊。著者・新城俊昭氏は嘉手納高校(当時)教諭で、実際に生徒に教えたい琉球・沖縄史をまとめたのだろう。教科書という体裁をとっているため文章表現はやや硬いが、コラム的な部分も多い構成は飽きさせず読みやすい。労作である。沖縄大好き検定公式ガイドブックを卒業した人にオススメしたい。


沖縄大好き検定

2008-12-23 16:28:18 | 沖縄の小説[他]
沖縄大好き検定公式ガイドブック (ぴあMOOK) (ぴあMOOK)
沖縄大好き検定委員会
ぴあ

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最近、地域おこしのためか、ご当地検定をあちこちで見かける。この前愛媛県の松山に行った時も、時間つぶしのために入った書店で「松山観光文化コンシェルジェ検定ガイドブック」を見かけた。当然沖縄の検定もあって「沖縄大好き検定」と言う。松山に比べると、ネーミングからして俗っぽい。沖縄検定の公式ガイドブック、昔好きだった『沖縄キーワードコラムブック』からイラストを抜いて、少し文章を硬くした感じ。検定を受けるつもりがなくても、沖縄観光をするなら、事前に一読しておくと良い。普通の観光ガイドブックより、少しだけ沖縄の本質がわかるだろう。もう少し本格的に沖縄の歴史も知りたいという人には、別にオススメ本がある。これは次回ご紹介しましょう。(^^)/~

沖縄の短編小説

2008-12-20 20:38:42 | 沖縄の小説[他]
沖縄短編小説集 第2集 琉球新報短編小説賞受賞作品

琉球新報社

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今年の琉球新報短編小説賞が決まった。12月19日の琉球新報の記事に出ていた。――第36回琉球新報短編小説賞の受賞作に森田たもつさん(49)=本名・森田保、宮古島市、歯科医師=の「メリー・クリスマスeverybody」に決まった。「メリー・クリスマス―」は、借金を抱えた主人公が「劇団」という名の振り込め詐欺集団に誘われる。詐欺の手口を習得して実行するが失敗。だまそうとする相手と会話するうちに望郷の念に駆られ、相手に本音を漏らす。

この賞の受賞作品は過去2冊の短編小説集として出版されているが、基本的に沖縄を舞台として、沖縄文化に根ざす何らかのテーマが扱われていた。今回「振り込め詐欺」を扱った小説が受賞したのは、沖縄でもこの手の詐欺が多いということか。

ところで「琉球新報短編小説賞」受賞作品をまとめた『沖縄短編小説集』は、下手な沖縄解説本を読むより、観光地でない沖縄の姿を理解できる優れものである。第1集には芥川賞作家でもある、目取真俊や又吉栄喜の作品も収録されているのだが、こちらは現在入手不可能なようで残念である。




ホテル・ハイビスカス

2008-11-29 12:15:17 | 沖縄の小説[他]
ホテル・ハイビスカス 新装版
仲宗根 みいこ
新潮社

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『ホテル・ハイビスカス』が2002年に映画化された際、あわせて発売された新潮社の新装版。沖縄版『ちびまる子ちゃん』と言える作品で、以前は那覇空港内の書店にボーダーインク版が必ず置いてあった。画は上手くないけれど、少し前の沖縄の雰囲気が伝わり、また沖縄に行きたくさせる作品。ボーダーインク版も全巻復刻してくれないかな?


異文化

2008-06-02 17:32:34 | 沖縄の小説[他]
沖縄は日本だけれど、沖縄文化は異文化だと思う。沖縄の本とかCDのベストセラーランキングは内地とはいつも微妙に異なっており、その異なった部分が沖縄っぽさを示している。琉球新報に出ていた6月1日付ベストセラーランキングの一例を見てみる。

◇リウボウブックセンターリブロ
(1)水野敬也著「夢をかなえるゾウ」
(2)沖縄観光コンベンションビューロー編「ウチナー観光教本」(沖縄観光コンベンションビューロー・2650円)
(3)前泊博盛著「もっと知りたい!本当の沖縄」
(4)茂木健一郎著「脳を活かす勉強法」
(5)渡辺淳一著「熟年革命」

(1)(4)(5)は全国どこでも売れている本だが、(2)と(3)は沖縄ならでは。特に(2)は、沖縄でないと売っていないんじゃないかと思う。ただ、ちょっと不思議なのは、沖縄の人が沖縄のことを知りたがるということは、沖縄の人は沖縄を知らないということなのかな? まあ、東京近郊に住んでても東京のことなんてあまり知らないけどね。

もっと知りたい!本当の沖縄 (岩波ブックレット (No.723))
前泊 博盛
岩波書店

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梅雨入り

2008-05-22 12:32:48 | 沖縄の小説[他]
琉球新報によると―沖縄気象台は22日、沖縄地方は梅雨入りしたとみられると発表した。統計を取り始めた1951年以降、過去3番目の遅さ。―だそうである。

梅雨明けも遅れるとすると、いつ頃行けば良いか悩むところ。7月になるとツアー料金も徐々に上がりだすしねぇ。自然のままに、梅雨も梅雨として楽しむのもありか?

アマバルの自然誌―沖縄の田舎で暮らす (光文社文庫 い 38-2)
池澤 夏樹
光文社

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魂込め

2008-05-15 23:39:10 | 沖縄の小説[他]
少々古い作品だけれど、沖縄の自然あるいは先祖信仰的な世界が感じられる“魂込め”(まぶいぐみ)。魂(まぶい)を落として意識を失くした男の口の中に、巨大な“アーマン(ヤドカリ)”が住みつくという話。こういう話を読んでいると、ないちゃーの私にとって沖縄の文化は異文化だなぁと思う。

普通の人はヤドカリの貝殻を背負った状態しか見たことがないと思うけど、貝殻の中に隠れている部分はけっこうグロテスク。その巨大なものの姿は“ヤシガニ”だろう。サイパンなどでチャモロ料理として食されるヤシガニは、実は沖縄にも生息している。作者の目取真俊は、多分巨大なヤシガニをイメージして、アーマンが口から覗いているシーンなどを書いたのだろう。

魂込め(まぶいぐみ)
目取真 俊
朝日新聞社

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おきなわキーワードコラムブック

2008-05-06 13:07:59 | 沖縄の小説[他]
『おきなわキーワードコラムブック』…ないちゃーが沖縄社会を知るのに絶好の本だった。事典版と日記版があり、調べるというより読みものとして面白く、沖縄に親しみを感じられ、沖縄と米軍基地の関わりなども理解できる優れものだった。絶版となってしまいもはや古本でしか入手できないが、2000年代の改訂版を出して欲しいものだ。うちなー口ネタの本はその後もいくつか出ているが、私の知る限り『おきなわキーワード~』を超えるものは出ていない。

池澤夏樹氏が『沖縄いろいろ事典』を作るきっかけとなったのも、『おきなわキーワード~』だったというが、この本のファンは大勢いたのだろう。


沖縄いろいろ事典 (とんぼの本)
垂見 健吾
新潮社

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沖縄短編小説集

2008-05-01 13:51:05 | 沖縄の小説[他]
ひどく暇なので『沖縄短編小説集』(「琉球新報短編小説賞」受賞作品)を読み返している。第1回(昭和48年)から第20回(平成4年)までの受賞作18作品が収録されているが、その中には、後に芥川賞を受賞する又吉栄喜と目取間俊も含まれる。

その国や地域に独特の歴史・文化は、その地の小説にも色濃く現れると思うが、それは沖縄に関しても例外ではない。沖縄のある種のソウルが感じられる短編小説集である。

沖縄シャウト,Stay With Me,一瞬の夏

2008-04-17 18:12:59 | 沖縄の小説[他]
最近商売が壊滅状態で暇なので、よく昔読んだ本や聴いた曲のことを思い出す。

『沖縄シャウト』(砂守克巳・著)はボクサーからカメラマンに転身した変わった経歴を持つ著者の自伝的作品。その中で触れられている「Stay With Me」は沖縄のバンド・ISLANDの名曲。メンバーが事件を起こして表舞台から姿を消しているが、この曲は名曲。『一瞬の夏』(沢木耕太郎・著)は同じく『沖縄シャウト』でほんの少し触れられているボクサー・カシアス内藤を扱った作品。両者とも文庫になっているので、ボクシングに興味のある人に読んで欲しい。亀田一家のような安っぽいドラマではなく、もっと心に残るドラマがある。

エビと日本人Ⅱ

2008-04-15 16:59:10 | 沖縄の小説[他]
エビと日本人Ⅱ」(村井吉敬・著)を読んだ。実は、ほぼ20年前「エビと日本人」を読んでいるのだが、2度産卵させるために母エビの眼を切る話とか、台湾のブラックタイガー養殖の実態とか今でも印象に残っている。
「Ⅱ」では、台湾のブラックタイガー養殖がウイルスにより壊滅したとか、病気になりにくいバナメイの養殖が増えたとか、その後のことがいろいろ書かれている。
中国の冷凍餃子に端を発する食の安全問題が取りざたされる中、食の安全性だけでなく、自給率の問題や環境問題など、エビを通していろいろ考えさせられる1冊である。