テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

英国版《遠野物語》?

2017-10-13 22:01:14 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 だんぼうゥきぐゥ、すいッちィおんッ!」
「がるる!ぐるーるがるるるる!」(←訳:虎です!フリーススタンバイ!)

 こんにちは、ネーさです。
 冬です……っていうほど極寒じゃありませんけど、
 急な寒波に震える本日の読書タイムは、
 囲炉裏端でお祖母ちゃんの昔話を聞いているかのような
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪
 
  



          ―― 夢と幽霊の書 ――



 著者はアンドルー・ラングさん、原著は1897年に、
 日本語版は2017年8月に発行されました。
 英語原題は『The Book of Dreams and Ghosts』、
 120年の時を経て日本語訳が刊行されたこの御本は、
 ロンドン留学中の夏目漱石さんも夢中で読んだという
 《幻の名作》です!いや、でした!

「ようやくゥ、ほんやくゥ!」
「ぐるがるぅるるる!」(←訳:もう幻じゃないね!)

 著者アンドルー・ラングさんは
 1844年スコットランドに生まれ、
 1912年に没……
 日本では『あおいろの童話集』など
 童話集の編纂者さんとして知られ、
 書物に関するエッセイ集も翻訳されている御方であり、
 超一流の文学者・編集者さんでもありましたが、
 また同時に、
 “怖い話の収集家”さんでもありました。

「ただァあつめるゥだけじゃなくゥ!」
「がるぐるるるる!」(←訳:研究してました!)

 そうなのよね、御本を手に取って、
 読んでいただけたらよく解ります。

 ひやかし目的ではなく、
 頭から疑うのでもなく、
 かといって盲信するのでもなく、
 一心に“怖い話”“奇妙な話”を聞き集めたら
 書物が出来上がってしまった、という感じでしょうか。

   何人もが同じ夢を見る――

   遠地の出来事を夢に見て知る――

   幽霊やポルターガイストの話――

   土地に伝わる精霊の伝説――

   異国の怪異の話――

 そんな聞き書きがみっしり。

「まるでェ、がくじゅつしょッ?」
「ぐるるがる!」(←訳:真面目です!)

 客観的で淡々とした語り口は、
 巻末で訳者ないとうふみこさんも述べておられるように、
 《人類学、民俗学研究の延長戦上》にあって、
 はたしてこれは
 ノンフィクションなのかフィクションなのか、
 どちらのジャンルの作品かと問われたら……

「むゥ~んッ? どッちィかなァ??」
「がるる~?」(←訳:迷うね~!)

 私ネーさとしては、
 第9章『幽霊と幽霊屋敷』
 第10章『近世の幽霊屋敷』
 第11章『さらなる幽霊屋敷』
 に唸らされました。

 ラングさんはこれを120年前に著したというのに、
 現代でもそっくり通用してしまう内容って……
 この分野の研究って停滞してるのかしら。

 いえ、それとも、
 ラングさんのこの作品が
 あまりにも“金字塔”なのだってこと?

「たぶんッ、きんじとうゥなのでス!」
「ぐるるがる!」(←訳:世にも稀な!)
 
 読み手を怖がらせることが
 目的ではないゆえに、
 読後感の印象は、どこか特殊です。

 或る“怖い”出来事があって、
 うん、でも、
 それから人々はどうしたのだろう?
 “怖さ”の次に
 いったい何がやって来たのか?

 もしかしたら漱石さんも
 ロンドンの下宿でそんな風に考え、
 ガス灯が灯る首都の路地を、
 テムズ川のほとりを
 ひとり散策したのでしょうか――

「そうぞうりょくがァ~」
「がるるるぐる!」(←訳:羽ばたくよね!)

 ノンフィクション好きさんにも
 フィクション好きさんにもおすすめの古典的名作です。
 どうかぜひ、一読を♪


 
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