テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 古地図に見る夢 ―

2017-11-19 22:07:07 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♪るるゥ~♪ちむちむちぇりィ~♪」
「がるる!ぐるぐるがぅるー!」(←訳:虎です!チムチムチェルー!)

 こんにちは、ネーさです。
 なぜか、映画『メリー・ポピンズ』が目下のマイブーム!
 ミュージカルっていいなぁ♪と再認識中です。
 いっそ原作も読みなおしてみようかしら?と思いつつ、
 さあ、本日の読書タイムは
 『メリー・ポピンズ』といい勝負!な
 ファンタジックな作品を、どうぞ~♪
 
  



       ―― 世界をまどわせた地図 ――



 著者はエドワード・ブルック=ヒッチングさん、
 原著は2016年に、日本語版は2017年8月に発行されました。
 英語原題は『THE PHANTOM ATLAS』、
 『伝説と誤解が生んだ冒険の物語』と日本語副題が付されています。

 地図――

 と聞いて、私たち日本人が想い浮かべるのは、
 伊能忠敬さんの偉業でしょうか。

「ふァいッ! がんばりィましたのでス!」
「ぐるがる!」(←訳:地図作り!)

 そう、地図制作に一生を捧げる。

 或いは、地図の空白を埋めるために
 全財産を費やしての調査旅行に出発する。

 という具合に、
 地図ってとんでもない魅力、いえ、
 魔力を持っているみたいですね。

「ほッきょくゥへッ!」
「がぅるるるる!」(←訳:ジャングルへ!)

 この御本に収録されているのは、
 さまざまな“昔むかしに作られた地図”です。

 いえ、昔といっても
 バカにしちゃいけません。

 大陸の配置、川の流れ、
 湾の形や海峡の位置も、
 現代の地図とよく似ていて、
 苦労して制作されたものなのね、と
 ひとしきり感心……しつつも。

 あれ?
 なんだかヘン?

「えッとォ、これはァ??」
「ぐるがぅるるるる?」(←訳:染みじゃないよね?)

 聞いたこともない名の小さな島。

 探検隊を迷路へと誘い込んだ宝の国。

 密林の奥に眠る黄金鄕。

 船を吸いこむ北極の巨大な渦。

「まるでェ~えすえふゥ!」
「がるぐるる!」(←訳:幻想小説だ!)

 そう言えるのは、
 衛星や航空機から地上を分析した画像
 私たちが知っているから。

 そんな画像がなかった時代、
 人々を楽しませ、夢を見させ、
 また同時に、
 破滅にも追いやった地図とはどんなものだったのか、
 著者ブルック=ヒッチングさんは狩り出します。

 そのブルック=ヒッチングさん、
 なんと、古書店の息子さん!

 たくさんの古地図を集め、
 現代の地図と照らし合わせ、検証し、
 幻の島々の伝説を掘り起こせたのも
 ブルック=ヒッチングさんの出自あってこそ、
 なのでしょうね。

「いまもォ、ろんどんでェ~」
「ぐるがる!」(←訳:古本三昧!)

 地図マニアさんに、
 アートマニアさんにもおすすめしたい
 愉快で、でもちょっと哀しくもあって、
 地図に空白があった時代のワクワク感も併せ持つ
 ユニークな御本、
 皆さま、ぜひ、手に取ってみてくださいね♪


 (……ただし。
  何分にも古書をもとにしているためか、
  誤植か誤訳かと思われる箇所がありましたので、
  その点はどうか御注意くださいませ)
  
 

 
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