テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

 エンタ金融SF、発進!

2016-10-20 22:09:14 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うむむきゅッ! はッぴょうゥ~されましたでス!」
「がるる!ぐるるがーる!」(←訳:虎です!来年のコース!)

 こんにちは、ネーさです。
 フランス現地時間19日、
 2017ツール・ド・フランスの日程・コースが発表されました。
 ドイツのデュッセルドルフをスタート地点とし、
 ベルギーとルクセンブルグを経て
 フランス東部と南部を主戦場とするコースは山岳が連続!
 面白くなりそうだわ~♪と来夏を楽しみにしつつ、
 さあ、本日も読書タイムですよ。
 こちらの御本を、どうぞ~!
 
  



           ―― スペース金融道 ――



 著者は宮内悠介(みやうち・ゆうすけ)さん、2016年8月に発行されました。
 『The Adventures of a Galactic Loan Shark』と英語題名が付されています。

「すぺーすゥ……??」
「ぐるる……?」(←訳:金融道……?)
「それはァ~いッたいィ???」

 そうよね、まぁたぶん、
 殆どの方々がそこで「?」ってなるわよね。
 スペース金融道って、何のなの?どういう意味?と。

 私ネーさも、題名から、
 これはスペースオペラなのかな?と思ったのです。
 スペースオペラって、大雑把に言うと、
 《スターウォーズ》シリーズのような、
 宇宙を舞台とする冒険活劇ですね。

 ところが、この御本、
 確かに舞台は宇宙なのですが……

 主役は“取り立て屋”ふたり組!

「とッとりたてやさんッ??」
「がるっるるー!」(←訳:ブラックだー!)

 《宇宙だろうと深海だろうと、
  核融合炉内だろうと零下190度の惑星だろうと》

 どこどこまでも債権の回収に赴くのは、
 いえつまり、
 返済期限が過ぎた借金を取り立てるべく押しかけるのは、
 新星金融の二番街支社のふたり組、
 ユーセフと、
 語り手の“ぼく”。

 宇宙だの核融合炉だのはウソではなく、
 “ぼく”は今日も上司のユーセフさんに引きずられるようにして
 取り立ての現場へ向かいます。

「ぴきゃッ! ここはッ!」
「ぐるるるがるっ?」(←訳:宇宙港の外壁っ?)

 おりしも、
 港の外壁に衝突したデブリ(ゴミ)による損傷を修理中の、
 宇宙服を着た作業員さんがいて……

 ユーセフさん、
 いきなりその男に斬りつけた?!?

「ひょええええッ!」
「がるぐるるぅ!」(←訳:宇宙なのにぃ!)

 宇宙服を切り裂かれたら死んじゃう!

 と泣きわめく男に、
 まったく動じぬユーセフさん、
 借金返済を迫ります。

 《期日を守ってニコニコ返済》――

「おにィッ!」
「ぐるっ!」(←訳:悪魔ぁ!)

 罵倒されようとも、容赦なし。
 宇宙服男からの取り立ての次は、
 さぁてと、
 人間以外からの取り立てだ。

「にんげんッいがいィ?」
「がるるるぐる?」(←訳:そんなのアリ?)

 大手の金融会社が相手にしない者にも、
 新星金融はお金を貸し付けているんです。

 その多くは、アンドロイド。

 ユーセフさんと“ぼく”の新ターゲットは、
 或るアンドロイド……
 いえ、言い直しましょう。

 タダ者ではない、或るアンドロイド。

「……なんだかァ、ものすッごォ~くゥ!」
「ぐるるがる!」(←訳:危険な予感!)

 これはおそらく、
 シニカルな笑いを織り込んだスペースお仕事小説なのね?
 と考えていたら、
 物語に新たな波が打ち寄せてきます。

 金融工学という、
 “ぼく”には手に負いかねる波が。

「きんゆゥこうがくッてェ??」
「がるるるるぐる?」(←訳:そんなのもアリ?)

 スペースオペラの舞台立てを利用しつつ、
 経済理論も、相棒(バディ)ものも、
 ミステリも、ハードSFも、と
 《語り》の術を尽くした連作集は
 フィクションの醍醐味を堪能できる楽しい作品です。

 SF好きさん&SF映画好きさんは、
 ぜひぜひ、お読みくださいな!

「めくるめくゥ、うちゅうゥきんゆうりろんッ?」
「ぐるっるがるる!」(←訳:味わってみてね!)

 
 
 
 
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