テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

いつまでも、巨匠と。

2017-04-16 22:10:27 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 ねッちゅうゥしょうにィ、ごようじんッなのでス!」
「がるる!ぐるるるる!」(←訳:虎です!風邪にもね!)

 こんにちは、ネーさです。
 ユヴェントスが昨日も勝ってくれたのでお祝いに、
 いえ、熱中症予防のため
 アイスクリームをパクついた暑~い一日の終わりには、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの新書を、どうぞ~♪
 
  



        ―― ダ・ヴィンチ絵画の謎 ――



 著者は斎藤泰弘(さいとう・やすひろ)さん、2017年3月に発行されました。
 新書ではありますが、表紙右上に、小さく
 『カラー版』と記されていますように、
 図版資料がカラー印刷で収録されていますので、
 アート好きさんにも楽しめるこの御本は――

「てッてきにィ、れおなるどォ~おじさんッ!」
「ぐるるがるぐるるる!」(←訳:業績を突き詰めます!)

 世界中に、
 いったい何人の“レオナルド研究家”さんが存在するのか?

 ルネッサンス時代のイタリア美術研究者さんならば、
 数十人どころか、
 数百人を超える研究家さんがいることでしょうが、
 その方々の多くが《本命》と考えるのは、やはり。

「ゆいいつゥむにィのォ!」
「がるぐる!」(←訳:この巨匠!)

 レオナルド・ダ・ヴィンチさん(1452~1519)。

 著者・斎藤さんは日本に於ける
 “レオナルド研究”のトップランナーさんとして、
 評論書を著し、
 教壇に立ってもいる御方ですが、
 或る日、一人の学生さんのレポートに
 ウウムと唸らされました。

   《モナリザ》のことを皆が褒めているけど、
   あれがどうして名画なのか、
   僕には分かりません。

   あれを観て感動しないのは、
   僕が悪いせいでしょうか?

「うッ? あうううゥ?」
「ぐーるがるぅ」(←訳:えーとそのぅ)
 
 好き、とか。
 嫌い、とかよりも。

 感動――絵画から汲み取る感動とは何なのか。

 それは、作者=描き手のこころを、
 どのような思いを抱え、
 何を考えながら描いたのかを理解することだと
 斎藤さんは定義します。

 一枚の絵画作品から、
 それを描いたときの画家の心のありよう、
 思想や志向を感じ取る。

 アタマで理解するのではなく、
 画家の《生きた日々》を追体験するかのように。

「れおなるどォおじさんのォ?」
「がるるる?」(←訳:LIFE?)

 斎藤さんが『モナリザ』の解析に充てるのは、
 御本後半の、第10章と第11章。
 
 そこへ至るまでの章で語られるのは、
 レオナルドさんの《遍歴》です。

 フィレンツェ時代、
 レオナルドさんはどのような自然観を持っていたか?

 ミラノへ移って出会った新しい自然学は
 レオナルドさんをどう変えたのか?

 イタリア各地を旅し、巡ることで
 独自の地質学を究めていったレオナルドさんの眼に
 世界はどう見えていたろうか――

「こうきしんのォ、かたまりィ!」
「ぐるるがる!」(←訳:尽きぬ疑問!)

 科学の知識と、
 絵画表現。

 創作と、毎日の暮らし。
 
 御本の終盤ではレオナルドさんの晩年もが記されていて、
 『モナリザ』を探る試みは
 ひとりの画家さんの伝記として
 読み取ることも出来ます。

 何を描いたのか――
 何を描き残したかったのか、彼は?

「だからァ、けんきゅうしゃさんたちはァ~」
「がるるぐるがるる!」(←訳:今日も探し続ける!)

 真摯な研究書ですけれど、
 《レオナルド学入門書》ともいえるこの御本、
 気取らない文章でとっても分かり易く書かれています。
 特に、レオナルドさん晩年の描写は
 読み手の想像力を刺激するものでした!

 アート好きさんにはとりわけのおすすめ、
 ぜひ、一読してみてくださいね♪
 
 
 


 

  
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