テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

駅よ、どこまでも。

2017-05-05 21:53:55 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 またしてもォ、ちんじゅうゥ~はッけんッ!」
「がるる!ぐるるがるーる!」(←訳:虎です!今度はポニーだ!)

 こんにちは、ネーさです。
 タカ(実はハヤブサ)、野良ウズラに続いて出会った珍獣は、
 ……ポニー!
 一昨日のこと、
 周囲はビルとマンションだらけという市街地を、
 茶色いポニーくんが、ぽくぽくぽく……と歩いておりまして、
 私ネーさ、啞然といたしました。
 GWですからね、何かのイベントだったのでしょうが、
 本日の読書タイムでご紹介するのも、
 市街地でポニー!に劣らないシュールなフィクション作品です。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



           ―― 横浜駅SF ――



 著者は柞刈湯葉(いすかり・ゆば)さん、2016年12月に発行されました。
 第一回カクヨムWeb小説コンテストSF部門大賞を受賞したのが
 この御本、なんですけど……

 皆さまは、聞いたことがあるでしょうか?

 横浜駅にまつわるおそろしい伝説を?

「そッ、それはァ~…!」
「ぐるるがる!」(←訳:もしやあの!)

 横浜駅――

 “いつも工事中”。
 いえ、“いつ行っても工事中”な場所。

 いつ行っても、駅のどこかしらが必ず、工事中。
 工事をしていない日、なんて無い。

 かくして、誰かが言い始めました。

 《永遠に完成しない日本のサグラダ・ファミリア》、
 それが横浜駅であると。

「うむむふゥ! わきゃりィまス!」
「がるるぐるるがるるるるぅ~」(←訳:本当に工事中なんだよねぇ~)

 何度か横浜駅を訪れた御方なら、
 実感をもって深く頷くに違いないこの《伝説》を、
 物語にしてしまえ!と
 閃いた著者・柞刈の着眼点、発想力、見事です!

 永遠に工事を続ける空間・横浜駅、
 普通では有り得ないようなその空間が、
 自己増殖を始めたら、どうなる?

 今でさえ巨大なターミナルが、
 さらにさらに、西へ東へ、北へ南へと、
 ぐんぐん膨張していったなら?

「ひえええッ! どこもォかしこもォ?」
「ぐる?!?」(←訳:駅に?!?)

 複雑に交差する階層、
 幾十幾百ものエスカレーター、
 拡大と拡張を重ね、
 ついに、本州の99%が“横浜駅化”してしまった未来――

 脳に埋め込んだSuikaによって
 人間が管理されるエキナカ社会で、
 ひとりの少年が自動改札を通過します。

 少年・ヒロトくんがかざすのは、
 箱状の端末《18きっぷ》。

 有効期限5日の《きっぷ》を手に、
 彼は出発します。
 人類の未来を決する冒険に。

 目指すは……《42番出口》?!?

「よんじゅゥにッ??」
「がるるるるぐるるるる?」(←訳:聞いたことあるような?)

 『銀河ヒッチハイクガイド』ファンの方々、
 鉄道ファンの方々、
 ターミナル駅で迷子になりかけた経験がある御方は、
 吹き出してしまったり、
 ニヤリとしたりすることでしょう。

 そうして、手に汗握る展開のはて、
 ヒロトくんが見出す“出口”とは……

「しゅーるゥでェ、こみかるゥでェ~…」
「ぐるがるるる!」(←訳:でもシリアス!)

 Webでは外伝が、
 また漫画版『横浜駅SF』も発表されているこの作品、
 活字マニアさんにはやはり、
 書籍版がおすすめです。

 御本全体の装丁と
 田中達之さんによるすばらしいイラストも味わいつつ、
 ぜひ、一読を~♪
 


  

 
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