テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

  探そう、鍵を。

2016-09-15 22:03:51 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ネーさッ、おちこんでェまスゥ!」
「がるる!ぐるがっるる!」(←訳:虎です!もうがっかり!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、昨夜のCL戦でユヴェントスがスコアレスドロー……
 必ず勝つさ!と信じていただけに衝撃でしたが、
 先は長いんだから、ま、いいかぁ、と思い直し、
 さあ、元気復活の読書タ~イム!
 本日は、こちらの親書を、どうぞ~♪
 
  



          ―― 夜を乗り越える ――



 著者は又吉直樹(またよし・なおき)さん、2016年6月に発行されました。
 もはや説明の必要もありませんね、
 “芸人”にして小説家・又吉さんによる
 最強無比の《読書啓発本》です。

「いつもォ、ざんしんッ!」
「ぐるるがぅるるる!」(←訳:いつもチャレンジ!)

 小説で、エッセイで、
 そして舞台での漫才、TV番組でのトーク、と
 良い意味で“期待を裏切る”大活躍を続けている又吉さん。

 この御本では、
 本(書物)と人との結びつきを語っています。

 書物が、いかに自分を変えたか。
 いかに鼓舞し、
 どれほど励まされ、
 暗がりでも道を見失うことなく
 ここまで歩いてこられたか――

「げいにんさんのォ、せいかつはァ、たいへんッなのでスゥ!」
「がるぐるぐる!」(←訳:悲喜こもごも!)

 ショービジネスの世界を知らない私たちにも
 一人前の漫才師になる、ということが
 どれほどたいへんか、
 想像が出来なくもありません。

 喋りひとつを武器にして、
 芸の世界を渡ってゆく。
 お給料なんでスズメの涙の、下積み時代。
 劇場の舞台に立っても、
 ちっともウケなくて、
 唇を噛みしめる苦闘の時代。

 そうしてどれほど頑張っても、
 コンペティションで勝ち上がれるか、
 賞を獲得して有名になって、
 でもその人気や注目がいつまで続くか、
 保証なんてなぁんにもない――

 そういう状況に耐えられるか。
 耐えられるだけの強さを
 自分は持っているだろうか。

「はてしなくゥつらいィ、たたかいィ!」
「ぐるがるぐるるー!」(←訳:けど好きなんだー!)

    誰にでも青春の中で駄目な時期はある
    でも人が死なない限り、
    それはバッドエンドじゃなくて
    途中なのだ――

 本文68ページにこう記す又吉さんは、
 御自身の読書遍歴を振り返りつつ、
 敬愛する太宰治さんの最期に思いを馳せます。

    あの夜、
    六月十三日さえ乗り切っていたら。

   その夜だけ乗り越えていたら。

「そしたらァ、もしかしてェ?」
「がるるるるぐるる……」(←訳:太宰さんの人生は……)

    その夜を乗り越えないと駄目なんです。

 自分に言い聞かせるように
 又吉さんは考えます。

    死にたくなるほど苦しい夜には、
    これは次に楽しいことがある時までのフリなのだ――

「ふァいッ! そうでスゥよねッ!」
「ぐるるがるるぅ!」(←訳:そうでなくちゃ!)

 曇っていた眼をひらかせてくれた、本。
 気持ちを支えてくれる言葉。
 言いたかったこと、
 心の中にぼんやり浮かんでいた思いを
 言い表してくれる一節。

 たくさんの愛読書を例に引いて
 読書の面白さを訴えつつ、
 少し見方を変えれば
 又吉さんの半生記でもあるこの御本は、
 読み手の《読書魂》をかきたてる、
 いや、《読書魂》に
 火を点ける怪作です。

 いま自分は夜を過ごしているのか。
 夜の扉を開錠する鍵は、
 鍵となるものは、何か――

「あるはずゥ、でスッ!」
「がるるるぐる!」(←訳:どこかに鍵が!)

 『火花』を読んだ御方も
 まだ読んだことがない御方も
 熱い《読書魂》とともに、
 どうか、ぜひ♪
 
 

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« ~ 秋の筆、秋の色 ~ | トップ | 《言葉》の、御馳走。 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブックス」カテゴリの最新記事