テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

こころを、うごかせ。

2017-03-27 22:05:54 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 みィ~んなァ、はるやすみィ~♪」
「がるる!ぐるるるるがるる!」(←訳:虎です!小中高全部お休み!)

 こんにちは、ネーさです。
 卒業式のためでしょうか、袴姿の女学生さんがチラホラ……
 でも小学生ちゃんたちは走り回っちゃってますわね、
 ときには半袖で!(風邪ひかないように!)
 今回の読書タイムは、
 そんな小学生さんたち向けに編まれた御本を、さあ、どうぞ~♪

  



      ―― 文豪ノ怪談 ジュニア・セレクション 恋 ――



 編者は東雅夫(ひがし・まさお)さん、絵は谷川千佳(たにがわ・ちか)さん、
 2017年2月に発行されました。
 著者と作品は収録順に(せーの!)

 泉鏡花さん著『幼いころの記憶』
 佐藤春夫さん著『緑衣の少女』
 小田仁二郎さん著『鯉の巴』
 川端康成さん著『片腕』
 香山滋さん著『月ぞ悪魔』
 江戸川乱歩さん著『押絵と旅する男』
 中井英夫さん著『影の狩人』
 そして、上田秋成さん著『菊花の約』。

「かァ~いィだァんッ??」
「ぐるがるぅるるるぅ!」(←訳:まだ夏じゃないよぅ!)

 ええ、夏じゃなくても怪談です。
 ていうか、
 怪談に詳しい活字マニアさんは
 ↑上記の著作リストを見た時点で、
 あれぇ?と首を傾げるのじゃないかしら。

 鏡花さんの短編、
 乱歩さんの代表作、
 川端さんのあの作品も、
 確かに怖い、怖い、けど……

 怖さだけを重視するなら、
 もっと他の作品を選ぶことも出来たんじゃ?

「ふァ? そッ、そうゥでスかァ?」
「がるぐるるるる~…」(←訳:そう言われると~…)

 何より、《恐怖》をセールスポイントにした映画やドラマが
 うようよしているのが現代です。
 映画館でもTVでも配信モノでも、
 精巧な特殊メイクのゾンビたちと簡単に会えてしまう。

 《恐怖》を視覚的なインパクトで比較するとしたら、
 編者・東さんの選んだ《怪談》は、
 到底ゾンビたちの敵ではないかもしれません。

 でも。

 そもそも、
 《怪談》って何なのでしょう。

「えッ? えッとォ~??」
「ぐるがるぐるぅ?」(←訳:怖い御話でしょ?)

 《怪談》の要となるものは、
 怖さ、よりも。
 
 心に残ること。

 脳裏から去ることなく、
 やがては読み手の心を支配するお話――

 寝ても覚めても。
 読み手の心から去らぬもの――

 ではなかろうかと想いめぐらしつつ、
 鏡花さんの、乱歩さんの、中井さんの作品をひもとけば、
 明らかになってくるはずです、
 文豪さんたちが考えた《怪談》の、
 ひとつの理想のかたちが。

「いまもォ、むかしもォかわらないィ~」
「がるぐるるるがる!」(←訳:人のこころの動き!)

 このアンソロジー・シリーズのさらなる素晴らしさは、
 すべての漢字にルビがふられ、
 文中の難解な言葉や言い回しに
 詳細な注釈が付されている点です。

 平成生まれの小学生さん中学生さんも
 江戸時代の上田秋成さんの作品を
 この巻のテーマ《恋》と《怪》の贅沢な共演を、
 存分に楽しめます♪

「おとなにもォ、もッちろんッ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:おすすめです!)

 書店のジュニア本コーナーで、
 図書館の児童書コーナーで、
 皆さま、ぜひ、探してみてくださいね。
 
 
 
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