テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

《画集》で大冒険!!

2017-05-21 21:50:27 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こんどこそォ~きめちゃおうゥッ!」
「がるる!ぐるるる!!」(←訳:虎です!新記録へ!!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、我らがユヴェントスはリーグ優勝に王手をかけております。
 今日こそ!今度こそ!の願いを込めて、
 試合開始の笛を待ちながら、
 さあ、読書タイムもしっかりと行きましょう。
 本日は、こちらのアートブックを、どうぞ~♪
 
  



         ―― ヨーロッパの幻想美術 ――



 解説と監修は海野弘(うんの・ひろし)さん、2017年4月に発行されました。
 『世紀末デカダンスとファム・ファタール(運命の女)たち』と
 副題が付されたこの御本は……

 この春、私ネーさが
 “最も驚かされた一冊”です!

「ふァ? びッくりィ、でスかッ?」
「ぐるるるるる?」(←訳:どこらへんが?)

 それはね、もう、
 御本を手に取っていただければ一目瞭然なんですけどね、
 アートジャンルの御本や画集といった書籍は
 殆どの場合、

   白地に図版(絵画)を置く

 というデザインが基本となっています。
 
 いちばん分かり易い例が、
 展覧会の図録でしょうか。

「ふァいッ! しろいィ、ぺーじにィ」
「がるぐる!」(←訳:絵を印刷!)

 ところが、この御本には。

 地が白いページなんて
 一ヶ所もないんです。

 マーブル模様、水玉模様、格子にグラデーション、
 花、蝶、幾何学や江戸小紋風、と
 どのページも、
 いえ、御本全体に、
 “過剰”と表現したくなるほどの装飾が施されています。

「はではでェ、でスねッ!」
「ぐるるる!」(←訳:にぎやか!)

 こういう背景デザインに
 この画を置くかー!

 と、最初に目にした時は度肝を抜かれたんですが、
 何度か見返すうち、不思議なことに
 しっくりくる、というか、
 けっして悪くない、
 むしろ地のデザインが画を活性化させているかのような
 奇妙な感じがしてきました。

 ギリギリだけれど、
 アリなのか、この画面構成……!

「ありィ、でスねッ!」
「がるるるるぐる!」(←訳:楽しいからアリ!)

 斯様にデザインはブッ飛んでいても、
 監修の海野さんによる解説文は、
 ご安心ください、
 王道です。

 《象徴主義のヨーロッパ周遊》
 《デカダンス・モダン もう1つの世紀末》
 《世紀末のイコノロジー》

 本文を以上のような3つの章に分け、
 フランス象徴派、
 ベルギー象徴派、
 ラファエル前派、
 ドイツ象徴派、
 ウィーン分離派……と、
 19世紀後半以降にヨーロッパで湧き興った幻想美術と
 その担い手となった画家さんたちが
 紹介されてゆきます。

 合間には
 コラム『世紀末を彩る群像 ファム・ファタール』も掲載され、
 メアリー・シェリーさん、
 アルマ・マーラーさん、
 ルー・サロメさん他
 《運命の女》についての記述もありますよ。

「よみものとォしてもォ~」
「ぐるるる!」(←訳:面白すぎ!)

 観ながら、
 読みながら、
 象徴主義からシュールレアリズムまでの歴史を辿る。
 絵画の森の中の、
 うねった道を歩いてゆく――

 アートディレクションは原条令子さん、
 デザインは八田さつきさん。

 勇気ある勝負に打って出たこのおふたりの名を
 心にしかと刻みつつ、
 いわゆる《世紀末アート》好きな御方は、
 ぜひ、一読&一覧を!
 
 

 
 
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