テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

キッチンの巨匠さん。

2017-02-13 22:17:06 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おくりものォ、じゅんびィおっけィー?」
「がるる!ぐっるーがる!」(→訳:虎です!オッケーです!)

 こんにちは、ネーさです。
 明日14日はバレンタイン!
 ショコラ尽くしの一日!……なんですが、
 甘いものを苦手にしている人のために御煎餅も用意しましたよ。
 イベントって楽しいけどややこしいわね~とバタバタしながら、
 さあ、本日の読書タイムは、こちらを、どうぞ~♪
 
  



     ―― もっと知りたい パウル・クレー ――



 著者は新藤真知(しんどう・まこと)さん、2011年5月に発行されました。
 『生涯と作品』と副題が付されています。

 先日ご紹介しました、
 加藤浩子さん著『音楽で楽しむ名画』。
 そこで知ったクレーさんの“主夫”っぷりが、
 私ネーさ、どうにも気になりまして……

「まいにちィ、ごはんづくりィ!」
「ぐるるがる!」(←訳:洗濯に掃除!)
「こそだてもォ!」

 いわゆる《家事》。

 21世紀の現代でも、
 食事作り・掃除・洗濯・育児・その他雑事を
 全部みごとにやってごらんなさい!
 と言われて、
 ハイハイっと出来ちゃう人が
 男女を問わずどれだけいるかというと……

 あんまり多くない、でしょうね。

「でもォ、ぱうるゥおじさんはァ~」
「がっるるぐる!」(←訳:やったのです!)

 前衛絵画、抽象絵画、線描主義、
 ナチス・ドイツによれば退廃芸術。
 クレーさんの作風の呼び名はさまざまです。

 しかし、20世紀美術を代表する画家さんであることに
 疑いはありません。

 そんな御方が、本当に、
 洗濯や繕いものをしながら、
 愛息フェリックスくんのおしめを替えたりしながら、
 ひっそりとキッチンの片隅で
 絵を描いていたなんて、
 ねえテディちゃ、虎くん、本当なのかしら?

「うそのォようなァ、まことッ!」
「ぐるがる!」(←訳:本当です!)

 1906年、9月。

 著者・新藤さんによれば、この時から

 《クレーはハウスハズバンドとなり、一切の家事を引き受ける》。

 ピアノ教師となって妻リリーさんは働き、
 夫クレーさんは息子フェリックスくんが3歳の誕生日を迎えるまで
 近郊にスケッチに出掛けることも控え、
 本気で家事に邁進(まいしん)します。

 では、この“主夫”生活を
 クレーさん本人はキャリアのマイナス点かと考えていたか、
 というと……?

「そうでもォありませんッ!」
「がるるるるー!」(←訳:暗くないよー!)

 それはクレーさんにとって、
 フェリックスくんにとっても、
 必要な日々だったのかもしれません。

 幼い我が子に寄り添う。
 健やかに育て、と心を砕く。

 当時はまだまだ、
 医薬品が思うように入手できず、
 インフルエンザが世界的に流行して数百万人が亡くなり、
 結核の治療薬もなく、
 もちろん洗濯機も電子レンジもない時代です。

 電話一本で救急車が小児科専門病院へ搬送してくれるような、
 そんな環境ではなかった――

 現代と同じように、
 現代以上に、
 育児は楽なものではなかった、はずですが。

「やりぬいたのでス!」
「ぐるっるる!」(←訳:頑張ったよ!)

 御本の21ページ左下に
 小さなモノクロ写真が掲載されています。

 1916年、
 9歳になるフェリックスくんの誕生日プレゼントに、と
 クレーさんが手作りした指人形、
 人形たちが歌い踊る?芝居小屋までも。

「かんぜんッってづくりィ!」
「がるる!」(←訳:お手製!)

 フェリックスくんに注ぐ愛情の、大きさ、深さ。

 フェリックスくんもまた、
 父パウルさんの愛情に応えます。

 クレーさんが没してのち、
 父の作品が散逸するのを防ぐべく奔走し、
 クレー財団を設立したのは
 フェリックスさんでした。

「いつもォ、いッしょにッ?」
「ぐるがるるる?」(←訳:心もひとつに?)

 知って満足、では終わらず、
 いやもっともっと知りたくなったぞクレーさんのことを!

 そう思わせてくれるアートブックです。
 絵画好き&伝記好き&歴史好きな御方は、
 ぜひ、一読を♪
 
 
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