テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ はるかなる《図像》の旅へ ~

2013-02-08 23:15:55 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 はふゥほふゥ! さみゅゥ~いッ!」
「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!寒いね~!)

 こんにちは、ネーさです。
 春めいてきたわ♪と思ったら、寒さが戻ってきちゃいましたね。
 暖かくなるまで家にお籠り予定の活字マニアさんには、
 はい! こちらの御本はいかがでしょう~♪

  



          ―― 中野京子と読み解く 名画の謎 旧約・新訳聖書篇 ――



 著者は中野京子さん、2012年12月に発行されました。
 『ギリシャ神話篇』に続く《名画の謎》シリーズ最新作ですよ♪

 
 いまや、絵画評論ならばこの御方!な中野京子さん!
 以前に御紹介した中野さんの『名画と読む イエス・キリストの物語』は、
 宗教者イエスの生涯がクローズアップされた作品でしたが、
 題名の通り、
 この御本で“解読”が試みられているのは、
 聖書――
 旧約聖書と新約聖書のエピソードをテーマとする絵画、です。

「わうゥッ! むずかしィそゥッ!」
「ぐるるぅ~!」(←訳:複雑だぁ~!)

 そうね、著者・中野さんも、
 そもそも旧約と新約の違いは……と
 説明するところから始めておられます。
 
 その説明を、申し訳なくも、私ネーさ風に言い換えてしまいますと――

 旧約聖書の物語というのは、
 イエスさまが現われる以前のものがたり。

 新約聖書の物語は、
 イエスさま生誕より後の、
 《イエス・キリスト伝》とも呼ぶべきものがたり。

「ふゥ~むッ??」
「がるる~??」

 でもね、異論や、宗派ごとの解釈の違いもいろいろあるらしくて、
 ホントにややこしいのよ。

 
 けれど、さすがは、名解説&解読者・中野さん!
 『?』の嵐の中を、
 巧みに舵を取り、
 読み手に航路を示してくれます。

 絵画に描かれた《名シーン》の背景、
 さりげなく描き込まれたヒトやモノの意味、
 画家さんの秘かな試み、
 大胆な挑戦、
 暗喩や謎……!

「ふァ~!
 みごとなァ、なぞときィ!」
「ぐるるがるがるるがっるる!」(←訳:目からウロコがいっぱい!)

 旧約聖書の章では、
 ミケランジェロさん、W・ブレイクさん、
 ブリューゲルさんにルーベンスさん、ボスさんと、
 そうそうたる巨匠さんが
 楽園追放、バベルの塔、
 サムソンとデリラなどの“名場面”に腕をふるっています。

 そして新約聖書の章では、
 イエスさまの生涯、
 聖母さま、最後の晩餐といった壮大なテーマに挑んだ画聖さんたちと、
 その成果が綴られてゆきます。
 ロセッティさん、ボッティチェリさん、
 カラヴァッジョさん、ティツィアーノさん、
 そしてミケランジェロさん、
 レオナルドさん……!

「おーるすたァー!なのでスゥ!」
「がるぐるぐる!」(←訳:綺羅星のよう!)

 ときにアイロニカルに、
 ときにユーモラスに、
 或いはどうしようもなく哀しく、
 そして雄弁に、
 著者・中野さんは
 聖書という比類ないドラマの旅を先導してゆきます。

 かつて人の世に、何が起きたのか?
 画家は、それをどう描いたのか?

「いくつものォ~!」
「ぐるがるる!」(←訳:大河ドラマ!)

 アート好きな活字マニアさんは、
 さあ、名ガイドさんの文章に乗って
 “図像の旅”へ、出かけましょう!



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