テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

港の守護者とともに。

2012-03-09 23:20:08 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今日あたりから?なのでしょうか、
 映画『長靴をはいたネコ』のTVCMが始まって、
 んまあ!
 主人公のネコちゃんてば超人気ブログ『チワトラ』の正宗にぃちゃんにそっくり~♪

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ほわァおゥ! うりィふたつゥでスよッ!」
「がるる!がるがるがるぐる!」(→訳:虎です!色も模様も双子級激似!)

 映画『長靴をはいた猫』、英語原題は『Puss In Boots』。
 Pussくんの活躍、ぜひスクリーンで拝見したいものですが、
 活字マニアの私たち、とりあえず本日も読書タ~イム!
 こちらを、どうぞ~!

  


 
               ―― 横浜の時を旅する ――



 著者は山崎洋子さん、2011年12月に発行されました。
 『――ホテル ニューグランドの魔法』と副題が付されています。
 
 あらためて申し上げるまでもありませんが、
 『長靴をはいた猫』くんのTVCMだけでなく、
 今月に入って、TV、新聞、雑誌他のメディアでは
 東日本震災関連のニュース・画像・記事などの比重が増えてきました……
 
 この御本は、
 歴史と格式を誇る横浜のホテル ニューグランドにまつわるエピソードを
 ミステリ作家&脚本家としても知られる山崎さんが
 丁寧に収集し、掬(すく)いあげ、
 タペストリーさながらに織り上げたノンフィクションです。
 歴史読みもの、とも言えるかもしれませんね。

 そしてこの、ホテル ニューグランドのものがたりは、また、
 震災被害へのひとつの答え、でもあるんです。

「えェッ? よこはまのォ、ほてるゥがァ??」
「ぐるるがるる~?」(←訳:どういうこと~?)

 1927年、当時の日本の顔であった港町YOKOHAMAに
 ホテル ニューグランドは誕生しました。
 昔は外国人のお客さまがほとんどでした――と
 ベテランのホテルスタッフさんが回想しておられるように、
 そこは、特別な空間。

 堅苦しくない、ア・ラ・カルトを中心としたフランス料理を
 日本で初めて取り入れたホテル。
 スパゲティ・ナポリタンを発明!したホテル。
 チャップリンさんが、マッカーサーさんが宿泊したホテル。
 多くの小説、映画、名写真の背景となったホテル。
 政治の、文化の、
 人びとのドラマの舞台となったホテル。

 早くから横浜のランドマーク、
 優雅な社交の場となっていたホテルには、
 創業年から既にお分かりでしょうが、
 幾つもの災害・災難が降りかかりました。
 竣工前に起こった関東大震災、
 太平洋戦争時の空襲、
 戦後の米軍による接収、
 接収解除後の混乱と物資不足……

「ふァ~、そんなにィ?」
「がるぐるる~…!」(←訳:波乱続きだ~…!)

 関東大震災からの復興のシンボル。
 官民が一体となって建設したホテル。

 著者・山崎さんは、自称『関西にある海辺の町』の子。
 中学2年の修学旅行で、
 山崎さんは横浜の山下公園に立ち寄り、
 そこでホテル ニューグランドと出逢います。
 修学旅行の他の出来事は記憶の彼方に忘れてしまっても、
 この出逢いだけは忘れませんでした。
 
  大人になったら必ずここへ戻って来よう。
  なぜなら、
  横浜こそわたしの住むべき場所なんだから……

 ひとりの少女に重大な決意をさせた、ホテル ニューグランド。
 ホテルを足掛かりに、
 国際都市ヨコハマの歴史と
 幾度もの災害・戦火を生き延びた《ひと》の歴史が
 山崎さんの筆で活写されます。
 
 さあ活字マニアの皆さま、
 この御本を手に、
 横浜旅行の際は、ぜひともホテル ニューグランドへ!
 上階からのパノラマは絶景ですよ!

「おちゃもォ、けーきもォ、おいしィのでス!」
「ぐるるがるがる~!」(←訳:夜景も必見だよう~!)
 
 
コメント
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