セスタバジカ Cesta Basica

「基礎的なバスケット」という意味のポルトガル語。
ブラジルでは「日常生活を送るための必需品のセット」を指します。

ばかじゃないよ

2011年09月11日 | 日記
F君は日本語教室にたくさんの教科書を持ってくるけど、必ず勉強するのは社会だ。
歴史の教科書が読めないから漢字にルビを打つのを手伝ってほしいと言う。
昨日、週末の勉強会にも持って来ていたのでビックリした。
歴史をわかるようになりたい一心だ。
だけどそれは本当に難しい。

漸く日常会話ができ、小学校3年生の漢字の勉強を終えたところ。
80+160+200=340の漢字の勉強が終わったけど、漢字の意味、訓読み、音読み、それらがつくる熟語をすべて身につけたわけではない。
歴史の教科書にでてくる用語のほとんどは読めないし意味もわからない。
例えば聖徳太子が男の名前であることも、冠位十二階が12階建ての建物でないことも想像がつかない。

「ねぇ、英語や数学を勉強しよう?」
「いや、それは何とかやれるからこれを教えて」
「あのね、まだ難しいと思うよ。それにね、君にわかるように私も教えられないしブラジル人の先生にも教えることができないよ(日本語の説明だけでもポルトガル語の説明だけでも彼は理解できない、彼のわかる日本語と彼のわかるポルトガル語を組み合わせて説明する必要があるけど、それは誰にもできない)誰からも教えられないことを君が理解するのは難しいと思うよ」
「僕はばかだから・・・」
「違うよ、誰も教える事ができないのよ」
「誰が教えても僕はわからない、だから僕は馬鹿だ・・・」

ああ、違うのに、全く違うのに・・・それをうまく伝えることができない。
親が中島先生の講演会に来てくれていたらよかった。
そして息子に無理難題を押し付けるのではなく、こうやってがんばろうとしていることを認めて褒めてやってくれたらいいのに・・・

母語で学習するチャンスがないこと
学習言語を身につけるにはもっともっと時間がかかること
第二言語は決して母語話者のようにはなれないこと
これが彼の学習を困難にしている。決して僕が馬鹿なのではない!!

自尊感情が持てない生徒が多い。そうじゃないよ、と伝えることも難しい(よしもと)


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1 コメント

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Unknown (よしもと)
2011-09-14 23:53:47
10日土曜日東広島で活躍のOさんが来滋賀
ピケーノポレガル→ワールドアミーゴクラブ→ラチノ学園→八日市の勉強会→ファブリカ村を案内させていただいた。

同じ中学生について書かれているので紹介します。
http://yaccharu18.blogspot.com/2011/09/blog-post_14.html

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