M.シュナウザー・チェルト君のパパ、「てつんどの独り言」

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ぶらり銀座

2017年06月18日 | エッセイ



 僕の家から山手線経由でも、地下鉄経由でも、1時間で銀座に出られる。かなり気楽に銀座を歩ける環境にある。幸いだ。



 <泰明小学校>

 谷中に住んでいた頃には、団子坂下から都電一本で八丁目まで行けた銀座の町だ。だから懐かしくもあり、変遷に寂しくなったりもする。最近の銀座の変わりようは、全くつまらないと思う。やたらブランド品の店が古くからの個人商店を押しのけて、街の当然の住人のような顔をしているのが気に食わない。昔からの小さな店が、どんどん消えていっているのは残念だ。銀座の個性を失っているといっていいだろう。

 もうせんは、「銀座百点(銀座の有名店の会が出版)」という小冊子を見ながら、この店、最近行っていないなあなんて楽しんでいたが、今は、本当に参加店は100店くらいになってしまった。つまり、ちょっと覗いてみようかという店がなくなったということだ。

 今でも、銀座に出かけると、決まって寄る店は決まっている。しかし、その数も減ってきている。

 食い物屋から行けば、一丁目にあったドイツ風レストラン、「つばめグリル」。ここにあった本店は、ついに戻ってはこなかった。真ん中にキッチンを置いて、前の銀座通りに客席があり、キッチンの横を通って、裏に抜けるとあずま通りに面した、ちょっと隠れ家のような客席があった。銀座の表通りから、裏道までつながる楽しい店の作りだった。今は銀座コアに店があるが、全く個性のない店だ。味も落ちた気がする。



 <つばめグリル>

 食べ物屋で極端に減ったと感じるのは、蕎麦屋。確実に減っている。蕎麦食いの僕にとっては大問題。昼飯を軽く…と思っても、さあ店がない。昔は四丁目の角の日産のショールームの並びに銀座砂場があったが、もうない。蕎麦屋探しは続いている。サエグサの裏手に見つけたTSは、蕎麦はうまいが、客扱いが悪い。店が狭いから、慌てて食べて、次のお客に席を譲らなければならない気分になってっしまう。七丁目にあったTAも5丁目に引っ越して、TVに出て客が増えた。客が増えるのは良いことだが、客扱いがぞんざいになるのはいただけない。穴場の蕎麦屋があったら、こっそりコメントで教えてほしいと持っているくらいだ。

 

<伊東屋>

 昔からのひいき、GINZA MATSUYAは変わらずにいてくれて、安心だ。残念なのは、隣の伊東屋(1904年創業の文房具の専門店)さん。銀座に出る楽しみの一つが、伊東屋さんだった。ここ、何年かかけてリノヴェーションしたが、そこで間違った。入り口の高い吹き抜けの大切な空間を無くしてしまった。三階からも、一階ではどんなもようしをやってんだろうと眺めて、行ってみようかという気になる。人を待っているときなど、待ち人が入り口に駆け込んできるのを上の階から見ていることが出来た。縦にも目線の移動が可能だったのだ。しかし、今は各階が天井で仕切られてしまって、息苦しい。つまらなくなったから。足が遠のく。

 今回、イタリア映画祭をマリオンに見に行って、ぶらりと銀座を歩いていたら、新しい店が見つかった。

 僕が買えることはまずない、高級外車のショールームが一つ。カネの無い僕には無関係な空間が、僕を招き入れてくれた。人はほとんど入っていない。美しいヨーロッパの名車が、無造作に床にある。見せてもらってもいいですかと声を掛けたら、買いそうにもない僕に、どうぞとにこやかな笑顔が答えてくれた。店の名前は、「車G735」とある。なんだか奇妙な名前だ。後で調べたら、案の定、住所G:銀座7丁目3番5号からとった名前だった。

 

<ランボルギーニ>



 <マセラッティ>

 ロールスロイス、ポルシェカイエン、アストンマーチン、ランボルギー二、マセラッティなどの美しい車が並んでいる。写真を撮ってもいいですかと聞いて、了解を得て写真を何枚かとった。やはり日本の車にはない気品あるデザインが美しい。中でも、マセラッティなんて、これまで近寄ったこともない。思えば、僕の息子が小学校高学年の頃、2人で作ったプラモデルの実物が並んでいた。日本ではなかなか見られないマセラッティの側でポーズを決めて、写真を撮ってもらった。買えるものではないが、美しい。

 

<為永画廊>

 その流れで、前回見つけた交詢社通りの為永ギャラリーも覗いてみる。ここも、高級な売り絵の画廊で、カネのない僕には無縁な店だ。しかし、画廊だから、僕も入っていることが出来る。「紙に描いた名品展」をやっていた。見せていただきますよと一声かけて、歩みこむ。ディフィ、フジタ、ピカソ、ビュッフェなどの紙に描いた商品の中に、僕の好きなシャガールを見出して、うれしくてにんまりとなる。ここは、日本で初めてエコールドパリ派の絵の収集を始めた老舗の画廊だ。相手は日本人のコレクター。いい絵を楽しむのに遠慮はいらない。貧富の差も関係ない。楽しんで来ればよい。



 <ガード下>

 小腹もすいて、のども乾いたから、ちょっと飲もうかと考える。しかし、昼間の3時から飲めるところは、7丁目のライオンか、数寄屋橋のニュートーキョーくらいになってしまう。それでは詰まらない。

 そこで、有楽町のガード下まで足を延ばせば、うまいレモンハイと焼き鳥(ホルモン)が、他の多くの飲ん兵とともに僕を待っていてくれる。ぶらり銀座の醍醐味だ。若いフランス女性が、興味深そうに店の写真に撮っていた。

 カネのない僕にも、まだ楽しめる銀座がある。

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