年度の壁は冷徹で、鉄のように堅固だ。この壁を乗り越えられる人間はいない。年度内であれば、多少の遡及や先送りはある。しかし、年度末にはそれがない。絶対にない。年度末ぎりぎりまで数字とにらめっこをし、決算を出し、4月に入った途端に過去は前年度や過年度と呼ばれ別世界になる。そうなると今度は前の年度には手も足もでない。恐ろしい壁なのである。
年度という言葉すら知らなかったのんびりした学生だったので、就職してから、年度末・始めには大いに苦労させられた。訂正印という小さな判子を生まれて初めて作ったのもこの時期であった。その訂正印を決算表に桜吹雪きの如く押した苦い思い出がある(笑)。
来年には定年を迎え、年度との直接的な関わりあいはもう終わるのだと思うと、うれしいようでもあり淋しいようでもある。
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