Cellologue

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G.ダラーバコの音楽

2016年10月07日 | 音楽について
 サンマルティーニについて調べている際に、チェリストで作曲もしたジュゼッペ(ヨセフ)・ダラーバコ(Joseph Abaco(Joseph (Giuseppe) Marie Clément Ferdinand dall'Abacoまたは、Giuseppe Maria Clemente dall'Abaco, 1710-1805. 以下、G.ダラーバコとする)について知り、その音楽に魅かれている。

 実は、G.ダラーバコの父親は、イタリア出身でドイツで活躍した宮廷楽師、E.F.ダラーバコ(Evaristo Felice dall'Abaco, 1675-1742)である。
 E.F.ダラーバコ はイタリアのヴェローナに生まれ、父親でギター奏者のダミアーノに音楽の才を見出され、トレルリのもとでヴァイオリンとチェロを学び、1704年、バヴァリア(ミュンヘン)の選帝侯、マキシミリアン2世のもとで楽師として雇われたものの、数か月後には負け戦により侯とともに各国を遍歴、その途次のブリュッセルでジュゼッペを授かった。1715年に選帝侯がミュンヘンに復古した際に宮廷楽長に指名された。彼はその後も演奏や作曲活動を続けたものと思われるが、1740年に引退した後、ミュンヘンで没した。

 その息子であるG.ダラーバコは、ブリュッセルで生まれ、父からチェロの手ほどきを受けた後、ボンの教会オーケストラ団員(1720-53)であった他、ロンドン、ウィーンでも過ごし、特にロンドンではチェロの普及に影響を与えたようだ。1753年に父親の生地であるヴェローナに移りそこで余生を過ごした、という概略しか分らない。

 父親のE.F.ダラーバコは、A.ヴィヴァルデイ(1678-1741)と同世代だが、息子G.ダラーバコの方は、件のG.B.サンマルティーニ(1700-1775)より10歳若いということになる。G.ダラーバコが亡くなった時、ベートーヴェンは35歳であった。
 父親と共に興味深い人物であるし、音楽も印象的で魅力的であるが、意外と古い音楽に聞える。残念ながら、経歴の詳細は不明であり、残された作品も少ない。

 YouTubeで彼の音楽を楽しむことができる。バッハやヴィヴァルディとは異なる、もちろん、サンマルティーニとはもっと異なり、どこか陰翳のある音楽は、イタリアへの想い、あるいは父親への思慕があるのかなどと妄想しているが、この季節、胸に沁みるものがある。

G.ダラーバコのカプリース第1番ハ短調。
Bruno Cocset - "Capriccio 1 - Joseph Marie Clément Dall'Abaco"


G.ダラーバコのカプリース第6番ホ短調。
noncerto 12.2 Elinor Frey - Dall'Abaco: Sesto, Capriccio - Classical Music Video


(参考資料)
『チェロの本』(カウリング著、三木訳.1989)
『名チェリストたち』(キャンベル著、山田訳.1994)




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