Cellologue

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ベルトー VS サンマルティーニ(エピローグ)

2017年06月17日 | 音楽について
(承前)
これまで、『ベルトー VS サンマルティーニ』と題して、鈴木教本のサンマルティーニのソナタト長調の作曲者は誰かという問題を考え、作品を収録した7点のCDの紹介をアップしてきました。
両者の関係については既にご存知の方も多いことと思われますので、「何を今さら」感もあるのですが、個人的なメモとして残しておきたいと思って続けました。同様に、ディスコグラフィーも「画蛇添足」感が漂うのですが、こちらも、ご笑覧いただけたのなら幸いです。

こんなことを調べたり、書いたりしている間に練習をしたほうがよっぽどよかったのではないかと思います。教本にきちんとした解題があれば、これほど深入りすることもなかったのですが、反面、調べる楽しみも得られなかったことでしょう。道草ではあっても、この曲に対して一層の興味が湧きましたし、二人の音楽家やその周辺の音楽家、演奏家も知ることができました。そして、何よりも練習当初から抱いていた、あの違和感がなくなって、これからはすっきりした気分で練習できるでしょう。(大人は面倒くさいですね(笑))

実際のところ、鈴木教本のサンマルティーニはオリジナル版でもモファット版でもローズ版でもない、いわば練習版です。このとおりに弾いたとしても、オリジナルでも、編曲版でもない、唯の練習曲ということになります。それであっても、オリジナルを承知の上で弾くことは悪いことではないと思います。反対に、無理してオリジナルを弾くこともないと思います。オリジナルは、初期のチェロ作品にしては高難度で、私にとっては解読するだけで数年は要するでしょう。将来の課題がまたひとつ増えたことになります。長生きしなければなりません(笑)。

まだ、謎は残っています。
ベルトーがソナタ集を出版した目的は何だったのでしょうか。曲はベルトーのオリジナルだったのでしょうか。他にも作品は残っているのでしょうか。そして、彼の生涯もほとんど謎のままです。
それにしても、今回の作業で羨ましく思ったのはヨーロッパの図書館の充実です。大英図書館は別格としても、地方の図書館にも18世紀頃の出版譜が遺されているのです。未整理、手付かずで眠っている資料は少なくないと思われます。音楽図書館や大学図書館に、ベルトーなどの知名度の低い音楽家の作品が遺されていることに文化の厚みを感じます。将来、音楽史を塗り替えるような発見が行われることを期待しないわけにはいきません。長生きしたいものです。

モファットはオリジナルを改作したとして評判は芳しくないのですが、結果的に、初心者でも弾けるようにアレンジしてくれたわけです。第1楽章のカデンツァの一部改作、第2楽章の重音の削除、ハーモニクスだらけの第4楽章そのものの割愛は、今だから「改悪」と呼ばれますが、この曲が世間に受け入れられるために必要なことだったとも言えます。お蔭で私は怪しいながらもこのダイジェスト版で弾くことができるのです。最後に、アルフレッド・モファット氏に感謝してこの記事を終わりたいと思います。

ご愛読いただき、ありがとうございました。
(おわり)


ベルトー VS サンマルティーニ
ベルトー VS サンマルティーニ(続)
ベルトー VS サンマルティーニ(付録)
ベルトー VS サンマルティーニ(ディスコグラフィー1)
ベルトー VS サンマルティーニ(ディスコグラフィー2)
ベルトー VS サンマルティーニ(ディスコグラフィー3)
ベルトー VS サンマルティーニ(ディスコグラフィー4)
ベルトー VS サンマルティーニ(エピローグ)
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