らくがき・サイファ

サイファ。
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らくがき・七海

七海。
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名探偵コナン「鳥取砂丘ミステリーツアー(倉吉編)」

毎年恒例のミステリーツアー。今回は真打ち(?)鳥取。原作者のふるさとですからね。気合い入ってるんじゃないかと。

私は鳥取砂丘へは行ったことあるけど、ほんと砂丘だけなので、周辺の観光地らしきところは行ったことありません。倉吉も電車で通過するだけみたいな。空港もまだコナンでも鬼太郎でもなかったし。というか、コナンの連載さえ始まっていないころでした(笑)。

元家政婦すげぇな。見た目からして普通じゃない。それなりに立派なお家柄っぽいのに、なんでよりによってあんなのを家政婦として雇ったのか。雇ってた当時はもうちょっとまともだったんだろうか。

▼名探偵コナン アニメ感想等
名探偵コナン@SKY BLUE
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「機械仕掛けのカンパネラ」第5話 四年半ぶりの殺人犯

「ふざけんな!」
 七海は新鮮な空気を吸い込むと、トランクを開けて真上から覗き込んできた男に思いきり食ってかかった。顔に陰が落ちているので表情まではよくわからないが、うっすらと不敵な笑みを浮かべているように見える。その背後にはどんよりとした鈍色の空が広がっていた。
 おそらく目的地の近くに着いたのだろう。
 誘拐犯のところに連れて行ってくれるというので頼んだら、手足を縛られたまま車のトランクに放り込まれ、ひたすら二時間ほど走ってここまで連れてこられたのだ。手厚くもてなされることを期待していたわけではないが、まさかこんな非人間的な仕打ちを受けるとは思わなかった。
 トランク内には一応やわらかい毛布が敷かれていたが、それでも何度も体をぶつけるとけっこう痛い。特に最後の方は傾斜はあるしガタガタだし散々だった。手足を縛られているため身を庇うこともできず、為すがまま打ちつけられるしかないのだ。
「こんなところに放り込むなんて荷物扱いかよ!」
「君は拳銃所持で不法侵入した不審者だよ。自覚ある?」
 そう言うと、彼は七海を米俵のように肩に担ぎ上げた。彼の背中側に七海の頭が逆さ吊りになる。
「ちょ……落ちるっ! 落ちるから!!」
「そう思うなら暴れないで」
 怯える七海に冷たく言い放ち、そのまま歩き始める。
 最初は無理だと思ったが、しっかり腰と脚を抱えてくれているので意外と安定している。おとなしくさえしていれば落とされることはなさそうだ。この運ばれ方については甚だ不本意だがあきらめるしかない。
 あまり顔を動かさないよう横目でちらちらとあたりを窺う。鬱蒼と茂る木々や草花、舗装されていない細道くらいしか目に入らない。その細道を、彼は躊躇のない足取りでずんずんと進んでいく。後ろからは執事の櫻井が無表情でついてきていた。

 しばらく木々のあいだの細道をたどっていくと、山小屋が現れた。
 彼は七海を担いだまま鍵を開けて勝手に入っていく。そして突き当たりの扉を開けて中に進むと、七海を板張りの床に下ろした。転がされたのではなく座らされただけ、今までよりも丁寧な扱いといえるだろう。
 七海はぐるりと見まわす。
 すっきりとしたシンプルな部屋。ダイニングテーブルと椅子、ソファくらいしか目立つ物はない。テレビすら見当たらない。ただ隅の台所だけは充実しているようだ。七海のいるところからすべてが見えるわけではないが、それでも食器や食材、こまごまとした道具などが小綺麗に置かれているのがわかる。
 窓の方に目を向けるとベランダに人影が見えて息を飲んだ。後ろを向いているので顔まではわからないが、すらりとした背格好は父親を殺した男にとてもよく似ている。頭は金髪ではなく黒髪だが染めているのかもしれない。
 きっと、あいつだ――。
 ドクドクと痛いくらいに鼓動が速くなる。まともに息もできない。
 こちらに気付いたのかベランダの男が振り向いた。その顔を見て七海はごくりと唾を飲んだ。間違いなくあのとき脳裏に焼き付いた顔だ。すっきりとした輪郭、精悍な目元、まっすぐ通った鼻筋、薄い唇、そして鮮やかな青の瞳。すべてが一致する。
「わざわざ来てもらって悪いな、遥」
「この子だよ。武蔵のことお父さんって」
 ベランダの男はガラス戸を開けて部屋の中に入り、七海をここに連れてきた若い男と言葉を交わすと、七海の前で片膝をついた。宝石のような青の双眸が真正面から七海を捉える。
 瞬間、吐き気のするような血の匂い、なまぬるいべとりとした感触、底冷えするような鮮烈な青の瞳、どす黒い血に濡れた大きな両手――五感を伴う記憶が脳裏を駆けめぐった。体の芯が冷たくなりゾクリと身震いする。
「おまえ、俺が父親だっていう根拠は何かあるのか?」
「お……おまえなんか父親じゃない! 父親なもんか!」
「は??」
「おまえはお父さんのカタキだ!!」
 ぶわっと涙をあふれさせながら身を乗り出して突っかかるが、手足を縛られていたためバランスを崩してしまい、みっともなく倒れかかったところを彼に受け止められる。カッとして思いきりその手首に噛みついたものの、致命傷どころか血のにじむ程度の傷にしかならなかった。
「拳銃返して! こいつ殺さなきゃ!!」
「違法なものを返せるわけないでしょ」
 七海をここに連れてきた若い男――遥に振り向いて訴えたが、彼は冷ややかにそう答えるだけだった。その後ろに控えている執事も無反応である。
「じゃあ台所からナイフ持ってきて!」
「残念だけど殺人も違法だからね」
「こいつが先にお父さんを殺したんだ!」
「江戸時代なら仇討ちできたけどさ」
 激昂する七海とは対照的に、遥は何を聞いても動じることなく淡々と言い返す。
 くやしい、くやしい、くやしい!!!
 長年、殺してやろうと思っていた男が目の前にいるのに何もできない。顔をぐちゃぐちゃにしてただ見苦しく泣いているだけだ。あまつさえその男に抱き留めてもらっているなど、屈辱で頭が沸騰しそうになる。
 ごめん、拓海――。
 こんなはずではなかった。いったいどこでどう間違ってしまったのだろう。勝手な行動はするなと散々注意されていたはずなのに、言うことをきかずに突っ走ってこんな結果になるなんて、あまりに申し訳なくて彼に顔向けできない。
「なあ、遥……この子の名前、なんて言ったっけ?」
「坂崎七海。自称だから本名かどうかはわからない」
「坂崎……」
 二人が自分について話すのを、七海はぼろぼろと涙を流してしゃくり上げながら聞いていた。正直に本名を答えたのに信じられていなかったようだが、口を挟む気にはなれない。泣き疲れたせいか心も体もぐったりと憔悴していた。
 ふいに、七海を抱く手に力がこもる。
 怪訝に思って彼を見上げるとひどく険しい顔をしていた。ゾッとするくらいに。忘れていたわけではないが、この男は殺人犯なのだとあらためて認識させられて、いまさらながらすこし怖くなる。
「遥、来たばかりなのに悪いが櫻井さんと帰ってくれ」
「どういうこと?」
「この子と二人で話をしたい。事情はあとで話す」
「……わかった」
 この殺人犯と、二人きり――?
 七海は青ざめる。そういえば、父の敵として命を狙っていることを本人の前でぶちまけてしまった。冷静に考えればあまりにも軽率だ。このまま何事もなく解放してくれるとはとても思えない。
 救いを求めるように遥を見上げたが、彼は本当に七海を置いて帰ろうとしていた。当然ながら執事も一緒である。二人とも七海に声をかけようともしない。
「じゃあ、何かあったら必ず連絡して」
「ああ」
 遥は軽く右手を上げ、執事の櫻井を従えて部屋から出て行く。
「ちょっと待って、置いてかないで!!!」
 七海は懸命に叫びながら、体をむちゃくちゃに捩って武蔵の手を振りきり、板張りの床を芋虫のように這いつくばっていく。しかし遥たちが戻ってくることはなかった。無情にも玄関の閉まる音が遠くに聞こえ、絶望して動きを止める。
「そんな……」
 眉根を寄せておそるおそる背後の武蔵に振り向く。彼は噛まれて血のにじんだ手首をじっと無言で見つめていたが、ふいに七海を一瞥すると、ジーンズのポケットから細長いものを取り出してシャキッと開いた。
 ナイフだ――!
 露わになった銀色の刃が鈍い光を放った。彼はそれをちらつかせながら七海の方へと足を進めてくる。あのときの父親と同じように、七海もナイフで刺し殺すつもりなのかもしれない。
 逃げたいのに凍りついたように体が動かなかった。それでも必死にふるふると首を振って拒絶の意を示すが、彼の動きが止まることはない。ナイフを構えて、七海に跨がり覆いかぶさるように身を屈めてくる。
「うわあああああああ!!!」
 七海の絶叫が、他に誰もいない二人きりの山小屋に響き渡った。


◆目次:機械仕掛けのカンパネラ


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らくがき・ラウル

ラウル。
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らくがき・遥

遥。
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らくがき・万由里

万由里。
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相棒 season14 第6話「はつ恋」

ジャンクアーティストが転落死した事件。ジャンクアートなんて儲かるものではないよなぁ、と思ってたけど、数千万する作品もあるとかまじか。

米沢さん、ほんとあからさまに冠城のこと嫌ってますね。でも冠城は相手にもしてない感じ。むしろ面白がっているというか。その態度がますます米沢さんを苛立たせるんだろうな。

右京さんの初恋はいつですか! ちゃんと答えてくださいよ! 右京さんの初恋話が何より聞きたかったのに。しかし右京さんが恋とかあんまりイメージできない(笑)。たまきさんとは恋してたんですかねぇ。

私は幸せになってはいけない、ってあたりで過去の事件はだいたい察しがつきましたけどね。しかし父親の暴力で施設に入れられてたっていうのに、その父親に二人きりで会わせるってのはどうなのか。施設が軽率だった気がするなぁ。

山本は怖いくらい一途なうえ行動が極端なんだよな。視野が狭いっていうか。もうちょっと相手の身になって考えられればよかったんだけど。これで玲奈が解放されるかっていうとそうでもないと思うし。まして自分のために死を選んだなんてわかったら、ますます雁字搦めになっちゃう。案外それが目的だったりして…とすこし思ったりしたけど穿った考えですねスミマセン。

▼相棒 感想等
相棒@SKY BLUE
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らくがき・アンジェリカ

アンジェリカ。
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らくがき・七海

七海。
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「機械仕掛けのカンパネラ」第4話 立ちはだかる悪魔

「おじさん、この住所に行って」
 七海はタクシーに乗り込むなり、住所の書かれたメモを運転手に差し出してそう告げた。中年の運転手はメモに目を落としたあと、どこか心配そうな面持ちでちらりと振り向く。
「ボク、ひとりかい?」
「お金なら持ってるよ」
 七海がそう答えると、運転手はバツが悪そうに苦笑して車を走らせ始めた。

 めったに見られない車窓からの景色が面白くて、窓にかぶりついてひたすら眺めているうちに、目的の場所についた。思ったよりも時間が掛からなかった気がする。七海の住んでいるところとは別の区だったが、そう遠くなかったのかもしれない。
「ありがと、おじさん」
 運転手に告げられた料金を支払い、タクシーを降りる。
 正面には七海の背丈よりはるかに高い門が立ちはだかっていた。門柱には橘と表札が掛かっているので間違いない。門の向こうには手入れされた立派な木々と白亜の洋館が見える。まるでイギリスやフランスの貴族が住んでそうな屋敷だ。
 表札の下にインターホンらしきものがあったのでボタンを押してみた。だが、屋敷が遠くてチャイムが鳴っているのかよくわからない。聞こえてるのかなぁ、と思いながら連打していると、ほどなくして男性の声で応答があった。
『はい』
「橘会長っていうテレビに出てたおじさんいる?」
『失礼ですが、お約束はございますでしょうか』
「約束? そんなのしてないけど」
『会長はお約束がなければお会いになりません』
「じゃあ、誘拐された澪っていうお嬢様でいいよ」
『申し訳ありませんがお引き取りください』
「あ、ちょっと!」
 プツッと応答が切れた。
 それから何十回とインターホンを連打したが反応はない。
「もうっ!」
 インターホンの応答内容から橘会長の家であることは間違いないようだ。拓海の手帳を盗み見までしてようやくここまでたどり着いたというのに、門前払いでノコノコ帰るわけにはいかない。
 こうなれば、もう強行突破しかないだろう。
 自分の身長より高い鉄製の門を掴んでよじ登り始める。何度か失敗したあと、身軽さを活かしてどうにか上までたどり着いた。安堵の息をつき、向こう側に飛び降りようとしたそのとき。
「ひゃっ!」
 柵の細いところに掛けていた足を滑らせ、意図せず向こう側に落ちた。かぶっていたキャップもはずみで地面に落ちる。
「いったぁ……」
 とっさに庇ったおかげで頭は打たなかったが、背中を打ちつけてしまった。顔をしかめながら手で押さえて呻いていると――あっというまにスーツを着た大人の男たちに取り囲まれた。

「これほどけよ! ほどけったら!!」
 七海は後ろで手首を縛られ、足首も縛られ、屋敷の一室に芋虫のように転がされた。幸い絨毯が敷かれているのでさほど痛くないが、そういう問題ではない。じたばたしながらありったけの声を張り上げて喚き立てる。
 しかし、七海を縛り上げた初老の執事は何の反応も示さない。代わりに隅で腕組みしながら眺めていた若い男が近づいてきた。その顔立ちは例の誘拐されたお嬢様と驚くほどよく似ている。年頃も同じくらいに見えるのできょうだいかもしれない。
 彼は七海の前でしゃがみ、寸分の隙もない探るようなまなざしでじっと見下ろす。下手なことを言えば取り返しのつかないことになる。七海はぞくりと背筋が冷たくなるのを感じながら直感的にそう思った。
「君の名前は?」
「…………」
「学校はどこ?」
「…………」
「親の連絡先」
「…………」
 どれも答えてはいけない質問だ。父親の敵と繋がりがあるかもしれない相手に、素性を知られるわけにはいかない。わずかに目をそらして唇を引き結び、無言を決め込んでいると、彼はわざとらしく大仰に溜息をついた。
「自分の名前も連絡先も言おうとしない、そのうえこんなものまで持ってるんじゃあ、いくら子供でも見過ごすわけにはいかないよねぇ」
 そう言いながらポケットから拳銃を取り出す。それは警備員に取り押さえられたときに奪われた七海のものだ。奪い返したいが、手足をきつく縛られたこの状況ではどうすることもできない。くやしくてありったけの怒りをこめて睨みつける。
「返せよ、泥棒!」
 そう噛みつくが、何がおかしいのか彼はクスッと笑った。
「確かに、僕は泥棒だけどね」
「開き直ってないで返せよ」
「銃刀法違反って知ってる?」
「…………」
 七海は眉を寄せた。許可なく銃を持つことは法律に違反するから、誰にも見つからないようにしろと、幼いころから拓海に言い聞かされてきた。だからブルゾンの下のホルスターにおさめて見えないようにしていたのに――。
 痺れを切らしたのか、彼は脇に控えている執事に振り向いて声を掛ける。
「ねえ、櫻井さん。警察の電話番号ってわかる?」
「今回は緊急事態ですし、110番でよろしいかと」
「ああ、なるほどね」
 いつのまに用意したのか執事がすっと電話の子機を差し出すと、彼は当然のように受け取り、すこしもためらうことなく片手でボタンを押し始める。
「待って!!」
 彼の手が止まった。七海は全身から汗が噴き出すのを感じながら、これ以上ないほど必死に頭をめぐらせて言い訳を探す。
「あ……えっと……それ、おもちゃだよ?」
「へえ、そうなんだ」
 彼はまじまじと拳銃を眺める。反対の手に持っていた電話の子機は執事に返していたので、もう警察に連絡する気はないのだろう。どうにかごまかせたとひそかに安堵したが――。
「最近のおもちゃってすごいね。安全装置までついてるんだ」
 そんなことを言いながら彼は安全装置を外している。パッと見てわかるものでもないのにどうして。唖然としていると、七海の眉間に冷たい銃口がグリッと突きつけられた。その感触に一瞬で背筋が凍りつく。
「引き金を引くとどうなるんだろう。火薬の空砲? それともBB弾?」
 彼の人差し指に力がこもる。
 七海はヒッと息を飲んだ。
「やめてそれ本物っ!!!」
 絹を裂くような叫び声を上げて顔をそむけ、ギュッと目をつぶり、歯を食いしばり、全身に力を入れてこわばらせる。が、いつまでたっても何も起こらない。おそるおそる瞼を震わせながら薄目を開けていく。
 彼はもう七海に銃口を向けていなかった。しかし拳銃はしっかりと握ったままだ。それを七海の目の前でちらつかせて尋ねる。
「これ、どこで手に入れたの?」
「……さっき道ばたで拾った」
 さすがに無理のある答えだと自分でも思った。きっちりホルスターまで装着しているのに、拾ったなどと言っても誰も信じはしないだろう。また拳銃を突きつけられるのではとビクビクしながら、彼の反応を窺う。
「僕、スパイ映画とか結構好きなんだよね」
「…………?」
「一度やってみたかったんだ、手荒な尋問」
 彼はそう言うと、わけがわからず眉をひそめている七海を見ながら、形のいい唇にうっすらと不敵な笑みを浮かべた。

「やっ……も、やめ、て……あ……ひっ、っ、っ、うはははははははっ!」
 七海は息もたえだえに絨毯敷きの床をのたうちまわっていた。彼は膝立ちで跨がり、脇腹や腰など容赦なく次から次へとくすぐってくる。手足が縛られているので逃げることも防ぐこともできない。
「正直に答えないかぎり、やめないよ」
「答える! ちゃんと答えるから!!」
 自分がくすぐりに弱いなんて今の今まで知らなかった。それなりに我慢強い方だと自負していたが、これ以上は耐えられない。冗談抜きで気が狂う。下手をすれば死んでしまうかもしれない。
 やっとくすぐる手が止まった。
 七海は脱力してくたりとなったまま呼吸を整える。だが、いつまでたっても彼が七海の上からどく気配はない。そろりと目を向けると、彼は跨がったまま手をついてこちらに身を乗り出し、組み敷くような体勢でじっと覗き込んできた。目に掛かっていた七海の前髪をそっと指先で流しながら、唇に微笑をのせて言う。
「正直に答えるなら、警察には特別に黙っててあげる」
 七海は息を詰めて真上の彼を見つめたまま、こくりと頷く。
「まず名前を教えて」
「七海」
「フルネームだよ」
「……坂崎七海」
 もはや七海には素直に答える以外の選択肢はない。くすぐられるわけにも警察沙汰になるわけにもいかないのだ。声にはありありと不満がにじんでしまったが、彼が気にする様子はない。
「あの拳銃はどこで手に入れたわけ?」
「うちの射撃場から持ってきた」
「家が射撃場を経営してるってこと?」
「そうじゃなくて専用の射撃場」
 その答えを聞くなり彼は怪訝に眉をひそめた。すこしのあいだ無言で何か考え込んでいたが、やがて気を取り直したように質問を続ける。
「ここへ来た目的は?」
「三億円の懸賞金をかけてた誘拐犯、あいつの居どころを教えてもらおうと思ったんだ。ここしか手がかりがなかったし……ねえ、あんたでも誰でもいいから知ってるなら教えてよ」
 散々な目に遭ったのだから、せめて当初の目的を果たさないと割に合わない。こうなったらなりふり構わず食らいつこうと決める。
 彼はほとんど表情を動かさないまま、眼光を鋭くした。
「その人とどういう関係?」
「あいつが僕のお父さ……」
 そこまで言いかけてハッと口をつぐんだ。父親の敵だから殺したい――こんなことを言ったら、知っていても教えてもらえない可能性が高い。どうしようかと冷や汗をにじませながら思案し、そして。
「僕のお父さんかもしれないんだ!」
 どうにか取り繕ったが、全然似ていないのに無理があったかもしれない。彼もさすがに驚いたらしく目を大きくしていた。
「本当に?」
「うん」
 心を見透かすようなまなざしにドキドキしながら嘘をつく。
 彼は上半身を起こして立ち上がると、ジーンズのポケットから折りたたみ式の携帯電話を取り出し、親指で素早くいくつかのボタンを押してから耳に当てた。
「武蔵? ……うん、元気だよ」
 ほどなくして電話の向こうの誰かと話し始めた。
「何かさ、自分の父親は武蔵だって言ってる子供が来てるんだけど……わざわざ電話してまでそんなつまらないウソ言わないよ……それは前も聞いたし疑ってるわけじゃない……十歳くらいかな……うん、それは僕だってわかってる。でも100%ないとは言い切れないよね……じゃなくて」
 どうやら武蔵という電話の相手が誘拐犯らしい。
 やっとここまできた――七海はどくどくと鼓動が高鳴るのを感じた。痛いくらい胸が締めつけられて体中が熱くなる。けれど今はまだ悟られるわけにはいかない。必死に感情を抑制して何でもないふりをする。
 しかし聞かれたくないことがあるからか、彼は電話で話を続けながら部屋をあとにした。七海は床に転がされたまま置き去りにされたが、ひとりではなく櫻井という執事も残っている。下手なことをしないよう見張っているのだろう。
 しばらくして彼が戻ってきた。すでに通話を終えているらしく携帯電話は手にしていない。執事と小声ですこし話をしたあと、絨毯敷きの床に横たわる七海の前に再びしゃがんだ。
「いいよ、連れて行ってあげる」
「えっ……誘拐犯のところへ?」
「行きたくない?」
 困惑する七海に、彼は意味ありげな笑みを浮かべて挑発する。
 本当に連れて行ってくれるのであれば、願ったり叶ったりだ。ようやく父親の敵を取ることができるのだ。けれど――七海はどことなく不穏なものを感じて身構える。頭の中に警鐘が鳴り響くが、それでもせっかくの好機をふいにすることはできない。
「連れてって」
 覚悟を決めると、彼をまっすぐ睨むように見据えてそう答えた。


◆目次:機械仕掛けのカンパネラ

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らくがき・レイチェル

レイチェル。
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らくがき・アンジェリカ

アンジェリカ。
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名探偵コナン「1億円を追いかけろ」

いきなり誘拐事件で身代金を運ぼうという場面。娘を誘拐された佐伯社長宅に警察と小五郎とコナンが。警察はともかく小五郎とコナンはどうしたんだろ…どういう状況だこれ…何か説明があるのかと思ったけど一切なかった(笑)。小五郎に依頼があったか(コナンは勝手についてきた)、たまたま近くを歩いてたら捜査に入る目暮警部に出くわしたか、コナンが事件の匂いを嗅ぎ取って入っていったか…ってあたりか。

袖にゴミがついてるよ、なんて言いつつ発信機を付けてるけど、そんなわかりやすくつけて大丈夫なんですかね。ゴミがついてるなんて言われたら、取ってくれたとしてもその場所を確認する人が多いんじゃ。この家政婦さんはしなかったみたいだけど。

公園待機組の刑事さんたちが怪しすぎる。しかもわらわらいるし。もうちょっと周囲に馴染んだ感じにできなかったのか。あれじゃ犯人にもバレバレだよ…。

警察は鈴子さんがまともな判断ができなくなってるなんて言ってるけど、こういう状況では犯人の言いなりにするしかないよね。彼女が悪いわけじゃないと思うけど。警察はいったいどういう行動をとれば満足だったんだろう?

犯人は宝石屋さん。うーん、これならコナンが突き止めなかったとしても、のちほどきちんと捜査すればすぐにばれるんじゃ。佐伯社長の名前で注文があったというのも嘘だし、実際に1億のダイヤは仕入れてなかったわけだし、自分の懐に入れるためなら帳簿に付けてないだろうし、いろいろ矛盾点満載。偽装はしていたとしても調べればばれるよね。

▼名探偵コナン アニメ感想等
名探偵コナン@SKY BLUE
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らくがき・澪

澪。
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