らくがき・涼風

涼風。
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名探偵コナン「残された声なき証言(後編)」

これ本当に何回見ても犯人が覚えられない(笑)。今日また見たけど、また忘れちゃうんだろうなぁ。どうしてもこの事件よりも日記の方にばかり意識がいってしまうんだぜ。

パソコンに疎い目暮警部が可愛い。あんまりからかっちゃ可哀想ですよ! コナンにしてみればからかっているつもりはないんだろうけど、恥をかかせていることにはかわりませんしね。別に目暮警部に恥をかかせなくても普通に説明すればいいのに…まあ、恨まれるのは小五郎だけど(酷)。

点字って読める人が少ないから暗号にはもってこいなのかな。ロンドンの事件でミネルバ・グラスさんも点字で暗号送ってましたよね。

赤井秀一登場。ここでデジタルリマスター終わるのかよ! 続きもやってよ! と言いたくなりますが…自分的にはこのまえ見たばかりなのでまあいいんだけど。で、次回はミステリートレイン! 灰原がいろいろピンチのようです。楽しみ~。今回のデジタルリマスターは黒の組織の復習かと思ったけど、赤井秀一の復習でもあったのかな。

▼名探偵コナン アニメ感想等
名探偵コナン@SKY BLUE
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らくがき・沙耶

沙耶。
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らくがき・七海

七海。
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らくがき・アルティナ

アルティナ。
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らくがき・アンジェリカ

アンジェリカ。
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高杉さん家のおべんとう 7巻

高杉さん家のおべんとう 7巻。ハルが准教授に?! と思ったらやっぱりか(笑)。こういうふうに盛大にお祝いされたあとだと余計にへこむというか恥ずかしいというか…でも、楽しかったからいいのかな。三十路の残念が雪だるまにならないことを祈っています(笑)。

こんにゃくは私も苦手。食べられないというほど嫌いじゃないけど、入っているとちょっと残念に感じてしまう。本物の良いこんにゃくは美味しいのかな。調理の仕方で美味しくなるのかな。

久留里の自立したいという気持ちもハルのためかぁ。ハルはまったく気付いてないですけどね! しかし、バイト先を見に行くとかどれだけ暇なの? あれはいかん…しかもお金渡して買ってくれるように頼むとか…。せっかく久留里が自立しようとしているのに、その気持ちを踏みにじる行為じゃないのかな。

美少女絵本のオーディション。久留里に期待してたのに…あれでは…(笑)。ハルは嘘をつかれたとショックを受けていたけど、久留里的には部活ってことで嘘はついてない、というあたりの誤解はとけてほしかったかな…まだ誤解したままだよね…。久留里はまだまっすぐだよ。ぱんつは別で洗っていても(笑)。

小坂さん、あっというまに帰ってきた! まあ半年だしな。しっかり実りがあったみたいで良かったです。丸宮兄にはビックリした。マイペースに押しが強いというか、ちゃっかりしているというか。人生ってわりと空気が読めないくらいの方が上手くいくような気がする。ハルみたいにあれこれ難しく考えちゃって一歩踏み出せない人って、チャンスを逃しまくりなんだよね。

でも、やっぱり小坂さんには丸宮兄の方が似合ってる気がする。ハルとはわりと似たもの同士なので(小坂さんの方がしっかりしてるけど)、相性的には悪くもないけど噛み合ってもいない感じがして。ハルだったら、香山先生のような強引なタイプか、逆にほわんとした女の子が合うのかな。

二人が付き合うようになった流れ。これを見ると、あのときハルも一緒に車に乗っていれば…と思ってしまうけど、それでもきっと別のきっかけで付き合うようになっただろうな。そんな気がします。
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「東京ラビリンス」第44話・捨て身の覚悟で

 楠長官の電話を受けて、澪とのデートは中止せざるを得なくなった。
 誠一はその足で警察庁に向かう。澪も長官の意向で連れて行くことになった。もちろん嫌がれば無理強いはしないつもりでいたが、彼女自身も気になったようで、一緒に連れて行ってほしいと逆に頼んできたのだ。母親が攫われたとなれば、詳しい事情を聞きたいと思うのも当然だろう。
 楠長官の執務室に入ると、彼は執務机で両手を組み合わせて険しい顔をしていた。そして、その前ですっと背筋を伸ばして立っていたのは――。
「お父さま! 無事だったんですね!!」
 澪は大地の姿を目にするなり声を弾ませ、長い黒髪をなびかせながら駆け寄っていった。しかし、彼は以前に見たときよりもかなりくたびれている印象を受ける。シャツの袖や背中がうっすらと汚れているのも一因だろう。薄く微笑を浮かべたその表情にも、隠しきれない疲労と失意が滲んでいた。
「美咲は守れなかったよ」
「何があったんです……?」
 電話での話を思い出したように澪の顔が曇った。右手を腰に当てて深く溜息をつく大地の代わりに、執務机で両手を組み合わせていた楠長官が口を開く。
「今朝のことだ。私の部下である溝端が大地君をスタンガンで気絶させ、手足を縛り上げたうえで、美咲さん、石川医師、実験体の少女を連れ出して姿をくらました」
 石川医師は、美咲の助手として初期段階からともに研究を続けてきた人物である。米国大使館でも彼女と一緒にいたらしい。前回、公安の研究所へ連れて行かれたときには姿を見なかったが、やはり行動をともにしていたということだろう。
 楠長官は一呼吸おいて続ける。
「大地君にスタンガンを突きつける直前に言ったそうだ。『ようやくすべての準備が整いました。これからは私のやり方で国を守ります』とな。溝端の側についていると思われる人物は二名。いずれも若手の急進派といったところだ」
「急進派?」
 澪が小首を傾げて聞き返すと、彼は重々しく頷いた。
「我々は国の防衛のために生体高エネルギーを使おうと考えている。あくまで攻撃に対する防御もしくは反撃という意味でだ。だが、あやつらは攻撃されるより先に攻撃をしかけるという考えでな。特に小笠原沖の海底に棲息する生命体は脅威であり、殲滅すべきだと――一時期、溝端はそう主張していた。残りの二人もその賛同者だ。私の説得で考えをあらためたものと思っていたが、甘かったようだな」
 そう言って組んでいた手を解き、片肘をついて頭を押さえる。
「彼の父親は小笠原のフェリー事故で亡くなっている。だからこそ彼を採用してこの任務に就いてもらったのだ。あとで聞いた話だが、彼の方もフェリー事故の真相が知りたいがために、当てもなく警察庁の採用試験を受けたのだと。その熱意を買っていたのだがな……いささか度が過ぎたようだ……」
「復讐、ですかね」
 誠一は口もとに手を添えて眉を寄せる。溝端の父親の話を聞いたのは初めてだが、何の罪もない家族が亡くなったとなれば、そんな考えを持っても不思議ではないと思う。だが、大地は反感を滲ませた視線を流し、腕を組みながら冷ややかに異論を唱える。
「そういう気持ちもあるのかもしれないが、遺族だからこそ恐ろしさを実感したんだろう。遺体が見つからなかった人も一部しか見つからなかった人も大勢いる。焼けただれたもの、焼き切れたもの、頭や手足の吹き飛んだものもたくさんあった。警察や政府がいくら隠蔽しようとしても、ただのフェリー事故じゃないことはわかるはずだ。あの惨劇を目の当たりにした僕としては、起こした奴らを殲滅させたい気持ちはわかる。彼以上にね。人間そっくりの人間とは別の生物という得体の知れなさが、なおのこと恐怖を煽っているんだと思う」
「お父さま……」
 澪は微かに声を震わせる。そう、彼女の半分はその得体の知れない生物なのだ。うっかり口を滑らせたのか意識して言ったのかは判然としないが、大地は微塵も動揺を見せることなく、にっこりと満面の笑みを浮かべて細い肩を抱き寄せた。縋るようにシャツを掴んで顔を埋めた彼女に、その頭を撫でながら優しい囁きを落とす。
「澪は、僕と美咲の大切な娘だよ」
「うん……」
 まるで父親とその愛娘のようなやりとりだが、彼の方には、澪が娘であるという認識は希薄なはずだ。なのに、そんな白々しいことを言うなんて――誠一は不快感を覚えるが、澪の前でそれを口にすることは出来ない。僅かに眉を寄せつつ物言いたげな視線を送っていると、それに気付いた彼は、澪の頭を抱き込んだまま挑発的な冷笑を浮かべる。
「何か?」
「いえ……」
 澪は何かあったのかと不思議そうに顔を上げ、二人を交互に見るが、誠一も大地も何も答えようとはしなかった。ただ、誠一と違って大地には余裕が感じられる。ちらりとだけ澪に目を向けたあと、誠一を見据え、静かにゆったりと口を開いた。
「僕は家族を何よりも大切に思っているんだよ。溝端君があの国を滅ぼしたいのなら勝手にすればいい。どちらがどうなろうと僕の知ったことじゃない。ただ、許可なく美咲を利用することだけは許さない……絶対に」
 漆黒の瞳が鋭くぎらりと光った。彼が何よりも大切に思っている相手は、結局のところ、家族ではなく美咲ただ一人なのだろう。しかし、そこに難癖をつけたところで何も始まらない。反論はせず、楠長官の方に向き直って建設的に話を進めていく。
「行き先に心当たりはありませんか」
「防犯カメラや交通カメラの映像から割り出そうとはしているが、いかんせん人出が足りん」
 楠長官は苦々しく顔を歪めた。この件は公安の中でも最高機密事項とされているので、関わっていた人間はそう多くなく、応援を呼ぼうにも大半は他の任務に就いている。もちろん誰でもいいというわけではない。それなりの知識と経験がなければ難しいし、機密保持のため外部の人間は避けたいはずだ。しかし――。
「篤史や橘のみんなを呼びましょう」
「私もそれが最善だと思います」
 大地の腕からするりと抜けて楠長官に提案する澪を、誠一も後押しした。篤史や悠人であれば、この件についての事情はすでにおおよそ把握している。今さら機密という理由で躊躇する必要はない。
「公安十人より篤史一人の方が役に立つのは確かだな」
 大地がククッと笑って茶々を入れる。
 楠長官は思案を続けていたが、やがて踏ん切りをつけるように大きく吐息を落とした。
「南野君、手配を頼む」
「はい」
 誠一はすぐさま懐から携帯電話を取り出し、その場で悠人に発信した。電話に出た彼にかいつまんで事情を説明し、皆に、特に篤史に警察庁まで来てもらえるよう頼み込む。少し待たされた後、剛三には抜けられない仕事があるので無理だが、篤史は今すぐに連れて行くと答えてくれた。

「禁じられたところに侵入するのも楽しいけど、これだけの情報を使い放題ってのもいいもんだな」
 篤史は上機嫌でノートパソコンを覗き込みながら声を弾ませた。それでも手は止まることなく軽快にキーボードを叩いている。革張りのソファにローテーブルという、作業には不向きな環境のように思われるが、当の本人はまるで気にしていないようだ。そんな彼に、楠長官は執務机からじとりとした視線を送っていた。
「くれぐれも目的外の使用はしないように。トラップやバックドアも仕掛けるなよ」
「わかってるって」
 篤史は軽い調子で受け流した。彼の両隣には武蔵と悠人が密着して座り、後ろからは澪と遥と大地が覗いている。誠一は楠長官が座っている執務机の脇に立ち、その様子を眺めていたが、篤史以外はみな思い詰めたような顔をしていた。もちろん篤史も事の重大さは理解していると思うが、美咲たちとの関係が希薄なため、他人事のような態度になるのは致し方ないだろう。
「今、埠頭の倉庫にいるみたいだな……ここだ」
 そう言って画面を指さす。誠一のいる場所からは見えないので覗きに行こうと思ったが、動き出すより早く、篤史は軽やかな手捌きでカシャカシャと打鍵を再開した。視線を左右にせわしなく動かして何かを探しているようだ。
「多分、外部に協力者がいる。溝端の携帯に何度も公衆電話からの着信があるし……この男だ」
 大きくタンッと中指でキーを弾いてそう言い、ノートパソコンをくるりとこちらに向ける。誠一は楠長官とともに早足でローテーブルに近づいた。覗き込んだ画面に映し出されていたのは、スーツを着た二十代後半くらいの男性が、街の公衆電話で話している画像である。近くの防犯カメラの映像だろう。画質が粗く不鮮明だが顔は何となく判別できる。
「公安の人間ではないな」
「見覚えは?」
「ない」
 楠長官がそう断言すると、篤史はノートパソコンを自分の方に戻した。そのまましばらく作業に没頭していたが、やがて手を止めると、少し難しい顔になって溜息を落とす。
「確証はないが、さっきの男は海自かそれに関わりのあるヤツだと思う。海自の施設に近いところでいくつか姿を見つけた。あと、公衆電話から海自の隊員にも何度か発信している」
「なるほど、海自か……」
 楠長官の顔に大きく翳りが落ちた。何か話が不穏な方に向かっているのを感じ、聞いている皆も、それぞれ不安を募らせたような表情を浮かべている。
「海自の内部資料はないのか?」
「さすがにそれは無理だ」
「あそこは一筋縄じゃいかないしな……」
 篤史は苦虫を噛み潰したような顔でそう呟き、前髪をくしゃりと掻き上げる。どうやら行き詰まってしまったようだが、誠一には何の手助けも出来そうにない。悠人も武蔵もただ焦燥を露わにするだけである。しかし――。
「ねえ、これ軍艦じゃない?」
 ふいに澪が彼らの背後から身を乗り出し、画面の一点を指さした。皆は一斉に前のめりで覗き込む。そこには埠頭の映像が映し出されており、その端の方に何か黒いものが見切れていた。よく見ると、軍艦かどうかは判別できないが、確かに大きな船ではあるようだ。篤史が映像を早戻しすると、船体の半分ほどが映っているものが見つかった。
「それ、潜水艇を載せられるやつだと思う」
 遥がぽつりと呟いた言葉に、篤史は大きく目を見開いた。グッと奥歯を噛みしめながらうつむいていく。その軍艦で小笠原へ向かうのではないか、という安直な思いつきが、にわかに真実味を帯びてくるのがわかった。
「ヤバいな。海自ごと協力している可能性が高い」
「さすがに組織としてそんなバカな真似はしないはずだ。だが、階級の高い者を含むかなりの隊員が協力していることは確かだろう。おそらく、おのれの地位も職も何もかもなげうつ覚悟で、それでもこの国を守るためと信じて、脅威を潰すべく行動を起こしているに違いない」
 楠長官は、その表情にやりきれなさを滲ませた。
「愚かなことだ。相手の力量もわからないまま攻撃を仕掛けるなど無謀にも程がある。それに、かの国の存在は我々とごく一部の官僚以外にはまだ極秘なのだ。世間に露見すれば大きな混乱と騒動を招くことになる。下手をすれば国際問題にもなりかねないのだぞ」
 なにせ、人間同様の外見と知性を兼ね備えた知的生命体の国家である。日本の領海内とはいえ、このような重大な事物を隠していたとなれば、激しい非難を浴びることは避けようがない。ましてや勝手に殲滅などしてしまっては、あらゆる方面から糾弾されることは目に見えている。科学的、地学的、歴史的、いずれにおいても貴重な発見であることは疑いようがないのだ。また、人道的に許されないと考える人もかなり多く出てくるだろう。
「軍艦相手にどうするの?」
「潜水艇なら持ってるよ」
 遥の疑問に、大地は事も無げにさらりと答えた。右の手のひらを上に向けて説明を継ぐ。
「言っただろう? 昔、何度もあの国に侵入して子供を攫ってきてたんだ。そのときに使っていた潜水艇と船がまだあるんだよ。もう何年も使っていないが、いつでも使えるようメンテナンスを頼んであるから大丈夫だろう」
 個人で潜水艇まで所有していたことに絶句するが、橘財閥の御曹司なら難しいことではないのかもしれない。橘の人間や楠長官は納得したように頷いている。武蔵にも驚いている様子はなかったものの、歯噛みして大きく顔をしかめていた。メルローズたちを攫った潜水艇と言われれば、当然ながら良い感情など抱けるはずがない。それでも非難の言葉を口に出さないということは、今はこれに頼るしかない現実を理解しているのだろう。
 澪は不安そうに顔を曇らせ、小首を傾げる。
「でも、軍艦には敵わないんじゃ……」
「軍艦と戦うわけじゃないよ」
 大地は苦笑すると、腕を組みながら真顔になって前を向く。
「あの国には潜水艇でしか近づけない。僕らが子供たちを攫っていたときは、防護壁の破損したところから侵入していたが、今はもう修復されていて隙はないはずだ。だから、メルローズに生体高エネルギーの暴発を起こさせ、その力で防護壁に穴を開けようとしているんだろう。つまり、潜水艇で向かったメルローズと美咲を、暴発が起こる前に奪還すればいい」
「俺も同意見だ」
 武蔵はソファで腕を組んだまま、振り返りもせずぶっきらぼうに言い放つ。
「おまえらに無理やり魔導力の源を注入された今のメルローズなら、強固なあの結界を破るだけの能力は十分にあるはずだ。結界さえ破ってしまえば外部からの物理攻撃も可能になる。ミサイルを撃ち込んで壊滅させるのも難しくはない。だから、救出するのはそれより前でなければならない」
 彼の言葉に、大地は背後で深く頷いた。
「みんなの意思を確認しておこう。僕自身は美咲さえ助けられればいいが、可能であれば、彼女のためにメルローズも助けたい。美咲の悲しむ顔を見るのはつらいしね。悠人、おまえは?」
「私も美咲を助けたい。石川医師とメルローズも助けなければならないだろうな」
 淡々とそう答えた悠人を横目で睨み、武蔵は声を上げる。
「俺はメルローズを助けたい。そして祖国を守りたい。俺の家族や仲間や世話になった人たちが、あそこでそれぞれ懸命に生きてるんだ。俺たちには攻撃するつもりなんて微塵もないのに、一方的に脅威と決めつけて殲滅しようだなんて、絶対に許せることじゃないし必ず止めてみせる」
 静かな熱弁はそこで途切れた。
 今度は楠長官が口を開く。
「私は攻撃をやめさせたい。現段階で勝手なことをされては問題だ。逆に、国の存亡に関わる事態になりかねない。できればすべて秘密裏に処理できればと思っている。少なくとも世間に露見することだけは避けたい」
 彼の立場としては尤もな言い分だろう。この一件が彼の謀略である可能性もなきにしもあらずだが、電話で聞いたあの焦燥が芝居だとは思えないし、何よりこんなことを謀って彼に利があるとも思えない。
 沈黙が落ちると、大地は隣の澪に視線を流して促す。
「私は……みんなを助けたい。誰にも傷つけ合ってほしくないよ」
「僕は家族と仲間を守りたいだけ。母さんたちやメルローズを助けたい気持ちはもちろんあるけど、ここにいるみんなも大切だから、あんまり無茶なことはしてほしくないんだよね」
 つらそうに声を落とす澪のあとに、遥が淡々と続けた。それを聞いて誠一は頷く。
「自分もそう思います。できれば、誰も傷つけずにこんなことを終わらせたい」
 澪も、自分も、他の誰も傷つくことなく美咲たちを救出でき、なおかつ非人道的な実験も終わらせることができれば理想だが、そう何もかも上手くいくとは思っていない。美咲とメルローズを無事に救出できても、少なくとも実験の方は継続されるだろう。自分も警察庁に出向のままかもしれない。ちらりと横目を流して楠長官の表情を窺うが、何か考え込んでいるようで、誠一の話を聞いているのかさえわからなかった。
 篤史は面倒くさそうに溜息をつきながら、頭を掻いた。
「俺にはあんまり関係ないんだけど……といってもまあ乗りかかった船だし、美咲さんやメルローズを見捨てるわけにもいかないし、出来ることであれば手を貸すつもりだ。ハッキングや情報分析はやってて面白いしな。ただ、命を懸けるつもりまではないから、あんまり危険なことは勘弁してくれ」
 冷たいようだが彼にしてみれば当然だろう。手伝ってくれるだけありがたいといえる。
 誠一はあらためて皆を見まわした。これで、この場にいる全員から意思を確認できたことになる。それぞれに違いはあるものの、美咲と石川医師とメルローズを暴発前に救出できれば、全員の目的がほぼ達成されるはずだ。大地と目を見合わせると、彼は張り詰めた真摯な面持ちになり頷いた。
「よし、行こう」
「今から?」
 澪の呑気な言葉に出鼻を挫かれ、大地は気が抜けたように失笑する。
「のんびりしていては間に合わないからね」
 今すぐに行動を起こしたとしても間に合うかどうかわからない。そのくらい切迫した状況なのだ。澪以外は全員そのことを理解しているはずである。そして、追いつめられた気難しい顔で考え込んでいた楠長官も――。
「君たちに託すしかないようだな」
 仕方がないといわんばかりの口調でそう言い、溜息を落とす。先刻から悩んでいたのはこのことだろう。彼の立場としては警察庁が動くべきと考えるのが当然だ。しかし、それでは確実に間に合わない。大地たちに任せるか、溝端たちを傍観するか、現時点ではどちらかしか選択しようがない。
 大地は再び表情を引き締めて、口を開く。
「武蔵、君には来てもらう」
「嫌だと言われても行くぜ」
 武蔵は睨みをきかせながらぶっきらぼうに答えた。行動はともにするが決して許したわけではないと、その態度と表情からひしひしと伝わってくる。しかし、大地はまるで相手にすることなく篤史に視線を移した。
「篤史は埠頭から支援を頼む」
「了解」
 篤史はソファにもたれたまま口の端を上げる。大地もつられるように口もとを上げて頷いた。
「あとは来たい人だけ来てくれ」
「私、行きます!」
「僕も」
 澪が勢いよく挙手し、続いて遥も面倒くさそうに手を挙げる。
 誠一は口を引き結んだ。本当は二人には行ってほしくないが、母親が連れ去られている以上、引き留めることはできないそうにない。ならば、せめて自分が守らなければと手を挙げた。ソファに座る悠人も同じ気持ちなのか、複雑な表情を浮かべつつ同じように手を挙げた。
「おじさんはどうします?」
 大地が楠長官に水を向けると、彼は眉を寄せたまま腰に手を当てて息をついた。
「私はここに残る。状況は逐次連絡してもらえるとありがたい」
「そんな余裕があればいいんですけどね」
 大地は飄々とした声で茶化すようにそう答えたが、顔は笑っていなかった。すぐに呼びつけるような視線を皆に送ると、シャツの胸ポケットから携帯電話を取り出し、事務的な口調で通話しながら執務室を退出する。楠長官以外の全員がそのあとを追った。
 白い無機質な廊下を、不揃いな靴音を響かせながら歩いて行く。
 誠一は半歩前を歩いていた澪の手を取り、元気づけるように、安心させるように、しっかりと柔らかく握り締めた。彼女は少し驚いたように振り返ったが、その手が誠一だとわかると、にっこりと安堵まじりの笑みを浮かべる。
 澪だけは、絶対に――。
 これから具体的に何をするのかもよくわかっておらず、誠一に何が出来るのかも定かでないが、いざというときは身を挺してでも彼女を守りたい。自分はそのために付いてきたのだ。繋いだ手の柔らかな温もりを感じながら、そう決意を新たにする。
 しかし、本当に彼女を案じるのであれば、そもそも行かせるべきではなかったのだ。
 その判断が下せなかったのは認識の甘さゆえに他ならない。もっと慎重に考えるべきだった。この後に起こる取り返しの付かない出来事によって、誠一はそう後悔することになる。


…これまでのお話は「東京ラビリンス」でご覧ください。

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らくがき・澪

澪。
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らくがき・ユールベル

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らくがき・七海

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名探偵コナン「残された声なき証言(前編)」

これからバーボンと灰原の話になるかというところでデジタルリマスター(再放送)。描き下ろしアバンがちょっと格好良かった。これから黒の組織の話に入るから、軽く復習ってことなのかな。でも、これついこのまえアニマックスで見たばかりだし、そうでなくてもやたら再放送で見ている話なので、あんまりもう感想を書く気になれない(笑)。今回のデジタルリマスターでは声なき証言だけやるのかな? 黒の組織との接触もやるのかな? まさかね…再放送ばっかりになっちゃう…。

だいたいアニメやドラマでは、システムエンジニアもプログラマもゲームデザイナーもほとんど同じ意味で使われますよね…。板倉さんは元はCGデザイナーで、目を悪くした今はゲームのシステム開発をやっていると。しかし、ゲームシステムから画面デザインからプログラムから音楽から全部一人で作っていそうな感じがするのは気のせいか。いや、板倉さんに丸投げっぽく聞こえたので…板倉さんがチームで仕事していた感じもなかったし…。各社はいったいどんな感じの発注をしているんだろうか。ゲームのシステム設計部分だけ…なのか??

板倉さんの滞在ホテルと部屋番号を突き止める方法は、限りなく黒に近いやり方のような…いいんかいなこれ…。あと、板倉さんの部屋を開けてもらう方法も…。探偵ってこんなことまでやるのが普通なのかな。大変というか、やりすぎというか。

そういえば、これ何度見ても犯人を覚えてない(笑)。後編を見ているうちに思い出してくるんだろうけど、この事件より違うところに意識が持って行かれてるからなぁ。この事件はどうでもいいというか(酷)。

▼名探偵コナン アニメ感想等
名探偵コナン@SKY BLUE
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