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時代も価値も突き抜ける 圧巻のコレクション!「村上隆のスーパーフラット・コレクション」展。

2016年02月16日 | アート●オススメ展覧会●



■これが本当に個人コレクション?!世界初公開の村上隆コレクション!

森美術館で国内では14年ぶりの大規模個展を開催中の”アーティスト” 村上隆さんですが、その ”アートコレクター”としての一面を知ることができるもう一つの展覧会が横浜美術館ではじまりました。

「村上隆のスーパーフラット・コレクション ―蕭白、魯山人からキーファーまで―」@横浜美術館

村上さんの蒐集したコレクションの数はなんと5000-6000点とも言われているそうです!

数を聞いただけでも驚きですが、数だけではありません。
美術館に足を踏み入れると入り口にそびえ立つアンゼルム・キーファーの立体作品群

どうやって階段の上に設置したのかと考えてしまうほどの張洹の巨大な彫刻

今回の展覧会のために会場で再製作されたという李禹煥のインスタレーション作品など、美術館でもなかなかみられないような作品の数々に、エントランスから圧倒されてしまいます。

(エントランスをつかった「彫刻の庭」。これらの作品はなんと無料で見られます!)

では、チケットを購入して会場に入っていきます。
(なお、今回の展覧会では作品単体ではなく展示風景としての撮影が可能でした。横浜美術館のコレクション展も同様です。)

 

■縄文土器から平成生まれのアーティストの作品まで。”スーパーフラット”なコレクション

エントランスには現代アートの作品が並んでいましたが、会場に入ると縄文土器や「へうげもの」に出てくるような貴重な骨董品、そして村上隆さんが影響を受けたという曾我蕭白らの日本画もずらりと並び、驚かされます。

(古美術の部屋にある一休和尚の絵は、今回の展覧会のために数日前(?!)に買い足されたのだそうです。)

一方、別の部屋には村上隆さんが学生時代に影響を受けたというホルスト・ヤンセンの自画像や、同世代の奈良美智さんの作品、そしてカイカイキキの若手アーティストの作品などの新しい作品も所狭しと展示されています。

ダミアン・ハーストの蝶の作品のすぐ近くに、村上さんのお父さんお手製の蝶が展示されていたりと、時代も価格も本当に幅広い作品が並びます。

(一番右手がダミアン・ハースト作品、正面の壁の右側にある小さな蝶が村上隆さんのお父さんの作品。)

特に印象的だったのは「村上隆の脳内世界」という部屋。

(これが「村上隆の脳内世界」?!)

キャプションもなく、骨董品なのか現代アートなのか、アーティストによる作品なのか土産物屋に並ぶ民芸品なのかもわからない状態で天井まで陳列されてた品物の数々。この状態がひとつの巨大なインスタレーション作品のようでもあり、「作品の”価値”ってなんだろう?」と考えてしまいます。

全ての品物がもとの文脈から切り離されて並列に並べられる様子は今回の展覧会のタイトルにもなっているまさに ”スーパーフラット” な状態であるように見えます。

でもひょっとしたら、美術館でも個人でも ”コレクションする”という行為そのものが、作品をもとあった場所や歴史から切り離していったんフラットな状態にすることなのかもしれない…なんていうことも考えさせられました。

 

■なぜ、一人でこれだけのコレクションを?

2014年の横浜トリエンナーレの1/4のスペースに、それ以上の作品数を展示したという今回の展覧会。
観に行った当日は迫力ある作品の数々に対する興奮と、一方では”どんな観点で見れば良いのか…”という戸惑いが入り混じる状態でしたが、翌日になると疑問がわいてきました。

 

なぜ一人でこれほどの壮大なコレクションを蒐集されたんだろう?
なぜそれを今、日本ではじめて公開してくれたんだろう?

作品への愛着、楽しみ、また若手の支援…といった意味もあると思いますが、この膨大な作品群を目にするとそれだけではないように感じます。

展覧会初日に行われたトークイベントでの村上隆さんの言葉を思い返してみました。

(「村上隆トークイベント」(2016.01.30)の様子)

「作品を買うことは”人間の生き血”を買うこと」
「芸術作品の価値生成のメカニズムを知りたい」
「人がつくったものは、人の心を圧倒的に動かす」

アーティストとして作品をつくる立場だけではなく、見せる立場、売る立場、そして、買う立場と様々な立場から作品を体験することで「芸術とは何か?」ということを突き詰めていく、ひとつの挑戦でもあるのかもしれません。

 

横浜美術館のサイトのメイキング映像を見ているだけでも、このコレクション展の熱量が伝わってくるようです。

2016年4月3日(日)までなので、ぜひお早めにどうぞ!

なお、横浜美術館のコレクションも非常に幅広く、コレクション展も毎回見ごたえがあります。現在開催中の「横浜美術館コレクション展 2015年度第3期」では「神話とヌード」「抽象と構成 ~工業化と都市のイメージ」などのテーマで幅広い時代・地域の作品が展示されています。こちらも併せてどうぞ。



■DATA■

村上隆のスーパーフラット・コレクション ―蕭白、魯山人からキーファーまで―@横浜美術館(みなとみらい)



会期:2016年 1月30日(土)~2016年4月3日(日)
休館日:木曜日 ※2016年2月11日(木・祝)は開館
開館時間:10時~18時(入館は17時30分まで)

この展覧会は、現代日本を代表するアーティスト、村上隆(むらかみたかし)(1962年生まれ)の現代美術を中心とするコレクションを初めて大規模に紹介するものです。
圧倒的な物量と多様さを誇るこれら作品群を通して、村上隆の美意識の源泉、さらには芸術と欲望、現代社会における価値成立のメカニズムについて考えるとともに、既存の美術の文脈に問いを投げ掛ける、またとない機会となるでしょう。

ジャンル:
芸術
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2 コメント

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初めまして! (みやび)
2016-02-23 08:24:09
なんという充実したブログでしょう!
私は札幌でインパクトのないブログを書いてる
平凡なアラ還ですが、
こちらの素晴らしい内容に感動して、
嬉しくなっちゃって、ついおじゃましました
本当に見応え読み応えがあって、ワクワクしました。
ありがとうございます

初めまして^^ (PLAstica.)
2016-02-24 18:56:26
>みやびさん
ブログお読みいただいてありがとうございます!そして、嬉しいお言葉、どうもありがとうございます><
みやびさんのブログも拝見させていただきました!
きれいなお写真と、一緒に行っているような気分になる素敵なブログですね^^ あとでお邪魔させていただきます!
ありがとうございました^_^

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