セブ島移住者の本音トークⅡ

セブ島でNGO活動に従事する管理人が、フィリピン人家族との奇妙な生活や、現地での国際交流について語ります。

雨季

2007-09-17 | フィリピンの文化・風土・風習

【過去約2週間こんな青空がありません....】

ただ今、セブは雨季の真っ只中です。

ここ一週間の天候は本当に良くなくて、毎日、必ず2~3時間程度は雨が降っています。また、カラリと晴れ上がる事がなくて、湿気が多く、ここNGOの事務所の中の紙類が膨張してしまって、プリンターを使おうとすると紙詰まりになってしまったりして、非常にやりにくいです。

セブは、常夏の島で、季節というものは、乾季と雨季しかありません。大体の目安として、6月後半から12月前半が雨季、12月後半から6月前半が乾季で、乾季中の3~5月が日本で言う‘盛夏’のような感じになり、日差しが強くて、雨が殆ど降らないのです。しかし、日本の夏と異なり、この期間には湿気が少ないので、日差しを避けて木陰に入れば、それなりに過ごせるような感じです。

さて、この雨季というヤツですが、日本の梅雨とは、かなり違ったものです。また、同じフィリピンの中でも、マニラの雨季とセブの雨季では、かなり、その趣きが違うようです。

セブの場合、雨が降ったとしても、通常は、一日中シトシトと雨が降ると言う事はありません。(時折、雨が何日もシトシトと降る事もありますが、こうした場合は、フィリピンの東海上に台風があって、台風性の雨雲が東から西へと流れ込んで来るため、その影響が出るのです)通常は、2~3時間の比較的短時間に、突然、‘集中豪雨’が来て、後はカラリとあがってしまいます。しかも、雨は日没後、翌朝までの‘暗い時間帯’に降る事が多いように思います。その為、普段は、例え雨季であっても、大して雨が降る事を気にしないでも生活する事が出来ます。

が、しかし、こうした雨降りが一旦、日中の人が最も動く時間帯に重なると、本当に大変な事になります。

まず、大問題なのが交通機関。タクシーであれ、ジプニーであれ、(*セブには鉄道がありません)激しい雨が降っている間は、麻痺状態になっていると言っても過言ではありません。

それは、雨そのものが激しすぎて、視界が殆ど無くなるのと同時に、日本の規格で言えば、とっくに交換が必要な、溝の無いタイヤを履いている車や、ワイパーがまともに機能しない車が大多数の為、(*要は、こうした経済レベルの低い国で、そうした物資の価格は、日本よりも高価になる為、まともに交換していたのでは、採算が合わなくなるのです)こんな風では、危なくて走れないし、リスクを犯して走りたくもないので、皆が何処かへ避難してしまうのが大きな要因です。

また、確かに雨量も多いが、排水設備がしっかりと整っていない状態の中、こうした豪雨が降ると、直ぐに街の至るところが冠水して、道路が寸断される事もよくあります。

更には、こうした状況の中でも何とか走っていられるタクシーの運転手などは、完全に人の足元を見て、通常の2~3倍以上の料金を吹っかけたりするような状況にもなりがちです。(…まあ、彼らの収入が元々低過ぎて、その酷すぎる暮らしぶりを知っている僕としては、‘さもありなん’と別段、腹も立ちません。こうした機会を捉えて、やっと正当な料金を要求していると捉えられない事もないのですから....)

また、こうした雨は殆どの場合、雷を伴い、豪雨とも相俟って電波障害が起り易くなるので、携帯電話が通じなくなったり、一部、インターネット等々にも不具合が出る事も珍しくありません。

まあ、そんな訳で、ここセブのこうした状態に慣れてしまって、どうあがこうが、どうしようも無い事を悟った僕は、雨降りの時は潔く、活動を停止して、雨止みを待つ…これが一番懸命なのかなと最近は思っています。

ちなみに、セブのような南のさんご礁の島では、水は非常に貴重な資源であり、実際に水道水や健康被害を生じる心配の無い‘まともな水’を確保しようとすると、‘水の料金’は日本の各都市の平均よりも明らかに高くつきます。(その辺りが、日本では、‘水と安全はただ’と言われて来たゆえんかも知れませんね)

それじゃ、日本人よりもずっと低所得のセブの一般庶民はどうしているのかと言えば、かなり多くの世帯が、生菌が多くて安全とは言えない井戸水を生活用水から飲料水にまで使っており、普通、そうした生水を日本人が飲むと、下痢をします。が、現地人たちもそれで平気という訳ではなくて、下痢はしなくとも、A型肝炎等々に知らず知らずのうちに感染している人も少なくはないのです。

そんな環境の中、雨は、ここでは、‘本当に貴重な天の恵み’とも言える訳で、豪雨の真っ只中で、シャンプーや石鹸を持ち出して、服ごと全身を洗っている貧困層の方々の姿も良く見かけます。(…一度、何とか、その様子をカメラに収めたいと思いつつ、防水機構の無い僕のデジカメを雨の中に持ち出すのが怖くて、これまで出来ないでいますが…苦笑)




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6 コメント

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DAVAOもそんな感じでしたね (crocodile roro)
2007-09-17 23:39:53
DAVAOも天候は大体そんな感じでしたね、でもセブとDAVAOで太陽の刺さるような暑さ少し違う気がします去年セブに行った時一緒に行った妻の友達のオカマちゃんがセブは暑いとぼやいてました。そして今年結婚の為の申請に行ったときは毎日曇りそして夜は雨おまけにたった一日しか無かった海水浴の日に一日雨<(××)>貴方レインマンと言われてしまいました。水は去年まではDAVAOの水道水は問題無く飲めましたが今年は妻の姉の旦那のドイツ人が腹をこわしたと聞いて飲むのをやめました。町の環境と海岸線の環境が急速に悪化しているのが心配です。去年DAVAOのオープンレストランで食事をしていてもハエは2,3匹くらいしか見ませんでしたが今年はその3倍位うっとしいですよね。
フフィリピンで (masahero)
2007-09-18 03:48:00
雨にあったら気長に待つのが良いかな?イライラすると身体に悪いですからね~。
セブの街中は..... (権兵衛)
2007-09-18 09:34:47
crocodile roroさん>そうですね。僕の住んでいる所は、セブ市の中心になりますが、やはり都市化に伴って日本の大都市周辺のように‘ヒートアイランド現象’ってのが多少なりとも出ているようで、日中は本当に暑いですね。

また、水もこの記事では井戸水の事だけを書きましたが、実はセブの水道水とて、何処まで安全かは分らないし、一般的には水道の蛇口をひねって出てくる水を直接は飲まない方が良いと思われます。更には、ここセブの井戸水も水道水もカルシウム分をふんだんに含んでいる為、これが結石他の健康障害に繋がる事もあるのです。

そんな訳で、ウチでは、水道水及び雨水は、洗物、掃除用、飲料水はフィルターにかけた水を紫外線で殺菌処理してガロンタンクに詰めたものを買っていますので、一家7人の水代は一ヶ月日本円換算で、7,000円近くになります。(…結構、高いでしょ?)
雨の時は.... (権兵衛)
2007-09-18 09:45:05
masahero さん>そうですね。まあ、頻度としては、そんなに多くはないのですが、日中やラッシュアワーの最中に大雨が降る事があるので、そうした時には、無理して外に出ないで、雨が止むのを待つ。止まなければ、その日は外に出るのを諦める…本当の非常事態だったら、そうは行きませんが、基本的にはこれが鉄則だと思います。そうした中では、やはり気長に構えるしか方法がないし、比人たちの‘ユックリズム’も良く理解出来るのですね。(…というか、僕自身が既に地元に適応して比人化しているのかな??…苦笑)
Unknown (竜宝。)
2007-09-18 13:56:24
えっと、YAHOO以外のブログへ書き込むのは
初めてなので、ちょっと緊張いたします。

一家7人の水道代が7000円とは驚きです。
日本の水事情に感謝せねばですね。

お気に入りってどうすればよいのでしょうか?
水の料金 (権兵衛)
2007-09-18 15:19:11
竜宝さん、お久しぶりです。続編初コメントありがとうございます。…そうですね。純粋の水道料金としては、月額4,000円程度なのですが、これを飲用には使えない(でも、一般庶民は飲用にもしていますが)ので、他に飲料水を買っている為に、こんな値段になってしまっています。水だけじゃなくて、いわゆる社会インフラ全般について考えると、日本は本当に良く出来た国家と言えますね。

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