マサル君のエココラム

中央印刷会長の日常をつづったブログです。

シリーズ 日本列島北上の旅「桜前線と共に」序章

2012年07月03日 | Weblog

日本列島北上の旅「桜前線と共に」

 昨年23年の秋11月に母校天王寺商業高校の最後の記念誌となる、「天商百年史」の発刊に携わった私は4年余に亘る編集長としての仕事を終えた充実感と、その疲れを取るための旅行を計画していた。謂わば骨休め旅行である。また、天商最後の記念誌という訳は、平成24年春に大阪市教委の方針で、母校天商と東商業、市岡商業の三校が統合され、新しく「大阪ビジネスフロンティア高校」略称OBFという学校が創設されたのだ。大阪市立の名門商業学校三校の統合は不思議なことであったが、市教委には市教委なりに理由と事情があったのだろう。各校同窓会では母校の名が消えることに憤懣と疑問の声がここ3年の間声高に渦巻いていたのだ。

 何はともあれ、旅行先の一番希望は芭蕉が俳諧旅行をし「奥の細道」を著した東北地方への鈍行列車と歩きののんびり旅行が永年の夢であったので、行先などを調べるため、旅行社のパンフレットや書店の旅行ガイドコーナーへ足を運ぶうち、ある日満開の桜を訪ねてと大書されたパンフが目に付き、そうだ!「桜前線と共に」の旅行も良いのではないか?各地で好きな露天風呂に浸って眺める桜はそれは気持ちいいだろうと思い立った。

 そして、同じ桜前線を追いかけるなら、有人島最南端の沖縄波照間島からスタートして最北端の北海道稚内の宗谷岬まで、「日本列島北上の旅…桜前線と共に」と謳う旅行の計画を立てた。これが後で大変忙しい旅になるとは思わなかった。

岩手県 小岩井農場の一本桜 平成24年5月9日


 今年の桜前線の予想では、おおよその所、九州の鹿児島には3月27日頃となっていて、北海道は5月中旬頃らしい。ということは最低2か月近い期間が必要なのである。

 長期間の旅行が可能なのは意外と条件のハードルが高い。旅行が仕事の人や独身者ならいざ知らず、家庭と事業などの関係での条件が多々あるのです。

 先ず、1. 自分自身だけでなく家族全員が健康であること。(一人でも入院していたら長期旅行は難しい)2. 時間の余裕があること(事業の責任ある立場から外れている必要がある)3. 趣味といっても世話をしている団体等の活動・運営に支障を来さない時期であること。4. 旅行に必要な費用が準備できること。などなど種々の条件が整った時期でないと実行は不可能なのです。幸い妻の健康もまずまずであり、出発進行OK!となった。

この名刺を持って、全国を行脚しました。

 

 

本当に日本は狭いのか?いや狭くはないぞ!すごく広かった。

 この旅の半ばで一番感じたことは、本当は日本はとても広い国だということです。

よく小学生の時から、担任の先生に日本は島国で世界の中では小さな国ですと教えられて育ったが、実際に日本列島を旅してみるととても広い国であると考えなおした。特に沖縄や九州、それに北海道の広さは半端ではない。戦前の海外進出政策の国是が戦後の教育にも影響を与えていたんだと思う。

 国土面積は世界第61位だが、現在の領海をも含めた大きさは世界第7位である。中国や韓国は領海が非常に狭いのである。排他的経済水域を含めた面積ではなんと世界第6位なのだ。

 実際に車を運転して走ってみると、沖縄本島は米軍基地が島面積の半分くらいを占めているように報道などの印象が強いせいかそう思っていたが、実際沖縄本島を南部から北端まで走ってみると、なかなかに大きい。人家のない中北部の面積もかなりのものがある。九州に至っては阿蘇のすそ野から中南部の宮崎県まで、走っても走っても山の中という感じだ。また、東北新幹線の車窓から見える田畑の風景や、山と丘が繰り返す眺めは日本も広いなあという実感がわく。自分が幼い時から思っていたほど決して狭くはない。人口が東京や大阪という大都市に極端に固まりすぎなのだ。バランスが悪すぎるのだ。昔、我が家にホームステイしていたベルギーの青年は、ベルギーも日本も国の人口密度はさほど変わらないが、ベルギーはその地形が概して平坦で国中に平均して人・町が広がっていて、日本とは全然違う静かなゆったりした国だそうだ。確かに日本は山地も多く、産業に住まいに便利な場所に人がたくさん集まるのは分かる。東京、大阪などが極端に人口密度が高いのは江戸末期頃から西洋の産業革命の影響を受け、資本家事業の発展のために、働き手の確保のため、民衆をできるだけ会社・工場の近くに住まわせるという、経済的合理性を重視してきたからに違いない。ヨーロッパの産業革命以降の世界中の共通な動きだ。

 

福島県 三春町 日本三大桜 三春滝桜 平成24年4月25日


 広さのとどめは北海道だ。「でっかいどう!北海道」という標語は昔から旅行社のパンフレットのキャッチフレーズで謳われていたが、広い広い!かなりのスピードで、監視カメラや黒パトに気を遣いながら、走りまくってもなかなか目的地までなかなか着かない。

私は時間は掛るかも知れないができるだけ一般道を走るのが好きです。それは高速道路を走ると、楽だし時間も短縮することが出来るが、風景に味がない。それに何よりも旅の楽しさが乏しい。それぞれの地方で耳目する土地柄にふれてこそ旅行の醍醐味なのに高速では無理なのですから、私は時間が掛ろうとできるだけ地道を走るようにするのが信条なんです。それに4月から5月の野山は美しい。山々の春霞風景や、観光地として有名な富良野・美瑛など目じゃないほど美しい牧場や牧草地メイン国道を少し外れれば山ほどそんな場所がある。旅行会社では行程に入れにくいが、地元の人のみぞ知る素晴らしい景観が各地にいっぱいあった。

 特に北海道について思ったことは、都会付近の無秩序に何処でも構わず開発してしまうのも考え物だが、北海道を開発するだけでも、向こう2.30年以上十分掛るほど広い。

昔のことわざで“かわいい子には旅をさせ”というが、実際にその地に行きその地の食物と空気を吸わなければわからないことがたくさんあり、若いうちのそういった経験が視野の広い人間に育つという教訓であろう。

 

旅のリュックの内容のスケッチ。荷物の出し入れに大いに役立った。画像クリックで拡大します。

 

旅の記録

 第1章 沖縄方面 2月16日~23日  8日間

 第2章 九州方面 3月26日~31日  6日間

 四国方面 4月1日~3日  3日間

 和歌山方面 4月4日  1日

 第3章 近畿方面 4月8日~11日  4日間

 第4章 北陸・中部方面 4月14日~18日  5日間

 第5章 東日本方面 4月21日~26日    6日間

 第6章 東京・北日本方面 5月5日~11日 7日間

 第7章 北海道方面 5月15日~21日    7日間

                     延べ49日間

 

岐阜県本巣市根尾 薄墨桜 直径21mを越える巨木 樹齢1,500年 平成24年4月17日


全国の旅程を練る

 桜前線2012予想では開花から満開まで大体1週間から10日くらい掛るらしいが、例えば九州では南端の鹿児島が3月27日で、北端の博多が3月31日頃であり、たった4日で九州を縦断するのだ。桜名選100の内9か所が九州にはあるので、毎日2県の行程となる。九州を車で廻ったことがある人は九州は広いですよと言う。私も以前、博多から車で鹿児島までの西海岸寄りの旅行(平戸・嬉野・天草・鹿児島)をしたことがあるが、その時はそうも思わなかったが、今回のように桜を観る旅行では高速道路と離れた地方が多いので、時間的にきついことが分かった。が、4月に入ってからの全国の桜前線のスピード、イコール季節の移ろいが早いので、九州には4,5日しか取れないのだ。

 2月の中旬に、大体の旅程を下記のように立てた。画像クリックで拡大します。

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なお、旅の写真は、

http://100tenkai.jimdo.com/

「日本列島北上の旅(桜前線と共に)」にアップされていますので、ぜひご覧下さい。

 

 今回のブログでは各地の詳しい旅行の話(エピソード)は長くなるので、次回に譲ります。感想をコメント頂ければ幸いです。