
ところで、おじいちゃんの机の引出から、私は意外なものを見つけた。
ハトロン紙の封筒の、口をとじてあるくくり紐を解くと、なかから書類の束が出てきた。
一番上に手紙が添えられていた。
手紙には、こう書かれていた。
谷口 健 殿
これを今、目にしているということは、おじいちゃんは死んだかな?
さて、それはともかく、この書類を読むに当たって、健くんには心して欲しいことがあります。
この書類は、見てわかると思いますが、あなたの産みの母親のその後の記録です。
おじいちゃんの教え子で興信所をやっている者がいて、その人に、毎年、淑子の近況を調べてもらっていました。
いくら、母親の資格のないような女だったとしても、一応、あなたの産みの親だし、おじいちゃんがいなくなった今、この世でたった一人の身内であります。
会いたいと思うかもしれないと考えました。
その時のために、連絡先くらいはわかるようにしておこうと思い、依頼していたものであります。
しかし、会った後、どうなるのか? と考えると、おじいちゃんはいまだに心配でなりません。
もう、あなたは二十歳を過ぎた大人であるし、社会人として立派に仕事もしているのだから、実の母親に会いたいと思って会うのは、あなたの自由です。そして、やさしいあなたのことだから、淑子が生活に困っていたりすると、手を差し伸べるかもしれません。
やさしいあなたが、やさしさから、母親に手をさしのべたとして、どうなるか。それを考えると、おじいちゃんには、あまり良い結末は思い浮かばないのです。
これは、おじいちゃんからのお願いなのですが、もし母親が暮しに困っていて、助けが必要だとしても、絶対に、この家にいれないでほしいのです。
ちょっと品のない言い方ですが、あの女は、たちまち男を連れ込んで、また、あなたをいじめるかもしれません。まだまだその危険性があることは、毎年の調査資料を見てもらえればわかります。
いじめられる、という言葉を使うと、あなたはまさか、と思うかもしれません。
もう、大人になった自分がいじめられるとは、なかなか考えにくいでしょうが、例えば、母親が連れ込んできた男が、あなたに暴力をふるわないまでも、あなたが日中、懸命に仕事をしている間、ぶらぶらと遊んでばかりで、淑子といっしょになって勝手にお金を引き出したり、あなたの大事なものを持ち出したり、部屋を散らかし放題にしたり、あなたにとって不愉快な言動を撒き散らすかもしれないのです。
そうなってから、あなたは母親と男を家からたたき出すことができますか?
人を助けようと思ったら、何かと戦わなければなりません。悪いことは悪いと言い、敢然と一刀両断することも必要となってきます。その時、圧倒的な力を持っていなければ、相手に呑み込まれ、自分自身の生活も破壊されてしまいます。
もし、あなたが淑子の勝手気ままを制御できなければ、あなたは結婚することも出来ず、一生、母親の行状に悩まされ続けるでしょう。そんなあなたの姿を思い浮かべると、居ても立っても居られません。
そんな人生は不毛としか言いようがありません。
また、そういう状態は淑子にとってもよくありません。
淑子は自分が蒔いた人生の種を自分で刈り取らなければなりません。
淑子が「どうも人生うまくいかないぞ」と思い始めたら、そうした中で、よくよく過去を振り返るという時間があったほうがよいのです。反省の機会を与えるというのも情のあり方です。
淑子がそう思うこともなく、一生。楽しくおかしく暮らしているのなら、それはそれでよろしい。あなたがかかわる必要はありません。
できれば、淑子には会おうとしないでほしいのです。
淑子がもっと高齢になって介護が必要なくらいになれば、会っても大丈夫かなとは思います。
それよりも、しばらくは母親のことは忘れて、お嫁さんをみつけ、健くんの新しい家族をつくってください。
おじいちゃんは、この家に健くんと、お嫁さんと、子ども達の、笑顔や笑い声が満ち溢れることを望んでいます。
死んだ後、未練を残すようですが、おじいちゃんが願っているのは、健くんの幸せです。どうか、今後、安易な情に流されることなく、社会人としての実力をつけていくことに力を注いでください。
もし、おじいちゃんの菩提を弔ってくれるというのなら、健くんの幸せこそが、おじいちゃんの供養になります。
そう願っているのは、実は、おじいちゃんだけではないと思います。
おばあちゃんも、はやくに死んだあなたのお父さんも、ひいおじいちゃんも、ひいおばあちゃんも、ご先祖様全員が、あなたの幸福と発展を、子孫の繁栄を、願って、期待を込めて見守っています。そのことを、どうか、心に留めておいてください。
谷口 静男
手紙の日付を見ると、亡くなる一年程前だった。
その頃、おじいちゃんは、もう自分はだめかもしれないと思った節がある。その頃から、おじいちゃんの衰えもすすんだ。
思えば、おじいちゃんは、力強く人生と戦う男だった。反面、心の中には弱いものに対する限りない優しさがあった。その力と優しさでもって、おじいちゃんは、私を虐待していた男と戦い、私を救い出してくれた。そればかりではない。この世を去った後も、私を守ろうとし、私の幸せを願ってくれている。
なんと驚くほどの恵みであろう。
おじいちゃんの深い愛情を感じて、私は泣いた。あたりに誰もいなかったから、遠慮なく声をあげて泣いてしまった。
高宮倫子さんは、おじいちゃんが引き合わせてくれた。
そう思えた。
それと同時に、私の責任の重大さも。
私はひとりで生きているわけではない。
今だけを生きているわけではない。
過去があり、未来がある線の上に生きている。
私は、多くの祖先たちが、悪戦苦闘し、奮闘努力して繋いできた命の延長線上に生きている。
私もまた、子孫にそれらを譲り渡さなければならない。そう思うと、身のうちに静かな闘志がわいてきた。
母親の資料はざっと見た。
最後の調査では郷里に戻ってゴルフ場のキャディをしているとあった。どこかのバーで酔い崩れて、男にしなだれかかるスナップも添えられていた。
この人は、今後どう生きていくんだろう?
郷里に戻ったとある。
自分の父親の元に帰ったのだろうか?
現住所を探してみた。
実家の住所と、母親の現住所とは違っていた。
実家に帰ったわけではなさそうだった。
それは当然かもしれない。おじいちゃんだって亡くなったのだ。母親の父親だって、亡くなったかもしれない。
父親が生きていたとしても、もはやきょうだいのうちの誰かが継いでいて、母親が帰っていく余地などないだろう。
郷里に戻ったはいいが、実家には居場所がなくて、外にアパートを借りたのだ。まあ、近くに身内がいるということは、東京で一人暮らしをしているより安心だろう。
とりあえず、元気そうだ。案外、この人は、今の生活が気に入ってるのではないか? 彼女は自由だ。彼女を拘束するような家族はもはやない。まあ、家族がいてもいなくても、昔から、この人の頭の中は、今しかなくて、自分しかいなかったのだがら。
この人は点で生きている人なのだ。それは今も変わらないだろう。
しかし、自分が今楽しければよかったこの人には、はぐくんできた過去もなく、やがて果実として実る未来もない。
この人は老後ということを考えたことがあるだろうか?
人は、やがて老いを迎える。老いて、力も判断力もなくなった老人に、どんな災いが起こるか、この人は考えたこともなければ、知ろうともしていないだろう。
区役所に勤めていると、そういう事例をたくさん見ることになる。
一人暮らしの老人の孤独。死後、何日も発見されなかったくらいは、まだマシな方である。年金支給日に見ず知らずの男がやってきて、金を持っていかれるというケースもあるのだ。本人は、それが被害かどうかもわからなくて、被害届も出せなかったりするほど、ボケていて無力だったりする。
個人を保護するはずのプライバシーの保護も、悪用する向きにはザルで、助けようとした時、むしろそれが邪魔になって、危機的状況から助け出すことができないこともある。
個人情報の保護、またはプライバシーの保護は、表現の自由に対抗するものとしてでてきており、実生活上の弱者の保護という観点は見落とされた。本末転倒という気がする。そうは思うが、まあ、残念ながら、今の私は、法の範囲で行政を押し進める立場でしかない。
「そこであなたはいったいどうする? 健くん」
そんなおじいちゃんの声が聞こえるような気もするが、今はちょっと待って、おじいちゃん。
まずは嫁をもらう。
私はおじいちゃんの手紙だけ取り出して、それ以外の資料を封筒に納め、再びくくり紐で綴じで、他の書籍とともにダンボールにしまいかけたが、思いなおして机の一番下の引き出しの奥に収めた。
おじいちゃんの手紙は、おじいちゃんの遺稿集のバインダーに挟んで、机の上の本立てに入れた。
この手紙のやりかたは実におじいちゃんらしかった。
私が探さなければ目に触れることはなかった。
求めれば、答えてくれるというおじいちゃんらしいやり方だった。
おじいちゃんの死後、見つけたので、まるで、あの世からメッセージを受け取ったように思えた。
考えてみれば、おじいちゃんは遺言らしいものは残さなかった。
遺産の相続人が私ひとりだったから必要がなかったこともある。相続や葬式に関する一切の手続きに関してしたためたものはあったが、それは、おじいちゃんの誕生日ごとに確認していたので、既に開封されており、遺言としての効力は全くなかった。
でも、おじいちゃんなのだ。
最も大事なものは、形のあるものではない。
「もし、おじいちゃんの菩提を弔ってくれるというのなら、健くんの幸せこそが、おじいちゃんの供養になります」
そのくだりを、おじいちゃんの遺言として、心に刻み付けた。
自分も、孫ができたら、その言葉を遺して逝こうかな、と、密かに思った。
完
ハトロン紙の封筒の、口をとじてあるくくり紐を解くと、なかから書類の束が出てきた。
一番上に手紙が添えられていた。
手紙には、こう書かれていた。
谷口 健 殿
これを今、目にしているということは、おじいちゃんは死んだかな?
さて、それはともかく、この書類を読むに当たって、健くんには心して欲しいことがあります。
この書類は、見てわかると思いますが、あなたの産みの母親のその後の記録です。
おじいちゃんの教え子で興信所をやっている者がいて、その人に、毎年、淑子の近況を調べてもらっていました。
いくら、母親の資格のないような女だったとしても、一応、あなたの産みの親だし、おじいちゃんがいなくなった今、この世でたった一人の身内であります。
会いたいと思うかもしれないと考えました。
その時のために、連絡先くらいはわかるようにしておこうと思い、依頼していたものであります。
しかし、会った後、どうなるのか? と考えると、おじいちゃんはいまだに心配でなりません。
もう、あなたは二十歳を過ぎた大人であるし、社会人として立派に仕事もしているのだから、実の母親に会いたいと思って会うのは、あなたの自由です。そして、やさしいあなたのことだから、淑子が生活に困っていたりすると、手を差し伸べるかもしれません。
やさしいあなたが、やさしさから、母親に手をさしのべたとして、どうなるか。それを考えると、おじいちゃんには、あまり良い結末は思い浮かばないのです。
これは、おじいちゃんからのお願いなのですが、もし母親が暮しに困っていて、助けが必要だとしても、絶対に、この家にいれないでほしいのです。
ちょっと品のない言い方ですが、あの女は、たちまち男を連れ込んで、また、あなたをいじめるかもしれません。まだまだその危険性があることは、毎年の調査資料を見てもらえればわかります。
いじめられる、という言葉を使うと、あなたはまさか、と思うかもしれません。
もう、大人になった自分がいじめられるとは、なかなか考えにくいでしょうが、例えば、母親が連れ込んできた男が、あなたに暴力をふるわないまでも、あなたが日中、懸命に仕事をしている間、ぶらぶらと遊んでばかりで、淑子といっしょになって勝手にお金を引き出したり、あなたの大事なものを持ち出したり、部屋を散らかし放題にしたり、あなたにとって不愉快な言動を撒き散らすかもしれないのです。
そうなってから、あなたは母親と男を家からたたき出すことができますか?
人を助けようと思ったら、何かと戦わなければなりません。悪いことは悪いと言い、敢然と一刀両断することも必要となってきます。その時、圧倒的な力を持っていなければ、相手に呑み込まれ、自分自身の生活も破壊されてしまいます。
もし、あなたが淑子の勝手気ままを制御できなければ、あなたは結婚することも出来ず、一生、母親の行状に悩まされ続けるでしょう。そんなあなたの姿を思い浮かべると、居ても立っても居られません。
そんな人生は不毛としか言いようがありません。
また、そういう状態は淑子にとってもよくありません。
淑子は自分が蒔いた人生の種を自分で刈り取らなければなりません。
淑子が「どうも人生うまくいかないぞ」と思い始めたら、そうした中で、よくよく過去を振り返るという時間があったほうがよいのです。反省の機会を与えるというのも情のあり方です。
淑子がそう思うこともなく、一生。楽しくおかしく暮らしているのなら、それはそれでよろしい。あなたがかかわる必要はありません。
できれば、淑子には会おうとしないでほしいのです。
淑子がもっと高齢になって介護が必要なくらいになれば、会っても大丈夫かなとは思います。
それよりも、しばらくは母親のことは忘れて、お嫁さんをみつけ、健くんの新しい家族をつくってください。
おじいちゃんは、この家に健くんと、お嫁さんと、子ども達の、笑顔や笑い声が満ち溢れることを望んでいます。
死んだ後、未練を残すようですが、おじいちゃんが願っているのは、健くんの幸せです。どうか、今後、安易な情に流されることなく、社会人としての実力をつけていくことに力を注いでください。
もし、おじいちゃんの菩提を弔ってくれるというのなら、健くんの幸せこそが、おじいちゃんの供養になります。
そう願っているのは、実は、おじいちゃんだけではないと思います。
おばあちゃんも、はやくに死んだあなたのお父さんも、ひいおじいちゃんも、ひいおばあちゃんも、ご先祖様全員が、あなたの幸福と発展を、子孫の繁栄を、願って、期待を込めて見守っています。そのことを、どうか、心に留めておいてください。
谷口 静男
手紙の日付を見ると、亡くなる一年程前だった。
その頃、おじいちゃんは、もう自分はだめかもしれないと思った節がある。その頃から、おじいちゃんの衰えもすすんだ。
思えば、おじいちゃんは、力強く人生と戦う男だった。反面、心の中には弱いものに対する限りない優しさがあった。その力と優しさでもって、おじいちゃんは、私を虐待していた男と戦い、私を救い出してくれた。そればかりではない。この世を去った後も、私を守ろうとし、私の幸せを願ってくれている。
なんと驚くほどの恵みであろう。
おじいちゃんの深い愛情を感じて、私は泣いた。あたりに誰もいなかったから、遠慮なく声をあげて泣いてしまった。
高宮倫子さんは、おじいちゃんが引き合わせてくれた。
そう思えた。
それと同時に、私の責任の重大さも。
私はひとりで生きているわけではない。
今だけを生きているわけではない。
過去があり、未来がある線の上に生きている。
私は、多くの祖先たちが、悪戦苦闘し、奮闘努力して繋いできた命の延長線上に生きている。
私もまた、子孫にそれらを譲り渡さなければならない。そう思うと、身のうちに静かな闘志がわいてきた。
母親の資料はざっと見た。
最後の調査では郷里に戻ってゴルフ場のキャディをしているとあった。どこかのバーで酔い崩れて、男にしなだれかかるスナップも添えられていた。
この人は、今後どう生きていくんだろう?
郷里に戻ったとある。
自分の父親の元に帰ったのだろうか?
現住所を探してみた。
実家の住所と、母親の現住所とは違っていた。
実家に帰ったわけではなさそうだった。
それは当然かもしれない。おじいちゃんだって亡くなったのだ。母親の父親だって、亡くなったかもしれない。
父親が生きていたとしても、もはやきょうだいのうちの誰かが継いでいて、母親が帰っていく余地などないだろう。
郷里に戻ったはいいが、実家には居場所がなくて、外にアパートを借りたのだ。まあ、近くに身内がいるということは、東京で一人暮らしをしているより安心だろう。
とりあえず、元気そうだ。案外、この人は、今の生活が気に入ってるのではないか? 彼女は自由だ。彼女を拘束するような家族はもはやない。まあ、家族がいてもいなくても、昔から、この人の頭の中は、今しかなくて、自分しかいなかったのだがら。
この人は点で生きている人なのだ。それは今も変わらないだろう。
しかし、自分が今楽しければよかったこの人には、はぐくんできた過去もなく、やがて果実として実る未来もない。
この人は老後ということを考えたことがあるだろうか?
人は、やがて老いを迎える。老いて、力も判断力もなくなった老人に、どんな災いが起こるか、この人は考えたこともなければ、知ろうともしていないだろう。
区役所に勤めていると、そういう事例をたくさん見ることになる。
一人暮らしの老人の孤独。死後、何日も発見されなかったくらいは、まだマシな方である。年金支給日に見ず知らずの男がやってきて、金を持っていかれるというケースもあるのだ。本人は、それが被害かどうかもわからなくて、被害届も出せなかったりするほど、ボケていて無力だったりする。
個人を保護するはずのプライバシーの保護も、悪用する向きにはザルで、助けようとした時、むしろそれが邪魔になって、危機的状況から助け出すことができないこともある。
個人情報の保護、またはプライバシーの保護は、表現の自由に対抗するものとしてでてきており、実生活上の弱者の保護という観点は見落とされた。本末転倒という気がする。そうは思うが、まあ、残念ながら、今の私は、法の範囲で行政を押し進める立場でしかない。
「そこであなたはいったいどうする? 健くん」
そんなおじいちゃんの声が聞こえるような気もするが、今はちょっと待って、おじいちゃん。
まずは嫁をもらう。
私はおじいちゃんの手紙だけ取り出して、それ以外の資料を封筒に納め、再びくくり紐で綴じで、他の書籍とともにダンボールにしまいかけたが、思いなおして机の一番下の引き出しの奥に収めた。
おじいちゃんの手紙は、おじいちゃんの遺稿集のバインダーに挟んで、机の上の本立てに入れた。
この手紙のやりかたは実におじいちゃんらしかった。
私が探さなければ目に触れることはなかった。
求めれば、答えてくれるというおじいちゃんらしいやり方だった。
おじいちゃんの死後、見つけたので、まるで、あの世からメッセージを受け取ったように思えた。
考えてみれば、おじいちゃんは遺言らしいものは残さなかった。
遺産の相続人が私ひとりだったから必要がなかったこともある。相続や葬式に関する一切の手続きに関してしたためたものはあったが、それは、おじいちゃんの誕生日ごとに確認していたので、既に開封されており、遺言としての効力は全くなかった。
でも、おじいちゃんなのだ。
最も大事なものは、形のあるものではない。
「もし、おじいちゃんの菩提を弔ってくれるというのなら、健くんの幸せこそが、おじいちゃんの供養になります」
そのくだりを、おじいちゃんの遺言として、心に刻み付けた。
自分も、孫ができたら、その言葉を遺して逝こうかな、と、密かに思った。
完












