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聖ルトガルジスおとめ    St. Lutgardis Virg.

2017-06-16 02:54:15 | 聖人伝
聖ルトガルジスおとめ    St. Lutgardis Virg.              記念日 6月16日

 聖女ルトガルジスの一生は、いわば主イエズス・キリストとの完全な一致を目指す努力精進の連続であった。「汝等は死したる者にして、その生命はキリストと共に天主において隠れたるなり。我等の生命にてましますキリストの現れ給う時には、汝等もまた彼と共に光栄の中に現るべし」(コロサイ書 3・34)この聖パウロの言葉は、彼女の生涯の説明と見ることも出来よう。

 ルトガルジスは1182年ベルギーのトングル市の貴族の家に生まれた。母は大層信心深い婦人で彼女をも敬虔に育て上げようと努めたのに、父は全然世俗的な人間でこの世の快楽虚栄社交などに娘の心を向けようとしたから、ルトガルジスはこの相反する教育方針の犠牲となって、善を為しがたく、悪に流れやすい志操定まらぬ少女と生い立ったのであった。
 ようやく年頃になった彼女は、父の考えに従い、某という貴族の一青年と結婚する事にした。所が不幸にも父が商売の手違いから大損害を蒙り、為に予定の持参金も娘に与える事が出来なくなってしまった。すると最初から人より金を目当てにしていたらしい某は、たちまちにその婚約を破棄し去り、再び彼女を顧みぬようになったのである。
 その時のルトガルジスの恥ずかしさはどれほどであったろう!彼女は今や人の心の頼み難さを始めてはっきりと見せつけられたような気がし、母の勧告のままに今後は修院に入り、ただ天主のみを望んで生きようと思い立つに至った。
 その為に天主の思し召しの有無を知るべく一心に祈りをしていた時の事である、彼女は思いもかけずイエズスの御出現を蒙った。すなわち主は鮮血淋漓たる御脇腹の傷を示し給いつつ「見よ、汝の愛すべきものを!この傷においてこそ汝は無上の歓喜を見い出すであろう」と仰せになったのである。ルトガルジスの進路はかくして確定した。彼女は主キリストを浄配と選び、その聖旨に適うことを求めて日夜徳を磨く決意を固めたのであった。
 いよいよ彼女が憧れの修道誓願を立てたのはその18の年の事であった。それからのルトガルジスは、愛する主に仕える為修道女の本分たる、祈り、労働、苦行などに脇目もふらず没入した、すると天主の方でも彼女をより完徳に導こうとの御心から病気に罹るなどの肉体的苦痛や他人に誤解されるなどの精神的苦痛をほとんど絶えず与え給うた。かようにしてルトガルジスの魂は一日一日より固く主に結ばれ、後に聖主はまた度々彼女に現れて、親しく神秘的生活の奥義を明かし給うたと伝えられている。
 こうした恵みは全く己を捨てた熱心な祈りの人にでなければなかなか与えられるものではないが、ルトガルジスの祈りを愛する事は実に驚くべきほどであった。彼女は会則に定められた務めの祈りを果たすはもちろん、暇さえあれば祈り、黙想等によって限りなき天主の御心の堂奥に参入するのをこの上ない楽しみとしていた。それに彼女の祈る願いは実際不思議なほど叶えられた。一例を挙げれば、ある時彼女と知り合いの一修院長が死去したが、その人は生前甚だ憐れみの情に欠ける所があった。で、ルトガルジスはその死後の運命を心配してその為しばしば祈ると共に罪の償いの業をも熱心に行った所、しばらくしてその人が天国の光栄に包まれて現れ、「あなたのお祈りのおかげで、煉獄の償いを40年も縮められました」と告げ、繰り返し謝意を表して消え去ったとの事である。かく彼女が殊にも罪人の為力を尽くしたのは、一つには自分の若き日の不信心を今更の如くに悲しむ罪滅ぼしの心から出たのであろう。
 天主との深い神秘的一致の恵みを許されたルトガルジスは、直接聖主から御指導を授かる事も一再ではなかった。彼女が7年間の大斉を3度命じられた如きもその実例である。その最初の大斉は当時流布しつつあったアルボア派の異端を滅ぼす為、次は罪人の改心の為、そして最後のはまさに聖会に降りかかろうとする迫害を未然に防ぎ止める為に他ならなかった。
 さてルトガルジスはかように主の聖旨のままに修道に専念し、他の姉妹達のあっぱれな模範となったから、彼女がわずか25歳の若年で一院の院長と推されたのも、格別驚くに足らぬ事であろう。しかし謙遜な彼女はそれを望まず、願い出て故郷の修院を去り、ブラバント州アヴィエルの修院に移って約40年も敬虔な修道生活を続けた。その終わりの11年間は主の特別な思し召しから全く盲目となったが、彼女はその難儀不自由をも主の御苦難に合わせて天父に献げ、世の罪の償いとしたのであった。
 かくて数々の功績を積み、地上から主と一致していたルトガルジスが、いよいよ豊かな報酬を得、永遠に浄配と楽しむべく天国に召されたのは、1246年6月16日の事で享年64歳であった。

教訓

 世人は聖女ルトガルジスの生涯を価値なきものと考えるかも知れぬ。しかしそれはあまりに物質的、自然的な立場からのみ見るからである。霊的超自然的立場よりすれば、彼女の祈り、苦行とは、どれほど人類社会のため災いを防ぎ幸いをもたらしたか計り知れぬのである。我等はこの聖女の一生から祈りの大いなる力と従ってその必要な所以を学ぼうではないか。



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