カトリック情報 Catholics in Japan

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『ばらの聖女 ヴィテルボの聖ローザ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ 20

2017-06-01 03:30:27 | ヴィテルボの聖ローザ
『ばらの聖女 ヴィテルボの聖ローザ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ 20

 カトリック運動を起した教皇ピオ11世は、この運動の若い女性の模範として、聖女ローザをかかげました。「聖女の魂の美しさを眺め、そのすばらしい善徳をしのび、この完全な手本にならいなさい」と教皇は呼びかけました。

 ゆりのように清いローザをみつめ、わたしたちも清くなりましょう。でも世間は、たえずだらくへさそいます。

 これにうち勝つため、ローザは、イエズスのみ言葉どおり、目分をすて、日々の十字架をせおって、反対も、迫害も、イエズスヘの愛のために耐えました。わたしたちは、自分と他人の救いに何をしたらいいのでしょう? 愛とぎせい心で、苦しみの十字架をになうことこそ、その道です。

 家に、道に教理を教えてやまなかったローザにならうわたしたちは、まず自分が正しい信仰を守り、よい手本でまわりに信仰のあかしをしましよう。ああ、神の愛、ばらの聖女よ、この決心を助けてください。




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『ばらの聖女 ヴィテルボの聖ローザ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ 19

2017-05-31 21:18:33 | ヴィテルボの聖ローザ
『ばらの聖女 ヴィテルボの聖ローザ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ 19

 聖女ローザの遺体が安置された修道院の小さな聖堂は、聖ダミアノの聖堂と呼はれていたのに、まもなく聖女ローザのお聖堂とよばれるようになっていました。

 ローザの光栄のために、小さすぎるようになったこの聖堂は、同じ場所に大きく生まれかわりました。その献堂式は、1849年。1917年に円大井が加えられました。入って右側が聖女のお堂、ここに遺体と顕示台の心臓が安置されています。きまった日には、信者は、せっぷんさえもすることができます。

 また聖堂のそばに、聖ローザの小さなあの家も保存されています。そのなかには、ミサのため祭壇が一つおかれているだけです。

 こうして、ローザは、その精神だけでなく、その貧しい家でさえ、まるでお聖堂のように保存されるようになりました。

 700年前の貧乏なローザが自分の小さな部屋にとじこもって祈りと苦業に過ごした思い出、この思い出が、今ではなんと祝福された思い出となったことでしょう! その遺体は大事に保存され、大勢の人々に尊敬と感謝をうけるのです。あのむかし、信仰の真理を守るため、十字架を手に、はだしで歩きまわったその町を、いま遺体が荘厳な行列をつくって、大きな光栄のうちに同じ道を進みます。

 皇帝に追放され、ふりしきる雪を、ふみしめて通った町のその門から、ローザの高い塔が行列をつくって進みます、町中の歓迎をうけるために。あのむかし、地上で迫害されたローザ、今は、天の永遠の都で、天使、聖人たちと、この上もない光栄にかがやきます。

 その名のとおり、天国の美しい”ばら”、香り高い徳を送って、いつまでも、いつまでも、わたしたちを招きます。




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『ばらの聖女 ヴィテルボの聖ローザ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ 18

2017-05-30 05:26:51 | ヴィテルボの聖ローザ
『ばらの聖女 ヴィテルボの聖ローザ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ 18

 薄い板と軽い材料でつくられるこの塔は、4メーター四角の土台の上に19メーターの高さをもっています。毎年新しくつくられ、いろいろな飾をつけ、上部に聖女の像が安置されます。

 "聖女ローザのにない手"と呼はれる72名のたくましい男たちが、塔をはこんで、約1キロはなれた聖女のお聖堂に行きます。行事は夜に行なわれ、町中がすべて灯を消してしまいます。やみの中をこの塔だけが明るくかがやき、その光は夜空に反映して、不思議な天の王宮をしのばせるばかり。



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『ばらの聖女 ヴィテルボの聖ローザ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ 17

2017-05-29 03:23:09 | ヴィテルボの聖ローザ
『ばらの聖女 ヴィテルボの聖ローザ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ 17

 時代はくだり、今から80年前の1921年になりました。死後700年もたった聖女ローザの遺体の調査に聖職者、町の権力者、有名な医者たちが立ち合いました。夢のような事実! ローザの遺体は完全でした!

 ふたたび棺にもどされて封をされる前に、心臓がとり出され、ガラスと黄金の顕示台に納められました。ガラス越しに信者がせっぷんできるためでした。

 これを記念して、いま聖女の遺体が荘厳な行列をつくって町中をまわっています。

 みんなが、こぞって祝う行列で、清い神秘的な感激が町中を包んでいます。いたる所にこだまする賛美歌、いたる所にひびくよろこびの叫び! この時もローザの遺体は、カルディナル、司教、有力者につきそわれていました。

 神は、決して愛する人を忘れません。イエズスの愛にもえたローザの光栄は、天から地上に広がり、こうして700年たってからも、無言の布教をして町をまわりました。

 9月4日、聖女の祝日となったこの日は、帰天した日でなく、遺体が聖堂に移された日でした。昔からこの祝日は聖女のご像を運び、行列をつくって、町中を祝福してまわりました。でもまもなく、この絵にあるような、高い塔がまい年運ばれるようになっていました。


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『ばらの聖女 ヴィテルボの聖ローザ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ 16

2017-05-28 04:40:13 | ヴィテルボの聖ローザ
『ばらの聖女 ヴィテルボの聖ローザ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ 16

 少しさかのぼった1357年、聖女ローザの遺体の前に祈りに来た信者のひとりが、ローソクの火を忘れて帰りました。ローソクは倒れて小さな聖堂に火の手があがり、木造りの棺が燃えています。その勢いのはげしいこと、シスターたちは、手のほどこしようもありません。泣きながら、祈りながら、叫びながら助けを求めるシスターたちの声がひひいています。ききつけて集まってきた人々で、やっと火が消えました。

 もくもくと立ちのぼる煙・・・ああ、聖女の遺体は? みんなの目は、しずまる煙のなかを必死にみつめています。枢はもえつき、あとかたもありません。おおいの豪華な布も、灰さえ残っていません。

「あっ!」という驚きの声!声!声!聖女の遺体が、その服もともに、そのままの姿で静かに、安らかによこたわっているのです..神は、こうして聖女の遺体までも特別に守られたのでした。

 新しいみごとな枢にローザの遺体は眠っています。300年たった頃、ローザのぜいたくな、黄金の糸を刺繍したビロードの服も、きせかえられました。今度は、フランシスコ会第三会のシスターのつける服です。服は古くなり、定期的に変えられても、遺体だけは、いつまでたってもそのまま、いま息をひきとったかと思われるばかりの姿です。

 今から200年ほどまえ、さらに遺体は、この絵にあるようなすばらしい芸術的な銅製の棺に移され、まばゆいばかりの黄金で飾られました。壁は見えるようにガラスばり、大勢の巡礼者が祈りに行きます。貧乏なはだしの娘、信仰のために皇帝に追い出された娘ローザは、今では、15名もの歴代の教皇たちがその前にひざまずきました。追害者の子孫の王たち、ヨーロッパの王族たちも、ひざまずいて祈るのです。神は、愛する花よめローザに、これほどの光栄をこの世の中にもお望みになったのです。人類にとって、ああ、なんと偉大な希望よ!




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