写真は20年以上も前のものとなりました

つれづれなるまゝに日ぐらしPCに向かひて心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつづっていきます

三つ巴

2017年10月15日 | 随想

拮抗する三勢力

 

衆議院議員選挙は“三つ巴”の構図と報道されているが、事実上は圧倒的多数の自民党とその他少数、というのが実態だろう。本来の「三つ巴」という言葉の使い方は、「3つの勢力が拮抗し、鼎立している様子」ということなので、1本の脚だけ強くて他の2本が弱い鼎(かなえ)だったら、そりゃあ傾いてコケてしまい立っていられない、つまり、勝負にはならない、というものだ。

 

拮抗した大きさの巴3つがそろった図が「三つ巴」の紋として古来から使われてきているのだが、日本では、本来、こういう3つの勢力がそれぞれ他の1つと連携し、もう1つの勢力と対抗する、というパターンのほうが似合っているのではないだろうか?どうも、米国や英国のような二大政党による政権交代という図式は、日本では通用しないように感じられる。そもそも日本人というのは「和を以て貴しとなす」精神が発達しているので、1:1のような真っ向からの対立というのは避ける傾向にあり、むしろ、2:1あるいは1:2となるような3者による勢力図の形成・崩壊を繰り返して一人勝ちを避けてきたのではないのかと思われる。

 

二大政党という幻想の中で社会党が消滅し、マスコミの誘導もあって勢力を伸ばした民主党も政権交代をしてはみたものの、それが全くの使い物にならない代物でしかなかったことを証明したに過ぎなかった。日本式の政権交代というのは、自民党内での対立あるいは鼎立の抗争の中できちんと成し遂げられてきた歴史と実績があったのだが、それをきちんと位置づけも評価もなされてこなかっただけなのだ。日本で野党といえば「何でも反対」党であり、しかも売国政党でしかなかった。維新の党などがようやく、売国政党ではない野党として育ってきたようだが、希望の党などは民主党が名を変えただけの民進党の候補者を抱え込むようになって自ら腐っていってしまった。日本で真の意味での野党勢力というのは、実は、自民党内の非主流派のことだった。残念ながら、その自民党内にさえも、加藤紘一や野中広務、河野洋平、松村謙三など、売国奴(ばいこくど, くにうりのやっこ)と呼ばれた代議士が結構多く存在していた。彼らが要職を務めていたことが、この国の不幸だった。

 

衆院選2017はまだ結果を見ていないが、選挙戦が始まる前にミンシン党が事実上の瓦解をしたことは「解散」の大きな成果の1つだった。小池新党が落人を引き受けていったことで自らも落ちぶれていったようだが、ミンシン党崩壊を促したという点は歴史的に大きく評価されなければならないだろう。

踏み絵として使った「憲法改正」だが、これがマスコミ的にはとてもとても許せなかったようで、同じような構図はビデオメッセージ以後のモリカケ騒動のドタバタでも見られたとおりである。「憲法改正」をちらつかせると脊髄反射的にメディアがこぞって弾圧してくる、ってことが明確に証明されたようなものだが、この点が、この国の一番の癌だということだろう。

 

ところで、「三つ巴」の意味とは直接の関係はないのだが、豆腐業界が初めて、「豆腐」とは何かという定義を発表したそうで、それによれば、大豆の割合で大きく3分類(10%以上を「豆腐」、8%以上「調製豆腐」、6%以上で「加工豆腐」)に分けることにしたそうである。

 

中分類として、「木綿」「ソフト木綿」「絹ごし」「充てん絹ごし」「寄せ(おぼろ)」と5分類もするそうなので、選びやすくなることが期待される。

そう言えば、これまでは朧気ながら「豆腐」「豆腐加工品(油揚げなど)」「豆腐関連品(豆乳・湯葉など)」と分類されてきた。このあたりは、全豆連(一般財団法人 全国豆腐連合会)の豆腐の種類に詳細が出ている。

 

木綿豆腐は一般的にどれを買ってきてもほぼ同じ食感だが、絹ごし(充填)豆腐は、値段にも大きなバラツキがあったり、食べようと箸を入れただけでスルリと通りすぎてスプーンでなければすくえないほど柔らかかったりなど、豆腐なのか濃い目の豆乳なのかわからないくらいのものもあったりした。何か法律でもつくらなきゃ、いつか消費者団体とかからクレームが出るのでは?と思っていただけに、これは朗報だ。

 

ところで、いろんなジャンルで専門的な知識を得させてくれる「ピントル(「ピントの合った情報を取る」)というサイトの中に、「豆腐って何?名前の由来と基礎知識」というページがあり、それによると、豆腐の種類は、「一般的な豆腐(絹や木綿など)、堅豆腐(または固豆腐)、加工豆腐(豆腐の加工品)、豆腐の副産物または関連製品」の4種類に分類される、としている。(このあたりは上述の分類とは若干の違いがある。)

「一般的な豆腐(絹や木綿など)」についても、木綿豆腐、絹ごし豆腐、ソフト豆腐、充填豆腐、おぼろ豆腐(または寄せ豆腐)、かわり豆腐(玉子豆腐、杏仁豆腐、胡麻豆腐、牛乳豆腐、・・・・・・)などが事細かく解説されており、その他にも、「堅豆腐」や「焼き豆腐」、「油揚げ」、「おから」、「高野豆腐」、「豆乳」、「湯葉」などなど、飽きるほどのページで解説されている。

 

豆腐の食べ方の1つでもある「冷奴」だが、いろんなページに登場するものの、それだけでの解説が見当たらなかったので、「やっこ」って何?、というサイトに移ることにした。

 

読んでいくうちに、「冷奴」の「奴(やっこ)」って何じゃい?のほうに興味というか、記事が進んでいって、それが四角い紋のことでありであり、江戸時代の武家に働く身分低い下僕(「奴」と呼ばれた)が着ていた半纏(はんてん)が「釘抜紋」と呼ばれる大きな四角形だったことから、その紋の付いた着物を着ていた人たちが奴、その紋のような形の豆腐が「奴豆腐(やっこどうふ)」と呼ばれるようになったとのことで、紋も豆腐も一気に判明してしまった。

 

解説満載の「ピントル」だが、「食品・飲料の専門ページ」、「だし(出汁)」、「日本酒」など、素材には事欠かない。まぁ、「日本酒」には一言居士の愚生には二言三言の講釈も展開したいところだが、TPOくらいはわきまえているつもりなので、ここでは触れない。

 

以前、このブログ内の「北?東?(2014年12月17日)で、いろんな役所等が「ここが東西の境目」ということを紹介していたことがあったが、豆腐については、「木綿」と「絹ごし」の好みの勢力分布図が、東北は「木綿」で 関西が「絹ごし」と明確に分かれるようである。

 



同じように、「好きなソース」が東のブルドック、西のオタフク、中部のカゴメと大別される。(我が家はカゴメ、だな。)

 



こういう傾向は食パンにもあるようで、薄切り」の東日本・「厚切り」の西日本と明確な違いが出ている。(我が家は5枚切り。)

 

 

日がな一日こんなことを眺めていたりすると、時間というものがいつの間にか過ぎていたりして、余計に月日の経つのが早くなっていることを痛感する。う~む、もっと時間が欲しい・・・・。