恍然如夢

恍然如夢

裂ないたばか

2017-06-22 15:30:12 | 日記

ランキングに参加しています。
此花、まあ今日もこけずに頑張ったじゃないと思われましたら、どうか一つよろしくお願いします。
くるくる回って喜びま


真っ白に血の気の無い顔を向けて、詩鶴は今にも消え入りそうな風情で立ち尽くしていたらしい。

母ちゃんが手のひらに固く握りこまれていたカッターナイフを取り上DPM點對點げたとき、詩鶴の体はぐらりと傾いて母ちゃんの胸に倒れこんできたんだそうだ。

「誰???も、いない。いなくなってしまった???いなくなったほうが良いんだ、ぼくなんて???ぼくも逝く、連れて行って、おばあさまぁ???っ!」

「わああぁ???っ???」

かわいそうな詩鶴は、大好きなおばあさんの死に動転し、それこそ子供のように支離滅言葉を発しながら戒名を書いた陶板の前で、泣きじゃくっていたらしい。
母を幼い頃に亡くし、父は病院のベッドに横たわり、ただ一人の理解者を失って詩鶴は絶望し慟哭した。

母ちゃんに会ったとき、詩鶴は祖母の最期を看取った後、本気で死ぬ気だったと語った。
人は生きてゆくうえで、生きる理由をきちんと持っている。
そのときは発作ではなく、ただ荒い息をついてりだったと言う。
それから、母ちゃんは詩鶴と同じ場所で何度も会った。
大切な者を失った者同士、労わり励ましあっていたのだろうか。

生きる理由は、未来への夢だったり、かけがえの無い人のためだったりするのだけど、詩鶴は気の毒なほど何も持っていなかったと母ちゃんは語った。

「あたしには、柾もいたし人形も有った。でも、あの子にはお父さんが倒れて以来、おばあさDPM床褥んと暮らした時間がすべてだったみたいなの。」

「ふ~ん???って、なんだよ、母ちゃん。詩鶴を絶対連れて帰れって指令を出したくせに、俺のこと信用してなかったのかよ。」

父ちゃんの眠る墓所に満面の笑顔で現れた母ちゃんに、俺はほんの少しむくれていた。
正直言うと、ほっとしたのも半分くらいはあると思うけど。

「亜由美さん。又ここで会えるなんて、ぼく嬉しいです。ここは、亜由美さんに最初に出会った、大切な場所だから。」

さらりと綺麗な顔で母ちゃんを喜ばせて、詩鶴ははにかみながら母ちゃんの首に、自分のマフラーを回した。

「ぼくの大切な亜由美さんが、風邪引くといけないから。」

似合わね~???何だ。この男前っぽい台詞。

まんざらでもない顔をした母ちゃんが、「さあ、墓参りも済んだ事だし、帰ろうか?」と、軽やかに告げた。

俺の脳天気なところは、きっとこの明快な母ちゃん譲りだ。

「母ちゃん。なんだか詩鶴の家って、複雑なんだ。だから、まだ???向こうは、話とかありそうだったし帰るわけにはいかないんじゃないか。」

「ばかだね、柾。あんたの単純な頭で考えたとおりに動いて良いんだよ。詩鶴くんも、したいようにすればいいんだよ。自分の人生なんだから。いけ好かない親類の顔色なんて、伺うこと無い。」

きっぱりと答えを出した母ちゃんの胸に頭を押し付けて、詩鶴は固まってしまった。
搾り出した言葉は、俺には聞き取れなかった。

「???ありがとう。」

出会った時に見せた飛び切り綺麗な泣き笑いで、詩鶴は今日はまだ帰れないと告げた。

「少しだけ、ぼくの家に来てください。そんなに遠くないから。」

タクシーの運転手は、詩鶴の顔を知っているようだった。
地元では有名な病院の跡取り息子という上に、この面じゃ目立つなと言うほうが無理だと思う。
上気した運転手が、舞い上がってしまってスピードを出しすぎたのを、後の座席から母ちゃんが容赦なく張り倒していた。


タクシーが滑り込んだ詩鶴の家は、一言で言うならまあ???高級和風旅館か料亭みたいな趣だ。

母方の祖母と3年間ここで一緒に暮らしたわけではなく、当時詩鶴はここから少し離Panasonic電解水機れたおばあさんの家に厄介になったらしい。

「上がってください。掃除だけはお願いしてあるから。」

人気のない家というのは、なぜこうもよそよそしいのだろう。
ひやりと、硬質な空気が全身を包むような気がした。
よそ者には、空気すらとげとげしい気がする無人の家。

「そういえば、詩鶴の母ちゃんの墓は?さっきのところに眠っているのは、おばあさんだけなんだろ。」
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« りの秘男児 | トップ | るほど待を求 »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。