LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:ATCを録音した動画を撮影しながらTEC IFRを飛ぶ(動画リンクあり)

2016-12-16 | Flight Log (機長)

冬休みの初日、本当はもっと飛びまくろうと思っていたが、予定より短めのフライト。ただ、IFRで飛ぶのが楽しそうな天気。朝は完全なIMC、昼ごころからかなり雲が晴れたが、1000ft Scattered、2000ft Brokenといった感じ。さらに天気が良くなり、とりあえずVFRでも問題なく離陸できそう。リリース待ちの長いサンタモニカ空港からのIFRは避け、帰還だけをIFRで飛ぶことにした。サンタモニカ空港に到着。Bill's Airに立ち寄り、firewall shut off valveが固着している修理と、オイル交換をお願いした。あと、この日はGoProにATCを録音できる配線を設置してみた。自身初の試み。

サンタモニカ空港の天気はVMCだが、Special Flight Ruleを合法的に飛べそうな雲じゃない。3000ft付近、LAX上空には雲が点々としている。エンジン始動、ランナップへ。タクシーアウトの時、グランドからGood afternoonと言われた。気持ちいい挨拶だ。ランナップの後に離陸。Left downwind departureを選択。ダウンウィンド半ばでちょっとだけ雲に突入、そして1700ftでレベルオフ。そのままダウンタウンまで飛ぶ。そしてLAX Class B Airspaceの下をくぐって南下する。ここで結構な揺れが続く。視界、露点温度、全てが夕暮れ時にlow ceilingになりそうな数字。そのままコンプトン上空通過、ここでトーランス管制塔を呼ぶ。Right base Rwy29Rと指示。雲は海岸線にあり、内陸は2000-3000ft scattered。先行機に続いてNo.2での着陸となった。ノーフラップ、ノーズアップでの楽しい着陸。

そのままTransient parkingに駐機。そしてしばし機体拭き掃除。狙いはサンタモニカ空港がIMCになること。先日完全な液体ワックスがけしただけあり、機体はかなり綺麗。そんな綺麗な機体を磨き込むのが楽しい。そうこうしていると、小一時間ほどで雲り空がかなり内陸に移動してきた。アップウィンドはいい感じの雲。そして内陸3000-4000ftにも雲。サンタモニカ空港は1200ft Scatteredから1000ft Broken IMCに。狙い通りだ。ここはTower Enroute IFRでの帰還だ。しかも先日体験した新しい長めのルート。とりあえず、機体に乗り込み、Ground Commスイッチをオンとし、GNS530Wだけの電源を入た。そして、先日の経験からTOA-SMO TEC IFRの予想されるルートを事前入力、メモリーに保存しておいた。そしてグランドにコンタクト、TEC IFR to SMOをリクエスト。Rwy29Rにタクシーし、ランナップでクリアランスをもらう。

Cleared to KSMO; after departure fly runway heading, intercept LAX170, LIMBO, V64, SLI, V8, POXKU, V363, BAYJY, V186, DARTS, Direct; 3000ft/6000ft 10min after departure; departure frequency 134,9; squawk 46XX

離陸待ちも短く、すぐにリリース。この日はクリアランス取得からATCを完全録音。気持ちよく離陸し、アップウィンドで雲の中へ。Socal departureへ繋がり、LAX170を待たずに左ターン。最初はClimb 5000ftと言われ、次にfly heading 210, amend altitude 4000ftとなる。雲の上で旋回し、さらにheading 130, そしてSocal 127.2へ。ここでheading 090 direct SLIと言われ、V64を飛ばずSLIからルートに乗ることに。SLIに到達前に6000ftへ到達。ここで2500rpm full throttle MP23inch、100度F Rich-of-peakでIAS162ktまで出た。外気温が57度Fだったので、TAS181ktとなった。Ground Speed184ktを記録。Fuel Consumptionは16.1GPH程度。この性能、S35ボナンザ素晴らしすぎ。6000ftでクルーズ開始してから、オートパイロットheading modeで飛んだ。GPS Navモードで飛んでもいいのだが、コース変更があるとheadingモードに戻さないといけないのが難点。案の定、SLI VORからV8へと移り、その途中でheading 020との指示。POXKUへ向かわず、V363 interceptするコース取り。さらにBAYJYもとばしてV186に行くかなと思ったが、ここはクリアランス通りの飛行。ここでは、なかなか次のSocal周波数と繋がらなかった。延々とクリアランス通りに飛び続ける。すると、次への周波数のハンドオフでやっとSocal Approachと会話成立。なんて怠惰な管制官。さほど忙しくもないのに。

辺りは日が暮れたような感じの暗さ。雲と雲の間を飛ぶ感じは気持ちがいい。SMO ATISは1000ft Brokenのまま、VOR-A Approachでも問題ない。DARTSまでもうすぐというところで、heading 160, 4000ftという指示。ここでスロットルを戻し始めるが、この降下指示では速度が出てしまう。さらに3000ftへの降下。ここでadditional 10 degree to the rightと管制官。IAS150ktくらいまで減速したところで、アプローチクリアランスが下りる。A mile from BEVEY, 220, maintain 3000ft until established clear for VOR-A approachと管制官。そしてちょっとovershoot気味になると、are you established?と厳しめのつっこみをもらった。降下からはずっとオートパイロットオフ、ハンドフライ。サンタモニカ管制塔へコンタクト。2000ft sloping down to 1000ft brokentとのこと。once airport insight cleared to landと管制塔。薄い雲だが、なんちゃってIMCなのでVFR機がおらず、いきなり着陸許可。ここでIAS145ktくらいでギアアップの状態。とても降下して空港に着陸できる速度と高度じゃない。ちょっとピッチアップし強引に減速、ランディングギアダウン、さらにスロットルをほぼアイドリングくらいまで戻すようなエンジンに良くない操縦。そして2000fpmくらいで急降下、BEVEYからステップダウンして雲を抜ける。下手したらmissedかな?と一瞬考えた。すると、雲はかなり薄く、目の前に空港を発見。Fwy405からフラップを出し、超綺麗な着陸となった。

ATCを録音したIFRフライトの動画

最初はちょっと否定的だったTECルート変更。でも、単純なTOA-SMOルートが飛びごたえのある楽しいものになり、趣味の飛行機乗りとしてはアリだなと思うようになった。全部レーダーベクターで飛ぶ以前のルートより、ナビゲーションが楽しい。


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4 コメント

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Unknown (鉄太郎)
2016-12-16 21:22:56
ご無沙汰しております。
鉄太郎です。
ブログ更新楽しみにしております。
動画拝見させていただきました。
コックピットから 景色まで綺麗に映っていますが
どのようにカメラを固定しているのでしょうか?
私も GoProを使って同じように撮影したいと思っていて 先日カメラは購入したのですが どのように固定しているのか教えていただければうれしいです。
お時間のある時に回答お願いいたします。
参考にさせていただいております (PA28)
2016-12-19 02:17:05
いつも楽しくブログを拝見させていただいておりますが、コメントは2回目となります。
現在、計器飛行の訓練をシカゴ郊外でしているのですが、ATC等とても参考になりました。特に今の時期は、寒すぎて飛べない事が多く、家でのイメージトレーニング用に繰り返し拝見させて頂いております。今後も新規動画を楽しみにしております。
宜しくお願いします。
Unknown (c2)
2016-12-19 03:35:50
>鉄太郎さん
GoProは自分の顔の真横に来るように、吸盤を使って取り付けています。(http://jp.shop.gopro.com/mounts/suction-cup/AUCMT-302.html) 自分の目線に近い広角映像が撮れますし、Headsetの音源を取りやすい位置ですよ。お試しください。

>PA28さん
シカゴですと小型機の冬のIMCフライトは大変でしょうね。南カリフォルニアの緩いwinter IMCとは次元の違う極寒の世界でしょう。自分自身の記録代わりのブログに記録のつもりでリンクしている自己満足動画です。少しでも参考になれば幸いです。
ありがとうございます。 (鉄太郎)
2016-12-19 13:27:56
早速 ありがとうございます。
試してみます。

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