団塊的“It's me”

コキロク(古稀+6歳)からコキシチ(古稀+7歳)への道草随筆 2週間ごとの月・水・金・火・木に更新。土日祭日休み

狭い日本、そんなに急いでどこへ行く

2017年06月28日 | Weblog

①    狭い日本、そんなに急いでどこへ行く  交通標語

②    こすぎ、やりすぎ、しゃべりすぎ  某小杉さん

③    この日、この空、この私  城山三郎      

①    日本人はせっかちである。休むこと遊ぶことを嫌う。フランスに留学した日本近代工学、土木工学の制度を確立した古市公威が下宿屋の主人が古市の体を心配して声をかけてくれた時、「僕が一日休むと、日本が一日遅れます」と言ったという。明治維新以降、多くの古市のような日本人が先進国へ行き学んだ。一日も早く後れを取り戻したい、との思いが勉学のエネルギーになったことは疑う余地がない。そのような偉人たちによって近代日本は築かれた。以前「2番ではいけないのですか」と言った国会議員がいた。多くの日本人はやるだけのことはして結果を一番にと願う。最初から2番でもいい、というふうには考えない。だから自分を自分の生活を犠牲にしてまで仕事や研究をする。私もそうだった。ある日本人がヨーロッパへ旅行してホテルに泊まろうとフロントの年輩女性に部屋を取れるかと尋ねた。何日と聞かれ1日と言った。彼女は「たった1日!」と驚き、怒るように「だから日本人は・・・」と言った。彼女の気持ちは、そこの観光をするなら見るところがたくさんあり、一週間居ても見切れないのち、日本人はコマネズミのように1泊すると言う。ヨーロッパのみならず、おそらく世界中に日本人のこの性急さは知られている。私もそれを自覚している。だからできるだけ気長に振舞うようにしている。歳をとるたびにせっかちさ短気さが増す。特に車の運転時は、人が変わったようになる。標語「狭い日本、そんなに急いでどこは行く」を頭で繰り返す。怒りには10数字を数えて抑え込む。私は無職のおじいさん、お先にどうぞ、追い越しされても奥歯を噛みしめる。道路のどこからでも斜めに横断しようとする同輩たちには、車を止めて渡り切るのを待つ。信号のない交差点は避ける。駐車場は一番遠い所に停める。疲れる。でもこうしているから今のところ逆走、つっこみ事故、暴走を回避できている。油断大敵、雨アラレ。

②    小杉さんという知人がいた。おしゃべりが好きで話し出すと止まらない。またこの人の話が面白いのでついつい聞いてしまう。この人の偉いのは、自分を自覚していることである。「こすぎ、やりすぎ、しゃべりすぎ」とこの人から言われると何も言えない。

③    日本には俳句、短歌、川柳など短い詩表現がある。その影響か語呂が良く韻まで踏む標語が多い。記憶力が子供の頃から良くない私でも覚えやすい。とても助かる。城山三郎「この日、この空、この私」。以前はこの意味が漠然として良く理解できなかった。古希を迎える身になって、私は毎日自然に「この日、この空、この私」と感じる。特に空が青いと散歩の途中、何度も青い空を見上げて「この日、この空、この私」と唱えてしまう。

 物忘れを楽しんでいる。そんな中、突然浮かび上がるのは、標語、ことわざ、格言である。パズルを解いていても言葉が出ない。出ないキーの数字に○をする。解答できると×をする。時間がかかる。浮遊するように言葉の世界を行ったり来たり。

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