Caroの住人たち~Caroどうぶつ病院のスタッフブログ~

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犬と猫の認知症

2015年12月04日 23時51分26秒 | 病気のお話

先月末、仕事終わりに動物行動学の勉強会(日本獣医生命科学大学の入交先生)に行ってきました。

会場が渋谷…

普段はまず行かない場所&診察後に行ったため、当然開始時刻の19時半には間に合わず…。

でも、後半の認知症(認知機能不全症候群)の講義には間に合いました。

 

認知症は、人と同様、高齢の犬や猫にも関りのある病気です。

人も動物も、昔より医療が発達し、寿命がのびてきております。

犬では、11-12歳の犬の28%、15-16歳の犬の約68%が1つ以上の認知機能障害がある…

猫では、11~14歳の猫の30%、15歳以上の猫の約50%に同様の兆候がある

という論文があるそうです。けっこう多いっ

 

認知症は、いわゆる正常な「老い」とは違い、立派な病気です。

脳が急激に委縮し、脳室が拡大し、神経細胞の数がどんどん減っていく病気です。

 

どんな症状があるのか?というと、

見当識障害…迷子、ドアの開く側がわからない

相互反応変化…いつもやっていた事が出来ない。お父さんを認識できず唸るなど

睡眠、行動の変化…夜泣き、徘徊

トイレトレーニングを忘れる…トイレに行くことを忘れる。トイレがわからなくなる。

活動性の変化…鬱。ずっと動き続ける。

など、人と似てますね。

 

治療法はあるのか???

残念ながら、多少の改善はありますが、完治はできません。進行を緩めて、互いのQOL(生活の質)を高めることを目標にします。

治療法は、大きく4つに分けられます。

 環境修正・・・動物にやさしい環境をつくる! 例としては、トイレを行きやすくする、足元に滑りどめマットをひく、家具の大移動は控える など

 行動修正…ストレスのない環境を作ってあげて、脳に刺激を与える

犬を叱らない、適度な運動、頭を使わせる遊び(穴を空けたカプセルの中にご飯を入れて、遊ばせながらご褒美を与える…など)、頻繁にトイレに行かせてあげる(人の場合も、事あるごとにトイレに行こうと声をかけるそうです)

 栄養療法…脳は酸化物質であるフリーラジカルに弱いっ

DHA(ドコサヒキサ・・・)、EPA(エイコタペンタ・・・)や抗酸化物質を多く含んだサプリを与える。

⇒市販の食事では、Hill’sのPRO健康ガードの「脳」という製品には、色々な栄養素が詰まっているのでお勧めです。

むかし同メーカーで、動物病院でのみ扱っていたb/dという製品があったのですが、その復刻版だそうです。

 薬物療法

いくつかのエビデンスのある薬が出てきているようですので、興味のある方は、サプリと一緒に試しても良いと思います。

また、人用の漢方(抑肝散)を動物に使用することもあるそうです。

 

認知症はごく初期に見つかれば、その進行をより緩やかにすることができます。

かなり進行した状態になると、人も動物もお互いに、ストレスを感じるような状況が生まれます。

普段から、今まででは起こらなかった何気ない変化に気づくことで、人と動物たちのQOLをより高めることができると思います。

動物をその命のある限り、最期の瞬間まで看てあげることは大切ですが、ご自分だけで背負ってしまうと、大変ですよね。

「この頃年とったかな~」と感じたら、まずはスタッフにお声掛けくださいネ。

 

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