Mi Aire

創作・詩・旅行記・エッセイの書棚

暖かな時間

2011-01-15 23:50:54 | エッセイ
広尾は外国人の多い街。いろいろな国の人が交差する。
駅を上がって目の前の信号を渡り、さらに向こう側へ渡るために歩道の端に近づくと、信号待ちをしている外国人のおじいちゃんと小さな男の子の姿が目に入ってきた。
体の大きな亜麻色の髪のおじいちゃんは孫の小さなカフェオレ色のダッフルコートのボタンを掛けながら目を細めて何か話している。
男の子はハーフなのか切れ長のスッキリした目をしている。でもどことなくおじいちゃんに似ていてとても可愛らしい。
信号が青に変わって2人は手をつないで仲良く横断歩道を渡って行った。
何かいい風景だなぁと私まで微笑ながら交差点を渡った。

仕事に行くまでにはまだ時間がある。スタバで本を読もうと明治屋の横のスタバへ。
コーヒーとシュガードーナツを注文してトレーにのせて2階に上がった。
本のページを繰りながらのんびりドーナツを食べていると、あれ?さっきの男の子だ!
カフェオレ色のダッフルコートにあのスッキリした目。
背の高い椅子に身軽によじ登って手を振る先に、私と同じシュガードーナツと飲み物の載ったトレーを持ったおじいちゃんの姿が見えた。
そして私の席に背を向ける席に座った。

ドーナツを切って子どもに食べさせている光景がなんだかいいな。
2人ともとても楽しそうで思わず目がいってしまうのだ。
2人の横顔を眺めながら私も2人と同じようにシュガードーナツを食べた。
当たり前のどこにでもあるようなシーン。
でも見ているだけで何だかこちらまで暖かな気持ちになれた。
姪たちが小さかった頃、父が孫を見る眼差しを思い出していた。

やがて2人は立ち上がって、また仲良く手をつないで行ってしまった。
あとに暖かな陽だまりのような空気を残して・・・。
私はその陽だまりの端っこで、何だか心をその暖かな空気で満たされて本を読み始めた。
カフェオレ色のダッフルコートのスッキリした目の男の子と同じ亜麻色の髪のおじいちゃん。またいつかどこかで会えたらいいな。
ジャンル:
その他
キーワード
いつかどこかで
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