goo

フランス語――音韻

前回にちょっと続き。


フランス語のフォノロジー(音韻)は……良い……


フランス語が音声面で有する魅力――これに関して何か述べたいのだが,書いてみると,結局(一人称)の個人的な嗜好を述べる以上のものではなく,ある程度の普遍性に通ずることなどはもとより,個別的には共感を得ることもそれほどは期待できないかもしれない……そのような事項を並べるとなったが以下の内容なのだが……


また,ひとつの言語の音韻はその全体の調和に向かって整合をとろうとしているのであろう――ということから,ここで述べようとすることは本来無意味な比較であり,むしろただ比較の対象にもってきた言語の話者ならびにその愛好者諸氏の気分を不躾にも侵害してしまう……そういう恐れが無視できないほどあることが自覚される故,(一人称)はこれらの方々に容赦のほどを願う。


しかし,それでもこんなことを書くのは,誰かが――(一人称)が――内容的には何かしら誰も書き記すことがなかったかもしれない事柄を,ネットにおいて巨大に蓄積される人類的文書の一端に加えること,それは無意味ではないと思うからなのだ……


ともあれ,これは(一人称)にとって,何がフランス語に惹かれる由となったのか――その一部を説明しもする。


状況としては,日本語ネイティブである(一人称)が,第一外国語として英語を学習した後,それと比較した場合にフランス語がどのような観点で知覚されたのか――ということが基本的な背景となる。


前置きはここ迄。



5つほど例をみていく。


その①――たとえば琥珀のamber(フランス語では少し綴りが変わってambre),またたとえばテンプル騎士団のtemple。これらは英語では――仮名で何とか音写を試みるなら――概ね「エァムバァ」「テムポゥ」(凄い字面であるが……)のように発音されよう。しかし,フランス語ではこれを「おーんブる」「とーんプル」……のように発音する(恐らくかなり無茶な音写であることはご容赦されたし)。


ここで学術的な,正確な発音記号を用いないのは,(一人称)がそれを自信ありげに扱うには,あまりにその仕組みを知らなすぎるという――そのことについて己を知っているからでもある。また,この文章での目的を果たすには,基本的に,フランス語についてこれまで関心を向けられることのなかった方々に対しては,発音の雰囲気さえ伝えられればそれで十分と思っているからでもある。――そのうえで……


この鼻母音によって,たぶん,少なくとも概念上,唇を僅かに一旦閉ざしおき,しかるのち両唇破裂音(日本語でいうとパ行とかバ行の音)で始まる別のシラブルが続く――このようなとき稀に感ずる,あの名状しがたい微かな不快感を抑えられるのだ……


②――また例えば嫉妬を意味するjealousy(フランス語ではjalousie)も,英語ならば「ヂェルスィ」と発音するところを「じゃルズィー」(これもまた無茶な音写であるとして,ご容赦を願う)と発音し……


これにより,jの綴りが示すこの音も,英語と異なり,舌を歯茎後部に触れさせることなく淡く発音することが許される……


③――それにまた,この音素の無声化であるもの(という表現で正しいのかは自信がない――それと,Wikipediaによると日本語では「チャ」「チュ」「チョ」の音がそれに「近い」という。同じだとばかり思っていたのだが),たとえば英語でいうならチェック(check)の語頭の子音――これについてもフランス語では「シェーク」(chèque)となる(語源は多分フランス語の方にあるのだろうが),そのことで……


ややもすれば鋭くなりすぎる音が,より柔らかみあるに置き換えられる。


④――また,たとえば英語で豹(複数)を表わすleopards(「レパーヅ」)…… ここにあるような語末の有声歯茎破擦音――(一人称)はなぜかこの音を少し好きに感じられない――もフランス語ではléopards(「レオパーる」)……語末の子音字なので発音されなくて済む。


より控えめではあるが,それでも時にきつく響くこともある音――すなわちこれの無声音(と言えば正しいのか?)にしても綴りと発音の関係は同様(arts――「アーツ」の「ツ」など。フランス語では「アーる」)。


またléopards-à-terreのような語(大地の豹たち――いま便宜的に考えた)であったとしても,リエゾンしたとき音は「レオパる・ザ・テーる」のようであって「ヅァ・テーる」ではあるまい(多分……よく知らないのであくまで多分)。


さいごに⑤――たとえばドイツ語でよく出てくる,(あくまで個人の感覚に過ぎないことは承知で)ちょっと重苦しい印象で,時には少し閊(つか)えるように聞こえることもある,un, umという音……これもフランス語では「あん」(音写無理)という軽やかな鼻母音になるのだ……


フランス語のこういうところが……(一人称)にとっては良い。


……以上。



ところで,フランス語も自然言語の宿命として,完璧なまでの純化がそこに観られるわけではない――たとえば,英語からの借用語(だと思う)であるbudget(予算)は,「ビュジェ」と読むのだと思っていたら,この辞書には発音は「ビュヂェ」(有声後部歯茎破擦音)として示されている……


また,ときには――「!?」と思う不思議な単語に遭遇することもある。一例はpourpre「プーるプる」(紫)。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« フランス語――... goo――語学――等... »
 
この記事のトラックバック Ping-URL
 
 
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。