さあ!ドアを開けよう♪ 女性軍師は今日もゆく。

企業研修講師&大学非常勤講師の日々徒然。
~ 貌言視聴思(ぼうげんしちょうし)~

レッツアンガーマネジメント!心のコップと、第一次感情の水 母の旅行編

2017年05月17日 08時30分01秒 | アンガーマネジメント
アンガーマネジメントでは、怒りは第2次感情である、という話をします。

怒りは、突然怒りとして出てくるのではなく、
怒りが生まれる仕組みがある、という考え方です。

心の中にコップがあるとイメージしてください。
ご機嫌なときには、空っぽのコップですが、
私たちが生活をしていると、なにかとちょっとしたイライラの水が溜まってきます。
その正体は、「心配」「不安」「嫌悪」「つらい」「苦しい」などといった
ネガティブな第1次感情の水です。
その水がコップからあふれると、「怒り」という第2次感情となって現われるという仕組み。

もちろん、大きなイライラのときには、一回であふれることもあります。


さて、私の母は、持病があって昨年は3度も入院していました。
それでなくても、弟や私が付き添って、定期的に病院で検査や診察をしてもらっている
後期高齢者です。
毎日の服薬管理に、義妹と弟と私が、実家に通って様子を見ています。

そんな母は、まだ一人暮らしですが、
友人がたくさんいて、外食が多くなったり、お出かけが多くて、
それはとても望ましいことで、おしゃべりもお出かけもしてもらったほうがいいのですが、
一方で、外食では持病に大敵な塩分を心配したり、お出かけで疲れないかと
気にかけていることもたしかです。

私の心のコップには、いつも「心配」の水が溜まっています。

仕事で忙しいときや、疲れているときは、もっといろいろな水が混ざって
溢れそうになることも。
逆に嬉しいことや、楽しいことがあると、水が減っていたりもするものです。


その母が、数か月前に「ちょっと旅行に行ってくる。南の島」などと言い出し・・・
飛行機に乗って何時間も・・・、持病に差しさわりが~~。
新幹線ならまだしも、飛行機に乗って、しかもアクティブに南の島?!

心のコップには、また多めの「心配」という第1次感情の水がチャプンチャプン溜まってきます。

「何言ってんの、また疲れが出てしまったら大変でしょう。残念だけど今回は断ってよね」
「そうねぇ、疲れがでちゃうわよねぇ、わかった。断るわ。」

なんて言っていますが、その言い方は断らないわね。(-_-;)
長年の付き合い、ちょっとしたニュアンスでバレますわよ。

娘の言うことは聞かなくても、息子の言うことは聞く(ことが多い)母なので、
弟に言いつけて(笑)、ちゃんと説得してよね、と。

それからは、尋ねると「断らないとね」とは言い、
早く断らないと他の人を誘えなくなるでしょ?と
念押しする何度かを経て・・・


先日電話をすると、なんと!
「明日から、行ってくるわね~♪」

「はぁ?断ってなかったの?」
(やっぱりか。ともどこかで思いつつ)← 最悪を想定できていると怒らなくて済むものです。
「うん、断らず。行ってくるわ」

言い出したら聞かない。。。ウソをついてでも行きたいわけね。。。


日ごろから、「心配」という水で一杯一杯になっている心のコップから
水があふれるのを感じながら、
(あ、今から怒るな、私)と自分の感情を見つつ、

アンガーマネジメントの暗号、その1。「6秒」
6秒待つの!(ブルゾン風)

アンガーマネジメントの暗号、その2。「三重丸」
「べき」は何? 許せるか、許せないか。
大きな持病を持ってるんだからおとなしくしておくべき。
ここは、許せないゾーン。怒らないと後悔する。

アンガーマネジメントの暗号、その3。「分かれ道」
コントロール可OR不可 の軸と、重要か重要でないか の2軸のマトリックスで考える。
母のことだから重要。
でも、コントロール不可。もう明朝出発だし。重要でコントロール不可。
ってことは、現状を受け入れ、現実的な対処方法を考える。
ここからは、『今から』のリスクを最小限にすることが、私のやること。

と、ここまで、瞬時に感情を整理して、


暗号その2。
まず、許せない・怒りますゾーンなので、怒っていることを理由とともに伝える。
(断ることを勧めたときにも言ったことですけど・・・。)
お母さんの体を心配していること。
乗り物の中でも、飛行機は気圧が変わるので、持病に影響があること。
キーワードの「せめて」新幹線なら、途中で降りることもできるけど、飛行機ってそれもできないんだから
よけいに心配だということ。
人に言われると断れない性格なので、無理をしてでも他の人と一緒に動こうとすることも心配であること。

「心配」なのよ、とにかく。← 第一次感情を伝える

「ごめんね、心配してくれてありがとう。でも、行ってくる。」

"(-""-)"頑固者~~~。
ま、わかってくれただけでヨシとする。


そして、暗号その3。
「変えられない」ゾーンなので、「今」からのリスクを最小限にする。
即、実家に行って、持病の薬と、就寝時に装着する機械を確認する。
「やっぱり、それ(機械)も持っていかないといけない?置いていこうかと思ってたんだけど」

やっぱりね。
そういうことだろうと思ってたわ。。。想定内だから腹も立たない(笑)。
↑ 最悪を想定できていると怒らなくて済むものです。


荷造りを手伝って、やれることはやったし
注意点や予想されることなど言うべきことも言えたので、
スッキリ後悔なく、「行ってらっしゃい」と送り出せました。


『衝動』のコントロールで、反射的な反応で後悔しないようにすること、
『思考』のコントロールで、自分が握っている「べき」は何か、それは必要かを考え、
許せるか許せないか、怒るか怒らないかを見極め、どこまでなら許せるのか、どこからは許せないのかを考える。
『行動』のコントロールで、2軸の4象限で何をすべきかを判断して行動に移す。

一連のアンガーマネジメントの方法を使ったことで、
ケンカすることなく、イヤな気分で旅行に行かせることもなく、必要な薬も機械も持たせて、
後悔を残すことなく行動できました。



とはいえ、旅行日程の間も、
心のコップの中には、「心配」「不安」の水がチャップンチャップンでした・・・が、
能天気な楽しげな声で「ただいま~~♪帰ってきたわよ」と電話が。。。

はぁ、やれやれ。。。
「お帰り~!楽しかった?」





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