新しい事



オーガニックのバルサミコ酢、ラベルが可愛くて1本買っておいたのですが、

どうやって使おうか、さっぱり思いつかなくてしばらく放置しておりました。

この酢、こっくりとしたまあるい酸味と甘味があるのです。

おとつい、豆腐のソテーのソースに、醤油と生姜のしぼり汁・・・・うーん、あと何か

ちょっぴりと欲しいけど・・・・んっ!!・・・・バルサミコ酢を小さじ半分、どうか

な?・・・と、ひらめいてやってみましたところ、うわーーーいっ!!! 成功!!

いつもの和の味の奥に、ほんの少し甘味とまろやかな酸味が感じられます。

おいしいです。これが、世間で言うところの ” 隠し味 ” なんですか?

どうなのかしら? 隠し味っていうのは、もっともっと繊細なもののような気もするが、

大きくいうと、私のこのバルサミコ酢的な味作りも ” 隠し味 ” というものの仲間なの

でしょうか? だったとしたら、イヤッホーーーッ! 生まれて初めて隠し味作りに成功

したのですなあ、いやあ、嬉しい♪ マジで ( あ、マジで、っていうの息子に禁止令

を出していたんだった )!

バルサミコ酢から広がった料理の楽しさ、が最近私が手に入れた、新しいものです。







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かふぇてりあ



ある時、息子 ( 6歳 ) が、

「 ねえ、ぼくねえ、カフェテリアに行きたい。 」 

というではありませんか。

” カフェテリア ”・・・・ どこで覚えてきたのか、カフェテリア。

” カフェ ” だけではなく、” テリア ” がつくので笑いましたが、彼は大いに

真面目なので、了解しました ( 今までだって連れて行ったことあったんだけどなあ・・

小さかったから覚えていないか・・・ )。

さて、改めて ” カフェテリア ” 、その週の休日は、街中まで出かける元気がなかっ

たので、地元のダイエー1階のパン屋さんの「 ドングリ ( ちくわパンで有名な ) 」 
の店内のカフェコーナーへ。

 

まず、トレーとトングを持ってパンを選ぶ。

混んでいるパン屋さんでパンを選んでトングでトレーにのせる、ただそれだけなのに

チャカしい6歳男児と一緒ですと、これがかなりエキサイティング!!

「 あー、ほらほらトレーに触るとパンが落っこちるっ! 」

「 うわあ〜、ちゃんと挟んでっ!! パン床に落ちるよー 」

「 静かにね、 ほかのお客さんにぶつかるよ! 」

「 スミマセン ( 横にいた女性に謝る ) 」 e.t.c. ,,,,

あんぱんまんパン ( 顔にチョコクリーム入り )と、クロワッサンと、苺チョコがけの

ドーナッツ ( ウヘっ! )、ベーグルなんぞをトレーになんとかのせて、キャッシャー

へ。カフェコーナー希望を伝へ、飲み物選び。息子はココア一本やりですので、ココア

と紅茶をお願いしました。

パン選びも満足 ( なんたって、初めて食べるチョコパンです、しかもアンパンマンの顔

の! + 家では出てこない大好きココア )し、折りよく日当たりの良いテーブルも空

いていて、いざっ いっただーきまーーーすっ!!

アンパンマンの顔はあっという間に跡形もなく、クロワッサンの皮の破片をそこいら中に

撒き散らして、ついでに口の周りのココアにもびっしりとくっつけて、クロワッサンも

苺ドーナツもたいらげて、ココアを飲み干し、とっても幸せな顔の息子なのでした。

以来、地元でカフェテリア、とは 「 ドングリカフェ 」 。

なんとも気軽、でもなんとなく、微妙・・・。


テーブルにパンくずを撒き散らかさなくなったなら、

お水のグラスをひっくり返しそうでハラハラしなくても大丈夫になったなら、

次なるステージ、料理屋デビューできるかな? 

横に座ってる私だって、ハレの日のテーブルをゆっくりと楽しみたいですものねえ。











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2013年3月8日 金曜日。



シモーヌ・ド・ボーヴォワールの自伝 『 娘時代 』 を読み始め、亀の歩みのスピード

ではありましたが、もう少しで読み終えるところです。

予備知識ゼロに近い状態で読み始めました。

ボーヴォワール女史といえば、ジャン・ポール・サルトルがセットで、二人は世紀の恋人

同士で、くらいは知ってるけれど、一体彼ら、特にボーヴォワールさんってどういう人で

どういうことをなさった方なのか、よくは知らなかったのですが、

どうやらこの自伝、全て読むことになりそうなので、徐々に全貌が明らかになると思い

ます。 といいますのも、この自伝、『 娘時代 』 の次に 『 女ざかり 』 の上下巻、

『 ある戦後 』 上下巻、と続くわけなのです。( もうアマゾンに頼んじゃった )

『 娘時代 』 339ページの二段組、小さな活字でびっしり! 老眼スタートの私にとっ

て、結構辛い体裁の本でして、これがあと4冊あるとなると、読了は一体いつ??

というものですが、そんな過酷さを押してでも、読みたいと思わせる中身の濃さ。

読者は、読み進めることで、稀代のインテリジェンスの形成過程をつぶさに追ってゆく

ことができ、かつ人間形成に立ち会うことになるのです。

家族のこと、家庭のこと、宗教、信仰のこと、階級のこと、自然と神、文学、哲学、勉

強、學校、友情、恋愛、男女・・・・・一人の若く元気で健康で野心いっぱいの女の回想

は真摯さに貫かれ、また、細やかな記憶とその質と量に圧倒されます。

シモーヌは今二十歳で、ソルボンヌ大学で飛び級を目指して猛勉強中、学びっぷも

凄いです。そして、もうすぐサルトルと出会うようです。

ああ、今日も帰りの地下鉄、座れるといいなあ・・・・荷物を膝に、さあ続きを!!
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2013年3月3日 日曜日。



昨日の猛吹雪、犠牲者がでてしまいました。

辛い気持ちですね。

札幌でさえ、凄まじい強風、凍てついた路面に歩き進むのさえ困難で、

風の強さと音に恐怖すら感じました。

巻き込まれてしまって身動きがとれず、どれほど恐ろしかったことでしょう、

どれほど寒かったことでしょう・・・。

春の嵐というには、あまりに激しすぎましたが、これが自然の威力・・・・。




本日のお弁当

■ 玄米ごはん + ブロッコリーの茎の醤油漬け + 大根粕漬け

■ 小松菜と粒マスタードの餃子

■ 豆苗と揚げの塩炒め

■ 長芋の千切り・梅酢がけ

■ 蒸しカボチャ


以上です。

小松菜と粒マスタードの餃子、というのは、先週から気に入って作っておりまして、

今井洋子さんのお弁当の本に載っていたとっても簡単でオイシイ!!のです。


小松菜をざっくりと刻んで塩をふっておきます。

餃子の皮に、お気に入りの粒マスタードを塗ります。

その上に、塩をしておいた小松菜をのせて、丸く包みます。

たっぷりめの菜種油をひいたフライパンで両面をこんがりと焼きます。



たったこれだけなのですが、マスタードのほのかな酸味、小松菜の歯ごたえと色、

油っけがミックス、おかず、おつまみ、おやつ、いろいろいけますです。

また、最近長芋がおいしくて、青のりをふりかけたり、フライにしたり、摺りおろしたり

しては、シャリショリとした食感と、真っ白い色を楽しんでいるのです。

食後の番茶をすすりつつ、まだ降り止まぬ雪の今日も一日、しっかりと仕事しよう!


そうそう、そして今日は雛祭り、ですね。

息子が保育園で作った、牛乳パックをうまく使ったお雛様を飾っています。

きのう弟のヨメのゆみちゃんがこしらえてくれたちらし寿司を、

今朝は焼き海苔で巻いて手巻き寿司風にして食べてきました。

サヤインゲン、シソ、錦糸卵、れんこんに筍、しいたけ、人参、ゴマがたっぷりと混ぜ

込んであり、春らしさいっぱいです。

嬉しく美味しいちらし寿司で、午前中にて私の雛祭りは完了!!

・・・・と思いきや、先程高校の同級生で35年来の友達R子が来店、お花の蕾のような

仕上げをした桜餅を差し入れてくれまして、ひな祭り感がさらにアップ。

お互いに無事50歳になったことを祝い合い、近況をおしゃべりしつつ、幼馴染って

なんて有難いのかしら、と心の中でしみじみしました。

そんな、3月のはじめです。











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くるみわり人形




昨年の12月はじめころに購入してそのまま置いてあったこの絵本を、息子が発見し、

「 この本なに? これ読んで! 」と私のもとにもってきたのがクリスマス・イヴの夜。

おお、なんという素敵なタイミング!!

E.T.A.ホフマン作 モーリス・センダック絵 『 くるみわり人形 』 です。

チャイコフスキーの音楽で有名なバレエ 『 くるみ割り人形 』 の原作です。

バレエ版と原作は、かなり違っています。


センダック曰く 「 ホフマンの原作から危険なほど離れたもの 」 であるバレエ版の

台本は、1891年ペテルブルグの国立マリンスキー劇場の舞台監督イワン・アレクサンドロ

ヴィッチ・ウセヴォロイスキーと振り付け師マリウス・プチバの二人が、アレクサンド

ル・デュマが原作取りしたフランス語版 『 ニュルンベルグのくるみわり人形ペール 』

を原本として脚色したものでした。

それは、洗練されたデュマ版をさらにステージ向けに簡略化したものであり、

「 原作に名作のふんい気を与えている摩訶不思議と暗黒な要素をも、消し去って 」 い

たのですが、バレエ作品としては、華やかな見所いっぱいのファンタスティックなもの

に仕上がっており、チャイコフスキーの音楽の素晴らしさと相まって、クリスマスシーズ

ンには欠かせない人気公演として受け継がれ、定着して今に至っているのです。



1981年に、パシフィック・ノースウエスト・バレー団の美術監督ケント・ストーウェル

より 「 くるみわり人形 」 の舞台デザインを依頼されたモーリス・センダックが、

1983年にニューズウィーク誌に、 「 この数年来、バレエ界でめったにみられない見事な

演出 」 と激賞された初公演に漕ぎ着けるまでに、この原作乖離の難問をいかに掘り下

げ、調べ上げ、原作者E.T.A.ホフマンの精神を舞台に蘇らせるべく追求していったか?

センダック自身がそのひとつひとつの過程を綴った、序章の素晴らしい文章。

私がこの本を手に入れ、ぜひとも読もうと思ったきっかけとなったセンダック著 『 絵本

論 』 から続く、子供のためのお話・本に対するセンダックの明確で揺ぎのない姿勢を

貫き伝えて、深く感動します。

本来、原作のタイトルは 『 くるみ割り人形とねずみの王様 』 なのですが、センダック

演出のバレエ 『 くるみわり人形 』 を絵本化 ( バレエのための舞台デザインと衣装と

絵本のために新たに描いたイラストで構成 ) したものなので、タイトルはバレエ版に

合わせているようです。



1800年代初頭のドイツの裕福な医者の家庭であるシュタールバウム家のクリスマスイヴの

夕暮れ時に物語が始まります。

主人公は、バレエではクララですが、原作ではマリー。

マリーは、不思議を見たり感じたりでき、実際に体験します。くるみ割り人形と一緒に。

大人はマリーがどんなに一生懸命に、真剣に自分が体験した夜中の出来事を伝えようとし

ても、全く理解できないどころか、そんなマリーを心配し、不安がり、不気味がり、

認めず、許しません。

兄のフリッツももうすでに半ば大人化していて、マリーと同じく持っていたはずの能力は

失われつつあり、マリーに冷たく接するのです。

幻想と現実が交差し、まるで夢から覚めているのか、まだ眠りの中なのか朦朧とした物語

は、子供から少女へと移りつつあるマリーそのものです。

ホフマンは、特別な子供マリーを、「 きらめくクリスマスの森と、すきとおったマジパ

ン城のある 」 人形の国に閉じ込めます。マリーの優しい想いにより元の若者の姿に戻っ

た人形の国の王様・くるみ割り人形の王妃として。



19世紀のヨーロッパの裕福な家庭の雰囲気、宗教観、品のある言葉遣いなどは、このよう

な古典を読む醍醐味でしょうし、

「 背は低くてやせっぽち、顔はしわだらけで、右目には、大きな黒い眼帯をかけていま

した。そして、頭はつるっぱげなので、本物そっくりの、見事なガラス細工のかつらを

かぶっていました。」 という描写の、マリーの名付け親・判事のドロッセルマイヤー

おじさん、いやらしいねずみの大軍と、見るもおそろしい七つ頭のねずみの王さま、

自称 「 マウゾリア王国の王妃 」 ねずみのマウゼリンクス夫人、カラクトゥークという

固いくるみ、などなど、幻想を盛り上げる登場人物や小物を散りばめ、複雑に交差する

物語構成は、原作が持つ力をじっくりと感じさせ、味わわせ、唸ります。

この力はなんなのでしょうか? この厚みは?

子供向けに書かれていても、ホフマンは、子供の持つ感覚を決して甘くは見ていない。

幻想性、恐ろしさ、美しさ、不思議さ、どれをとっても子供は一流であることを欲し、

理解し、味わい、瞬時に批評するということをわきまえているのです。

だからこそ、センダックが腰を上げたのです。

決して短くはないこのお話ですが、六夜連続で 「 はやく続きをよんで! 『 くるみ

わり人形 』 を読んでっ!! 」 と布団に私を引っ張り込んだ息子がいました。

子供を惹きつけてやまない独特の魔力溢れるストーリーに、センダックが絵をつけている

のです。その豪華さ!!

このことだけで、私の去年のクリスマスは大いに満足でした。それだけでいい、って程。



子供が6歳くらいになると、今までの絵本と同時進行で、少し字の多い、でも挿絵も

しっかりと寄り添っている物語も楽しめるようになってくるんですね ( あ、読んでやっ

て、でのことデス )。

今がちょうどその時期に入っている息子には、まだまだ読んでやれる距離にいるうちに

なるべくこのような素晴らしい古典を選んで、毎晩のスリーピングストーリーとして

親子で味わいたいな、と思っています。





  

















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