奥様的部屋

主婦の独り言&映画や本の話もちょこちょこ(ネタバレあり)

嫌われ松子の一生

2007-05-01 20:51:52 | 映画など_いろいろ


やられっぱなし
嫌われ松子の一生

予告を観て、
どっかで観たコノ感じ・・・」と思っていたら、「下妻物語」と同じ監督だった
納得!

「下妻物語」といえば、友情とか成長とか義理とか・・・・そんなベタな内容を派手な色彩と無茶寸前の演出で勢い良く描き、一気に大好きになり、鑑賞後しばらく人に勧めまくった記憶がある

で、この作品
内容ははっきり言って暗い
まるでお昼のメロドラマのような、波乱に満ちた女性の苦労人生
盗み、不倫、トルコ、殺人、ヤクザ女・・・・・等々・・・・
原作は読んでいないけれど、恐らく陰気な物語じゃないか、と思う

ところが、(恐らく文字では伝えられない)映像と音楽の圧倒的なパワーで随所にかわいらしささえ感じられるミュージカル作品になっている

自分から進んで不幸な道を選んでいるかのような松子には、はっきり言って同情できないし、悲惨な最期はある意味"仕方ないね"と言いたくなる

それでも、父親の関心を惹く為にヘンな顔をしてみせたり(しかも、それがいつしかクセになってしまったり)、自分を待っている筈の人の為に美容師の資格を取ったり、愛人の暴力を友人に隠そうとしたり、という見ていられないほどのひたむきさや、どんなに人から裏切られても、決して自分から男を裏切ることのなかった彼女の生き様は、「哀れだね」と切り捨てることはできない

どんなにド派手な演出でも、そんな彼女のひたむきさや心の裏側もしっかり描かれていたから、"仕方ないね"と思いつつも、天国の階段を昇って行く松子に
これでやっと穏やかになれるね、よかったね」と声を掛けたくなる

なんていうと、ちょっと大袈裟だけど、どうしようも無い女の悲惨な最期でありながら、ラストにはなぜか胸がじ~んとして大きなため息が出てしまった

映像や音楽にばかり目が行きがちだけれど、この悲惨な物語をここまでパワフルにテンポ良く、そして「ダメ女松子」を憎み切れない女性に描き上げだのは凄いことだと思う

★おまけ
  下妻物語の水野晴郎に続き、片平なぎさの起用には参った!!!!
 
★おまけ2
  とにかく、たくさんの有名人が出ているけれど、誰も彼も
  "この人しかいないでしょう”という見事な配役(それも見た目が)
  歯がキラリ教師の谷原章介とか、売れない作家のクドカンとか、
  ヒモの武田真治とか、頑固な弟の香川照之とか・・・・・
  なんだか思い出したら笑えて来ちゃった

(2007/4/24 DVD)

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