信じれば真実、疑えば妄想…

季節は巡り、繰り返しと積み重ねの日々に、
小さな希望と少しの刺激で、
今を楽しく、これからも楽しく

妄想劇場・特別編・ ニュースの深層

2016年10月17日 | 妄想劇場

妄想劇場・特別編

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、今日という日はプレゼント
明日という日はミステリ


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誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。


ニュースの深層・知られざるヒストリー

カラオケ市場は伸びているが…
なぜ「シダックス」だけが大量閉店に追い込まれたのか?


カラオケチェーン大手のシダックスが大量閉店に追い込まれている。
カラオケ市場の拡大と共に急成長した同社が苦境に
あえぐ理由はどこにあるのか?

社員食堂からビジネスをスタートさせたシダックスは、
食事メニューの豊富さで人気を集め、ここで稼ぐ構造になっていた。
しかし、カラオケ利用者の客層が変化する中、この同社の強みが
逆に足かせとなってしまったようなのだ。

シダックスは今年8月、一気に44店舗の閉鎖を断行した。その中には、
本社でもある渋谷の旗艦店「渋谷シダックスビレッジクラブ」も含まれる。

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これまで全国で約270店舗を展開していたが、
9月以降は190店舗というスリムな体制になる。

ここ数年、同社のカラオケ事業は厳しい状況が続いてきた。
2016年3月期のカラオケ事業の売上高は前期比17.4%減の
301億5,500万円、部門損失は21億4,400万円に達している。

赤字に転落したのは前期からだが、売上低迷はかなり前から
顕著であった。5年前の2011年3月期の売上高は480億円もあったので、
5年間で4割近くの売上げを失った計算になる。

なぜ、ここまで急激に売り上げが減少したのか?

大量閉店と聞くと、「市場縮小」というキーワードがまず
思い浮かぶだろう。しかしシダックスの場合はそうではない。

カラオケ市場は絶好調とは言えないまでも、利用者数は
少しずつ増加が続いており、まずまずの環境が続いている。
全国カラオケ事業者協会によると、カラオケ人口は
2015年時点において4750万人となっており、過去5年で
100万人ほど増えた。
またカラオケ事業者が提供するカラオケルーム数も
増加が続いている。

カラオケ業界の最大手(店舗数)は「ビッグエコー」を展開する第一興商、
業界2位は「まねきねこ」を展開するコシダカホールディングス、
第3位は「バンバン」を展開するシン・コーポレーションとなっており、
シダックスは業界4位の企業である。

第一興商のカラオケ事業(飲食事業除く)の売上高は
前期比10.2%増、コシダカホールディングスのカラオケ事業
(飲食事業含む)の売上高も前期比19.8%増と好調だ。
どうやらシダックスだけが一人負けしている状況なのだ。

顧客層が変わってきた

市場が伸びる中、シダックスだけが失速しているのは、
同社のビジネスモデルに大きな原因がある。
具体的に言えば、「飲食依存度」の高さに原因がある。
シダックスのカラオケ店舗における1日あたりの売上高は
約30万円だが、まねきねこやバンバンは
12万円から15万円とかなり安い。

シダックスは店舗数では業界4位だが、売上高では
第一興商に次いで業界2位となる。
シダックスは出店に際して、ロードサイド店舗の場合は700坪以上、
繁華街型の店舗の場合には300坪以上の大型物件を狙ってきた。
これは飲食込みで1店舗あたりの売上高を大きくすることを
前提にしているからだ。

これに対して他の3社は、数十坪の物件でも条件が合えば積極的に
出店を行ってきた。まねきねこやバンバンにいたっては、
居抜き(以前、別のカラオケ事業者が運営していた店舗を
そのままの状態で借りること)での出店にも積極的で、
店舗によっては飲食物の持ち込みも可となっている。

飲み物や食事の提供は利益の源泉であり、ホンネでは
どのカラオケ事業者も飲食を積極的に展開したいと
思っている。しかし、一部の事業者が持ち込みまで可としているのは、
飲食を提供するための設備投資が嵩むことや
人件費がかかることが直接的な理由としてあるのだが、
それ以外にもカラオケの顧客層が大きく変わってきたことに
原因がある。

「1人カラオケ」ブームへの対応

かつてカラオケ店は、学生や会社の宴会用途に使われることが
多かった。広めの部屋と豊富な飲食メニューを用意することは
顧客のニーズにマッチしていたのである。
シダックスはこうしたニーズをうまく取り込むことで成長した。

ところが現在ではこうした目的で使われるケースは以前に比べて
少なくなっている。ライフスタイルの多様化に伴って、
大規模な宴会を行う職場が減り、学生も景気の悪化などによって
自由に使えるお金が減ったため、大勢集まって
カラオケで大騒ぎしている余裕がなくなったのだ。

だが、カラオケそのものに対するニーズがなくなったわけではない。
最近ブームになっているのは、1人カラオケである。
文字通り1人でカラオケを楽しむことだが、各店舗とも、
1人カラオケ料金を設定したり、コシダカのように
1人カラオケ専用の店舗を積極的に展開したりしているところもある。

1人カラオケの場合、宴会のように大量の食事や飲み物を
オーダーするケースは少ない。
ただ黙々と好きな歌を歌い続けるだけだ。
このため、客単価が安い分、客数を増やす努力をしなければ、
利益を上げることは難しい。

だが、カラオケ事業には物件の広さという制限があり、
いくら単価を安くしても、一定以上の利用者を入店させることはできない。
安い単価で利益を出すためには、同時に低コスト化を徹底的に
進めていく必要がある。

1人カラオケ専用の部屋は非常に狭く、ヘッドホンを装着して
楽しむスタイルのところが多い。これには、利用者により深く
カラオケを楽しんでもらうという意図もあるが、
同時に店舗コストを大幅に削減できるメリットもある。

例えば、コシダカの1人カラオケ専門店「ワンカラ」南池袋店では、
平日の場合30分450円でカラオケが楽しめる
(別途、ヘッドホンレンタル料金300円が必要)。
平日限定で「朝うた料金」も設定されており、こちらは
30分300円とさらに安い。

基本的にすべてのプランにドリンクバーが付いており、飲み物は
タダだ。30分で店を出れば、喫茶店でコーヒーを飲むのと変わらない
程度の金額で飲み物が飲めてカラオケまで歌えるわけだ。

なぜ「シダックス」だけが大量閉店に追い込まれたのか?

事業展開の2つの方法

シダックスにも1人カラオケの利用者はたくさん訪れており、
同社もこうしたニーズはよく理解していたはずである。
ただ同社のWebサイトには、「お一人様カラオケ料金は、
通常のご案内と異なります」との案内があり、
店舗ごとに対応はバラバラだったようである。

もともと、多人数での利用を想定した店舗戦略だったことから、
会社全体としての対応が遅れてしまった感は否めない。
ここに不振の元凶がある。

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 シダックスが食事メニューに
 こだわり過ぎてしまったのか?


 その理由は明白である。
 今でこそカラオケチェーンとしての
 イメージが強い同社だが、
 もともとは社員食堂の
 請負事業で成長した会社だった。




意外に知られていないが、現在でも
売上高の多くは、食堂運営、病院給食などが占めている。

カラオケ事業も、給食事業の延長線上でスタートしており、
食事を提供することが大前提だった。
宴会需要が多かった時代はこれがうまく作用したが、
今となっては、これまでの強みが逆に足かせになってしまった。

企業がある事業分野で成功した後、どのように事業展開を
していくのかについては2つの方向性がある。

一般的なのは、事業の「水平展開」である。
同じ事業を異なる顧客層に展開するというもので、
社員食堂からスタートしたシダックスが病院給食に進出するというのは
典型的な水平展開ということになる。

もうひとつは、ひとつの事業を核に「垂直方向」に事業を
展開するというやり方だ。
例えばハウスメーカーの大和ハウスは、M&Aなどを通じて
デベロッパー業務に進出しており、現在ではメーカーというより
デベロッパーとしての色彩が濃い。

本来、ハウスメーカーはデベロッパーから注文を受けて家を提供する
仕事だが、同社は発注者の事業領域もカバーしていることになる。

シダックス再浮上のカギ

シダックスも元々の本業である給食事業者として見れば、
カラオケ事業者はむしろ顧客となる業界だが、
自らもカラオケ施設の運営に乗り出すことで、
両方で利益を出すことが可能となった。

第一興商も本業はカラオケ装置のメーカーなので、自ら、顧客である
カラオケ店の事業を行っていることになる。
特に第一興商について言えば、店舗に必要な設備を
自前で調達できるため、出店コストを安く抑えられる可能性が高く、
その分だけ競争力が増すのは大きなメリットと言えるだろう。

ただ、こうした垂直分野への進出はリスクも大きい。
例えばデベロッパーとハウスメーカーは、発注者と受注者であり、
本来であれば利益が相反する関係である。

給食事業者とカラオケ事業者も同じで、カラオケ事業者としては
できるだけ安く食材を調達したいが、給食事業者としては
できるだけ高く食材を売りたいというのが、基本的なスタンスだ。

お互いの立場が違っても、市場全体が伸びている間は
両方の事業で利益を拡大できるので垂直戦略はうまく機能する。
ところが、市場の伸びが鈍化した時には、すべて逆回転になってしまう。
最終的にはどちらかを犠牲にするという厳しい
選択を迫られるだろう。

シダックスの場合はどうだったのか?

普通に考えれば本業である給食事業を優先する道を
選びそうなものなのだが、現実はそれができなかった。
カラオケ事業の企業イメージが強くなりすぎてしまったのだろう。

結果、どっちつかずの状態に陥り、気がついたときには
両者が足を引っ張り合うという最悪の結果に陥ってしまった。
大量閉店はまさにその矛盾の現れなのだ。

これからのシダックスはどうなっていくのか?

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 カギは同社が持つDNAを

 発揮できるかどうかに

 かかっているだろう。


シダックスの創業者である志太勤氏は、ベンチャー・ビジネスの
世界では非常に有名な人物である。
日本ニュービジネス協議会の会長として、ベンチャー企業や
中小企業に対する支援を強化するよう積極的に政治に
働きかけたことでも知られている。

同社はベンチャースピリッツに溢れた企業だったはずだが、
それでも時代の変化に対応し、垂直戦略を見直すのは
容易ではなかったようだ。

ただ、同社は一連の大量閉店でリストラには区切りが付いたとしており、
来期以降、業績の底上げを目指すといっている。
言葉通りの行動を取れるのか。すべては同社にベンチャー企業としての
底力が残っているかどうかにかかっている。

Author :経済評論家・加谷 珪一

 

こうして、こうすりゃ、こうなるものと、
  知りつつ、こうして、こうなった


歌は心の走馬灯、歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…


「献身 山口かおる」

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時は絶えず流れ、今、微笑む花も、明日には枯れる



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