信じれば真実、疑えば妄想…

季節は巡り、繰り返しと積み重ねの日々に、
小さな希望と少しの刺激で、
今を楽しく、これからも楽しく

妄想劇場・漢の韓信-(161)策略…

2017年02月13日 | 妄想劇場

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昨日という日は歴史、今日という日はプレゼント
 明日という日はミステリー


メジャーでは無いけど、 こんな小説あっても、
 良いかな・・・



アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい

Kansin

 

漢の韓信-(161)策略…

皇帝は国中に喪を発し、諸侯や列侯は皆、長安に
召し出されることとなった。 が、陳豨は病気と称して
これを無視した。それでも皇帝は動かなかった。
よほど陳豨を信頼していたのだろう。  

思っていた以上に、なかなか動かんな。
気の短い陛下なら、あるいはと思ったのだが……。
陛下の鋭気が衰えたか。しかし……機は熟した。  
そう考えた韓信は、ついに使者を通して陳豨に
指令を出す。

その指示は短かったが、的確に要旨を伝えていた。
「代王を称し、趙に侵攻せよ!」  
趙は、韓信にとって思い入れのある土地である。  
兵に背水の陣を敷かせ、その結果陳余を斬り、
趙歇を捕らえた。

李左車に師事し、張耳を王に据えた。  
その功績で名をあげた土地であったと同時に、
邯鄲での住民虐殺の罪でカムジンを死罪に処したという
苦い経験もしている。良くも悪くも思い出深い地であった。  

前年(紀元前一九八年)、その趙の地である政変が
起こっている。当時の趙の国王は張耳の子にあたる
張敖ちょうごうであったが、その張敖が列侯に
落とされたのであった。  

きっかけは趙のある大臣が皇帝の弑逆を企み、
それが発覚したことである。臣下の罪は主君の罪と
考えれば、この処置は妥当であった。
だが皇帝が張敖の後釜として、またもや劉姓の者を
王位に就けたことは、韓信にとって
気に入らないことであった。  

そもそも張敖は、劉邦の娘である魯元公主
(魯を名目的な領地として与えられた皇帝の長女の意)を
妻としており、これは劉邦が彭城を脱出する際に
車から捨てられ、何度も夏侯嬰に拾い上げられた人物である。  

投げ捨てたりしたことを考えれば、劉邦の娘に対する
情は薄かったとも考えられるが、なんといっても皇族である
彼女を妻にした張敖の地位は保証されたものと思われていた。

ところが弑逆計画に張敖が実際にはなにひとつ関わって
いないことが立証されても、皇帝は彼を復位させようと
しなかったのである。  

韓信にとってこの事件はいまいましいことではあったが、
逆に好都合でもあった。  
あらたに趙王に据えられた劉如意りゅうじょい
(戚夫人の子。庶子である)は活発な性格であったとされるが、
目立った軍功はない。そのため趙で叛乱が起きても
うまく対処できず、その結果皇帝である劉邦自身が
鎮圧に動く、と読んだのである。  

そして、事実そのとおりになった。  
陳豨叛乱の報告を受けた皇帝は、親征の意を表明し、
諸将に命じて征旅の準備をさせたのである。  
いよいよその時が来た。  韓信は側近の者を集め、
ついにその胸の内を明かした。

「諸君、陳豨が北の地で叛乱を起こし、皇帝の意に
背いたことは知ってのとおりだ。皇帝は自らこれを
鎮圧するつもりで諸将に従軍を命じている。……
この私にも征旅を共にするよう、先ほど命令が
届いたばかりだ」  

この時期の韓信の側近たちの大半は、かつて
親衛隊として戦地を戦い抜いてきた者たちであった。  
彼らは久しぶりの出征とあって、わき起こる興奮を
隠しきれず、それぞれに歓喜の表情をした。
「謀反人の陳豨を我らの手で捕らえれば、皇帝に
淮陰侯の力をあらためて示す良い機会となることでしょう。
腕が鳴る、とはこのことですな!」

「淮陰侯がちょっと本気を出せば、敵う相手など
天下にはいない。皇帝の腰巾着に過ぎぬ将軍どもに
いつまでもでかい面をさせておけるものか!」  
彼らの言う将軍とは、夏侯嬰や樊噲、周勃など
旗揚げ以来の古参の将軍たちをさす。

彼らもと親衛隊の側近たちは、やはり一様に不満を
感じていたのだった。  しかし歓喜に沸く一座の中で
、ただ一人韓信だけは白けた表情のままであった。
ひとしきり側近たちが喚き散らすのを静観し、
それが落ち着いたころ、彼はあっさりと言い放った。

「諸君らの気持ちはよくわかった。しかし、私は
このたびの征旅には随行しない。病気を称して
長安に留まるつもりだ」

「え……?」  一同は皆あっけにとられた。
「失礼ながら……それでは淮陰侯の名誉を回復する
機会が失われてしまいます。どうかお考え直しください」  
側近の一人の言葉に韓信は答えた。

「名誉か。皇帝のご機嫌をうかがい、その一挙手一投足に
怯えながら日々を暮らす生活が名誉だというのなら、
そんなものはこちらから願い下げる。
事実、諸侯王としての生活はそういうものだ。

率直に言おう……。皇帝は諸将を連れて趙へ親征する。
その隙をうかがい、私は居城の長楽宮を
襲撃するつもりなのだ」  

韓信のそのひとことに、側近たちは目を丸くした。  
これは……淮陰侯の朝廷転覆の計画だ!
「そもそも名誉とは、人から与えられるものではない。
私はそれを自ら手中にするため、行動を起こそうと思う。

つまり長楽宮に侵入し、呂后と太子を捕らえて人質とし、
皇帝を決戦の場に引きずり出す……
私の勝手な判断だが、異存のある者はいるか? 
いれば今のうちに申し出よ。
賛同できぬ者に仔細を詳しく語ることは出来ない」  

韓信の口調は穏やかではあったが、それでいて
断固としたものだった。  
側近たちは韓信の決意を聞いた以上、実際には
賛同できないとは言えない。
言えば秘密保持のために斬られるか、少なくとも
獄に入れられるからである。  

韓信は静かに目で訴えているのであった。
私と行動をともにせよ、と。   ・・・
・・・

つづく

Author :紀之沢直樹 (野沢直樹)
http://kinozawanaosi.com
http://mypage.syosetu.com/273441/


愚人は過去を、賢人は現在を、
 狂人は未来を語る



歌は心の走馬灯、歌は世につれ、
 世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…




「わかれ道」

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