信じれば真実、疑えば妄想…

季節は巡り、繰り返しと積み重ねの日々に、
小さな希望と少しの刺激で、
今を楽しく、これからも楽しく

信じれば真実、疑えば妄想…漢の韓信- 皇帝と楚王

2016年10月14日 | 妄想劇場

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

こうして、こうすりゃ、こうなるものと、知りつつ、こうして、こうなった

 

メジャーでは無いけど、 こんな小説あっても、
良いかな !!


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい



Kanshin021111

韓信

紀元前二〇〇年代の中国大陸。

衰退した秦の末期に生を受けた韓信は、

成長し、やがて漢の大将軍となる。

「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」

そんな彼を描いた小説。




漢の韓信-(147) 皇帝と楚王

これは重要な問題であった。
攻め込みにくく、守りやすい軍事上の要衝を、
当代きっての名将が統治することは、危険きわまりない。
このことから、劉邦は韓信に国替えを命じることを
早くから決めていたと思われる。

韓信が心変わりをして、叛旗を翻さないうちに。
言うことを聞くうちに命じるつもりだった。
結果、韓信は楚王に任じられた。七十余城を有する大国家の
斉に比べると、このとき定められた楚の領土は五十余城に過ぎず、
勢力は実質的に劣る。

しかしなんといってもかつての領主である項羽亡き後に
その地を治めるのは大役といってよく、大変な名誉であったことは
間違いない。
なおかつ韓信自身が楚の出身であり、「故郷に錦を飾った」と
いうことでもあるので、栄転であることには違いなかった。

つまり劉邦は韓信の自尊心を傷付けることなく勢力を
削いだのである。
これは彼の行った絶妙の人事だといえるだろう。では、
斉はどうしたのかというと、劉邦はしばらく王位を
空位のままにしておいた。

かの地には曹参がおり、彼に任せておけば大過なく
治まるだろう、と踏んだのである。少なくとも韓信に任せておくより
空位のままの方が不安が少ない、そう思ったのであった。

しかし、もちろんいつまでもそのままにしておくわけにもいかず、
後に劉邦は自分の息子である劉肥に斉王の地位を与えている。
臨時の首都であった雒陽から関中の 櫟陽(れきよう)に首都を移し、
次々と諸侯の封地が定められていく。

主だったところでは、韓信が楚王となり、下邳を都にしたほか、
淮南王として黥布、都は寿春。梁王として彭越、都は定陶。
燕王として臧荼。都は薊。趙王として張耳。都は邯鄲。
(ほぼ同時期に張耳は死去し、息子の張敖(ちょうごう)が
跡を継いでいる
韓王として韓(王)信。都は 陽翟(ようてき)
(以後、匈奴への備えとしてかつての代の地にあたる太原郡を
韓王信の封地とし、韓と称させている)などが挙げられる。

しかし、早くも七月には燕王臧荼が謀反を起こして滅ぼされ、
劉邦と同年同日に生まれた親友の盧綰が燕王に封ぜられた。
これらの諸侯国はすべて大陸の東側に集中し、
漢の覇権のもと、存続を許された。

一方の西半分は漢の直轄地とし、いくつかの郡に分けられ
統治される。かつての秦の統治策であった郡県制と、
周代以来の封建制が入り交じったこの体制は、
郡国制と呼ばれることになった。

しかし、これが漢の統治体制の完成形というわけではない。
中央は地方に必要以上の勢力を持たせぬよう尽力し、
常に警戒の目で諸侯を見張ろうとする。
首都への参勤の義務を諸侯に課し、適度に
財力を奪おうとしたほか、北の国には匈奴へあたらせ、
中央の防波堤としたりした。

そのような状況に諸侯が不満を募らせて叛意を見せると、
滅ぼして劉姓をもつ親族を新たな王に任命するように
なったのである。しかし、それは後の話であり、
このときは生まれたばかりの制度に誰もが
浮き足立っていたに過ぎない。

楚王となった韓信が都の下邳に移り住み、初めて行ったことは
政策的なことではなく、過去の清算であった。
まず彼は人を遣って淮陰の城下から、綿うちに
いそしむ老婆を召し出した。

韓信が若い頃、貧窮して釣りをしながら生計を立てていたときの
恩人である。 召し出された老婆は、
下邳の宮殿の中で王と対面し、ようやく事態が理解できた。

かつてひもじく暮らしていた若者を助けた記憶は確かにあったが、
よく考えてみれば、名も知らない。
王の名は韓信だと聞かされても、それが自分にとって
なにを意味するのかよくわからないまま、やってきたのである。

「元気か、媼……。私を覚えているか」「…………」
ひれ伏した老婆は恐れ、なにも言うことができない。
ただ素振りのみで相づちを打つだけであった。
覚えているだろう。私は口からでまかせを言ったつもりはない。
しかし、媼。貴女は私の言葉を信じず、鼻で笑って侮辱した。
覚えているだろう」

「……確かに覚えておりまする……あのときの私の不遜な態度は、
万死に値します。どうか、この老体を捧げますゆえ、
家族には手を出さないでおくれまし」

「そんなつもりはない。私は以前の自分の言葉を実行するために
媼を呼んだに過ぎぬ」韓信はそう言うと、
近侍の者に命じて黄金千金を老婆に与えさせた。
恐縮する老婆に向かって、韓信は言う。

「媼。あのときの自分の言動が万死に値すると思うのなら、
止めはしないから自害せよ。私は殺さぬ。
しかし、反省して後の行動を正す糧とするならば、
わざわざ死ぬことはない。その金を使って楽しく余生を過ごせ。
これで私と貴女の人生における貸借はなくなったのだ」

続いて韓信は、下郷の南昌の亭長を召し出した。
以前行き倒れのような生活をしていた韓信を助けて世話をしながら、
手のかかることを理由に細君が嫌がらせをするようになり、
その結果絶交することになった人物である。

その南昌の亭長に、韓信は百銭を授けながら言った。
どうして最後まで面倒を見ようとしなかったのか」
そう言ってひれ伏すばかりである。

しかし、結果から考えれば、彼の行動は正しい。
亭長が最後まで韓信の面倒を見てやったとしたら、
韓信の今の姿は彼のあとを継いだ亭長に過ぎなかったかもしれない。
王となりえたのは、彼と袂を分かったのち、
韓信が成長したからなのである。

韓信は最後に亭長に向かって言った。
「その百銭を貴方の細君に示し、以後は出しゃばった真似を
するなと強く言え。もっとも、貴方の細君が出しゃばったからこそ、
現在の私があることは確かだが……
おそらく、そんな巡り合わせは二度とないだろう」

また、韓信はある男を召し出した。名も知れぬ男だったので、
あるいは見つからないかもしれないと思っていたのだが、
このようなとき、王権というものは便利なものである。
人を使って国中をくまなく探させる、ということが
容易にできるのであった

召し出された男は、かつて韓信が股をくぐらされた男であった。
因縁のあるその男を前にして、韓信は周囲の高官たちに向かい、
品評するように話す。
高官たちは、韓信が彼を斬るのではないか、と内心で心配した。

ところが、韓信の口調は落ち着いていた。
「こいつは、なかなか立派な男だ」
「どんなところが、でございましょう?」
酔っぱらっていたにもかかわらず……。
なかなか眼力のある男だと言わねばならない」
「ほう……」

「こいつは、公衆の面前で、私に恥をかかせた。
私は恥を忍んでこいつの股の下をくぐったわけだが……。
私はその後、多くの戦いを経験し、今に至って
王の身となったわけだが、思えば私を戦いに駆り立てた原動力は、
こいつが私に与えた仕打ちなのだ。感謝しなければなるまい」

こういう台詞を韓信は真顔で話すので、聞いている者にとっては、
それが皮肉なのか本心を語っているのか、よくわからない。
……そうしなかったのは、お前のような者を斬っても
私の名があがることはない、と思ったからだ」

「……その通りでございます」男は恐縮し、震え上がった。
今、この場で斬られると思った。
その意味では確かに私の携えていた剣は飾り物に
過ぎなかったかもしれない。だが、教えてやろう。
あの剣はまさしく本物で、私は今も変わらずそれを携えている。

あれ以来この剣は多くの者を斬ってきた。
お前がその中のひとりにならずに済んだのは、
……途方もなく幸運なことなのだ」
「おっしゃる通りでございます」
「聞き分けがよいな。お前がそんなに聞き分けがよいのは、
私が怖いからか? 

平民の私は恐れず、王の私は恐れる……
私が私であることには変わりがないというのに」
「……返す言葉もございませぬ」
中尉(町の警察長官を示す)の職を与えてやる」
「……は?」

「帯剣した相手に素手で立ち向かおうとしたお前だ。
胆力には自信があるのだろう。その胆力を間違った相手に
向けるのではなく、悪党どもに向けるがいい。
せいぜい権威を笠に着て、世の悪者を取り締まることだ」

韓信のこれらの行為は、温情的な措置に見えないことはないが、
やはりすべて復讐なのであった。
老婆や亭長には恩もあるが、怨もある。
中尉に命じた男には、実のところ怨しかない。

しかし韓信は彼らに誅罰を与えることで旧怨を
はらそうとはせず、逆に彼らに恩を売った。
彼らは、かつて蔑んだ韓信の庇護のもとで暮らしていくことに
なるのであり、過去の自分たちの行為の浅はかさを
一生後悔しながら生きていくことになるのである。
彼らが自害でもしない限り、その後悔は消えることがない。


つづく

Author :紀之沢直樹
http://kinozawanaosi.com




愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


作者不明
心が変われば、  態度が変わる
態度が変われば、行動が変わる
行動が変われば、習慣が変わる
人格が変われば、運命が変わる
運命が変われば、人生が変わる


B117



歌は心の走馬灯、歌は世につれ、世は歌につれ、  

  人生、絵模様、万華鏡・・・


『 小雨のアムール 』

<iframe src="https://www.youtube.com/embed/YUhAqwNtCk4" frameborder="0" width="420" height="315"> </iframe>




時は絶えず流れ、 今、微笑む花も、明日には枯れる


 

 

P R

カビの生えない・きれいなお風呂


お風呂物語

『お風呂物語』が選ばれる理由がここにあります。


Diy

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 歴史・履歴への訪問証 | トップ | 信じれば真実、疑えば妄想・... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL