茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

石上秋声

2008年10月31日 | Weblog
煎茶のお花には「雅題」というものがあります。
これは、「石上秋声」。
ちょっと侘びた小菊、その足下に蛙ちゃん。
え?今頃、かえる?

そう、今頃の蛙は、これから冬眠するところ。
喉がふくらんでいるのを見てください!
最後のゲロッを発して、
まもなく、おやすみ~と土の中、
というところなんです。

私の煎茶の師匠が街の花屋さんで小菊を求めたところ、
「うちは仏様の花はおいていません」と言われたそうな。
菊というと確かにそういうイメージはありますが、
知れば知るほど奥の深い花です。

菊慈童という不老不死の物語から、
楊貴妃の美容液であったという物語、
後鳥羽上皇に遡る天皇家の菊紋のルーツなど、
実に歴史を物語る花であります。

来年こそは菊な一日を過ごしたい!
と去年も思ったのでした。
早起きをして、
菊の花が抱いている朝露を集めて綿に含ませ、
それで全身を清め、
菊の花びらを盃に落として日本酒をいただき、
菊の花を浮かべてお風呂に浸かる、
月の光、虫の声・・・
たったそれだけのことなのに
何が忙しいというのでバタバタしているのでしょう。

私が冬眠するとしたら、
最後のゲロッはなんていうのだろう。
いや、冬眠を一日延ばしにして、
春眠暁を覚えずとかいって、
いつまでも寝ているショーもない蛙になってしまうでしょう。
寝るときは寝る、起きるときは起きる、
たったそれだけのこともできないなんて、
蛙、見習わなくっちゃ。
「時を知る」というのはなかなかに難しいものです。


甘美

2008年10月30日 | Weblog
我が家のささやかなお茶の樹に
ぷっくら白いつぼみが見えたのが3日前、
今朝、ふはああああんとほころんでいるのを発見。
つばき科といいますが、
花は小さく、もっとうんとたおやかで、
その香といったら、
吸いすぎて倒れてしまいそうなほど素敵なんです。

本当は、お茶の木的にはですね、
花が咲くというのはよくないのです。
お茶畑には、花、咲きませんよね。
花は、
ストレスを感じているサインなのだそうです。
茶樹の根が元気に伸張できるための有効土層というのが
約1メートル。
本来、鉢で育ててはかわいそうな植物ですね。
「お願い、土に植えて~」というサインなのに、
きゃーかわいいの、うーんいい香りだのって喜んでばかりで、
ごめんね。

1764年発刊の『料理珍味集』には、
この茶の花を使った料理が紹介されています。
発刊、といっても、どんな刊行であったのか、
どのくらいの人が利用したものなのかよくわかりませんが、
江戸時代には、
他にもいくつも料理本が出ていて興味深いです。
『料理物語』、『料理塩梅集』、『和漢精進新料理抄』、
『料理綱目調味抄』、『料理伊呂波包丁』、『料理早指南』・・・
そしてそれらの中には、
お茶を利用した料理が様々に紹介されています。

『料理珍味集』にある茶の花の料理というのは、
花のつぼみを刻んで白味噌と煮た嘗め味噌です。
お酒のおつまみでしょうか。
ご飯のおかずでしょうか。
食べてみたいけれど、
こ、このこを刻むんですかあ~。
できまへん。
さすがの食いしん坊もまいりました。

おぶぶ

2008年10月29日 | Weblog
こちらは愛するアッキー君です。
宇治の和束という地域でお茶を育てている青年です。
私がもう少し若かったら、
アッキーくんのもとへ押しかけていきたいところです

今日の夕方、
アッキーくんのお茶屋さん「京都おぶぶ茶苑」さんが
日テレに全国ネットで出るというので、
ダッシュで帰ってきて、
ずーとテレビの前で待っていたのに・・・
小朝がどうのこうので流れてしまったの・・・?
えええっ、おいテレビ!どーゆー優先順位なんだ~。

この画像はちょうど一年前、
ご贔屓のお抹茶「ごこう」の畑見学に伺った時のものです。
アッキー君と二人で雨の茶畑ドライブ♪
山山山を深く深く深く入ると
そこは仙人の世界。
お馬鹿さんには何も見えないただの山だけど、
知恵あるものには宝の苑。

この山の隅から隅までが
アッキーくんの手の中にあるんです。
ずーっと続く緑の茶畑。
彼がこのお茶の命を握っているんです。
かっこいい~!

いろいろなお抹茶を通販で取り寄せていましたが、
おぶぶさんの「ごこう」をいただいたときに、
「ごこう」が呼んでいる!と感じたんです。
とにかく、和束に行きたい!と強く思いました。
このお茶は、どんなところで育っているのだろう、
どんな人が育てているのだろうと
何故かとても惹かれたのでした。

アッキー君が茶畑に現れると、
お茶の葉が騒ぐのを感じました。
関空にヨン様が降り立った時みたいに。
(ちょっと、持ち上げすぎてるか)
いや、本当にそんな一体感がありました。
田に力と書いて男ぞ。
これからも楽しみにしています!
小朝に負けるなあ。

「おぶぶ」さんにはこだわりのノンブレンド茶もあります。
お茶お好きな方は、是非、一度お試しください。

http://www.obubu.com/

立派

2008年10月28日 | Weblog
「井伊直弼の茶の湯
    一派創立と茶会記―」展には、
有名な『茶湯一會集』や、
茶会記など彼の直筆の記録がいろいろ展示されていました。
点前座の位置の図、
ここにこう座るんだよ、というような朱が入っていたり、
炭斗の中の炭の組み方がきれいに描かれていたり、
丁寧な指導書を書き記していた様子がわかります。

そうしたものを見ながら、
派を起こそうという気持ちを、
いろいろに思いました。
彼は石州流を学んでいました。
そして、
その中に、「当流」という一流派を立てました。
しっかりと「わび・さびの心」に戻りたい
という強い思いが彼の中にはありました。

自分の社中に属しながら、
茶は好きだけれど何か違う
という疑問が消えない人、
師に付きながら、
師の器を超える人、
古今東西、
こうした茶人はたくさんいたでしょう。
いろいろに悩み工夫し過ごしてきたのでしょう。

その中で、
何人かが新たな派を立ててきたわけです。
流派の数は多いようですが、
人の思いの数からしたら、少ないものだと思います。
派を立てることは
異論を提案すること?
派を立てると書いて、
立派。
派を立てることは立派なこと?

一番いい建設的な批判は
素晴らしい代替案を出すこと、
だと私も思います。

でも、
茶の心は一つです。
派の違いは方法論。
どんな型からでも、
茶の心に行き着くことはできるのではないだろうか。

というわけでもないのかな。
ちがうのかな。
何かもおっと深いのかな。
などと深い深いところへ落ちていく私に
彦根のひこにゃん音頭が・・・
ま、いっかな気分になって彦根を後にしました。



立派

2008年10月27日 | Weblog
立派、
というタイトルで
井伊直弼のことを書こうとしていました。
10月29日の命日まで、
彦根城で行われている
「井伊直弼の茶の湯
 ― 一派創立と茶会記―」を見てきたのです。

そしたら、
迷惑メール?
いたづらメール?
がドカドカとやってきて・・・。

これはどういう仕組みになっているのでしょう。
誰が得をするの?
お仕事でやっている?
ただの嫌がらせ?

このページを読んでくれるかどうかわかりませんが、
いたづらは辞めてください。

井伊直弼は、NHKの篤姫見ているとすっかりおじさんですが、
44歳で亡くなっているのです。
(44歳っておじさんか・・・?)
龍馬は31歳です。
西郷さんは49歳だし、
大久保さんは47歳だし。

みんなもっと生きたかっただろうなと、
そして、
今みたいに何にでもチャレンジできる時代にいる自分は
幸せだなと感じて帰ってきました。
そうとう言いたいこと言っても、
殺されないですからね。

だから、
いたづらメールを出している人も、
毎日を大事に生きてほしい。
きっとパソコンに強いのだから、
きっと集中力があるのだから、
(これ、私に欠けているもの・・・)
その素敵な才能をぶつけられるものを
見つけてほしいです。

お茶のお稽古をはじめて見てください。
「は?」って感じかもしれません。
うぜええええに違いありません。
でも、
このブログに来たのも何かのご縁!
まあ一服っちゃ。

人生は短いから。
大切にしてください。

開門多落葉

2008年10月26日 | Weblog
今日のお軸は「開門多落葉」。
門を開けば落葉多し、と読みます。
悟りを開いた瞬間の心境を現しています。

ナンチャッテ・・・
実はなかなか読み解けなくて、苦労して・・・、
『茶席の禅語大辞典』さまをひもときました。

 有無・得失・愛憎・苦楽などの
 様々な妄想や執着を捨て去り、
 真正の「無」に徹し、
 自己も宇宙も何もないところから
 再び蘇ると、
 見るもの聞くもの
 皆真実のままにして、
 目に映る、
というようなことです。

毎年、秋になれば枯れ葉が舞い、
たぶん何度もその光景には接していたのだろうに、
ある年、
ある時、
はじめて、
目の前に鏤められた赤や黄が、
突如として自分の意識に飛び込んできた!
なんて経験があるのではないでしょうか。

悟り、なんて言うと大げさですけど、
小さい悟りだったら、
ちょろちょろと
あったりしますね。
気づきというのでしょうか。
「気」が付く、着く、突く、点く・・・。

今日、お稽古が終わって、
羽根木公園の黄昏の中を歩いていると、
「あー、清々してる!」
「ほんと、いい人になったみたい!」
「お茶の時間って、別世界にいるみたいよね~」
なんて声が聞こえてきました。
皆さんの感想が、私にはご馳走でした。

24時間×7日の間に、
たとえば1時間でもいいから、
この別世界に身を置くなんてことをしてみると、
たいへんミラクル~なことが起こってきます。

清々したものも、
いい人も、
前からそこにあったもの。
それに価値を置かない浮き世にいるから、
気・付かないでいただけ。
茶室にあるたくさんの扉は、
結局、
自分の心の扉です。

浮き世にばかりいて
清々した世界への扉をまだ開けていない人は、
窒息しないうちに、
茶室に行こう!


東京大茶会

2008年10月25日 | Weblog
去る10月2日に「東京大茶会」のご案内をしました。

HPのご案内によると、
  かつて豊臣秀吉は、京都北野天満宮において800以上の茶席をつくり、
  黄金の茶室を持ち込んだり、名茶道具を披露するなど、
  茶に関心のある人ない人、すべての人に茶をふるまったといわれています。
  1587年10月に催された、この「北野大茶会」にヒントを得て、
  420年後の今、伝統ある日本の茶文化を守り伝えるべく開催されるのが、
  「東京大茶会」です。
だそうですから、すっごいではありませぬか。
いかなる場となりますか、
浜離宮を彩る400年の実り、追ってご報告いたします。

と、書きました。
が、報告するに能わず、がつかりです。

芸妓さんの舞いはとてもとてもきれいでした。
平野啓子さんの語りもそれはそれは迫力がありました。
すばらしい芸を入園料だけで垣間見ることができて、
これはよかったです。

が、
お茶は?
茶席で行われていることが、
日本茶喫茶でお茶すること以上の何かを、
伝えることができていたでしょうか。
「伝統ある日本の茶文化を守り伝える」イベントなのに、
全体のはこび、しつらえ、あとさきといったものに、
メッセージが感じられませんでした。
どう見せるか、どう伝えるか、
その工夫こそが、
今回のイベントの見所であるべきであったのだろうにと
思うのです。

個は悪くなかった。
伝統文化は決して廃れていない。
問題なのは、
それを知らしめる手法が貧弱であるのだということを、
今日もまた改めて感じました。

アーティストとパトロンとコーディネーターの間に、
熱い想いが起こらないと、
ダメです。


京都

2008年10月24日 | Weblog
アイスプレートというのを初めて見ました。
京都駅隣接の伊勢丹10階にある『茶筅』というお店。
-30度のプレートの上で、
抹茶ミルクがどんどんアイスになっていきました。

それはそれでおもしろかったのですが、
私の目を引いたのは、
お姉さんが手にしている抹茶茶碗。
そ、それは黒楽ではないですか。
注文をすると、
黒の楽茶碗に抹茶ミルクを注いで、
茶筅でシャカシャカとお茶を点て始めました。
そのポイップがアイスを作る上で
どのくらい意味があるのかよくわかりませんでしたが、
お勝手での作業に、
ボールでなくて楽茶碗を使っていたのですよ。
わー、京都だ。

楽茶碗というのは、
利休さんの、唐物に劣らぬすばらしい和物の茶碗を作りたい
というオーダーに応え、
楽さんが作り出した茶碗です。
軽くて、手になじんで、熱いお湯を入れても手に熱くなくて、
現代でも茶碗といえば、1楽2萩3唐津といわれています。

お勝手で使っていて驚いたというのは、
高級品だからとかいうことではなく、
楽茶碗はもろいのに、ということなのです。
壊れやすい道具を扱うのは気を遣います。
竹製品もステンレスのマドラーに比べたらお手入れが大変、
それでも、陰でも、楽茶碗で茶筅を使うというのは、
お店のオーナーさんのこだわりなのでしょうか。

抹茶ワッフルにのせられた抹茶アイスを食べながら、
ビルだらけの京都の町を眺めました。
かろうじて東寺の五重塔が「京都だよ」と言っている。

小学生だった息子が
東寺の前で肩を落とした日のことを思い出しました。
彼は、五十の塔だと思っていたのです。
ごめんね、五・重なんだ。

いまごろ、彼は海の上、
満天の星の下で、
ルイ・アームストロングの
What a wonderful world を聴いているのだろう。

変わりゆくもの、変わらないもの、
京都の町の光景はいろいろ考えさせてくれます。


回転寿司

2008年10月23日 | Weblog
京都では、
回転寿司のお店に祇園辻利さんのお茶がありました!
しかも、茶杓。
そして、茶箱だし。
さすが京都です~。
パッとみると抹茶に見えますが、
これは粉茶です。
お茶を仕上げ加工する際の破片みたいなの、
製品化の過程の副産物です。

地方に出たら回転寿司に行くと、
珍しいメニューがあっておもしろいです。
京都の回転寿司にはゆばがありました(240円)。
それから近江牛刺し(600円)、
明石のタコ(300円)もありました。
お茶も濃いめでたっぷりいただいてきました。
おおきにい。

お寿司にはガリとお茶がつきものですが、
これは生ものをいただくときの知恵ですね。
お茶カテキンは、
O157やコレラ菌にも抗菌効果を示すほどですから。

食中毒というのは、
腸炎ビブリオやウエルシュ菌などの
感染型食中毒細菌というのと、
ブドウ球菌やボツリヌス菌などの
毒素型食中毒細菌という2種に分類されます。
お茶カテキンは両方に対し抗菌効果がありますから、
生ものを食べたら熱いお茶をたっぷりいただくのがよいのです。

そしてカテキンのすごいところは、
これら悪玉菌に対しては強い作用を示すのに、
乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌には、
ごく弱くしか作用しないというところです。
不思議ですねえ。

1989年に、
茶カテキン類の細菌に対する最小発育阻止濃度というものが研究され、
こうしたことが明確になりました。
5000年も前に、
山野草の毒にあたるたびにお茶で解毒していたという神農帝は、
海のものは食べなかったのかしら。


茶道検定

2008年10月22日 | Weblog
11月30日に、
茶道文化検定という試験があります。
今年が第一回目です。
公式テキストがでました。
薄くてカラー写真も豊富で読みやすい本なので、
お茶の世界を概観するのにはよさそうです。

DVDのついた、
お点前の基礎を学ぶ教科書などもいろいろあります。
カラー写真もコマ送りのように並べられています。
初めて茶道に入られる方には助かるかもしれません。

でも、
お茶を学ぶって、
手順を暗記したり、
言葉を覚えたりすることではないはず。

学校教育みたいに、
これが正解という一つをなぞるみたいな道ではなくて、
お稽古を何度やっても不完全、
でもその不完全な連続の中から、
疑問が生まれたり、
それを解決したり、
悩み続けたり、
いろいろコネコネしているうちに、
お茶の心なんてものが、
自分の中に芽生えてくるのではないかと私は思います。
だから、最初にテキストありきは、
何かもったいないような気がするのです。

また、
道場に通う、
その時間を工面する、
相客に心することを学ぶ、
感謝したり、
思いやりを示したり、
そんな過程に身を置いて、
茶道で大事な「もてなす」心を学ぶのではないでしょうか。
「もてなす」は「いろいろなものを以て成す」ことです。

知識は知識、
それを手にしてゴールではありません。
是非、道場に通って、
知識を知恵に変えていって下さいね。

級とか資格のあるなしが、
何かをはかることにならないといいと願います。

ししゃも

2008年10月21日 | Weblog
これは生協さんで買ってきたししゃもです。
  緑茶エキスに漬け込むことにより、
  魚臭さを抑えました。
とありました。

「茶」という文字を見つけると、
何でも買ってしまう・・・
家にはお魚あるのになあ。

お魚料理をする時、
特に白身魚のムニエルなどには、
緑茶でさかな臭さを取るという方法、
これはとってもお勧めです。

出がらしのお茶でよいので、
切り身をお茶にくぐらせるのです。
そのあと塩コショウなどして、
お粉をつけてジョアーと焼いてみてください。
さかな臭さ、まったく感じられなくなります。

カルパッチョなどの時も、
オリーブオイルにちょっと粉茶を加えてみると、
さっぱりします。
お茶臭くはなりません。
お魚のにおいに敏感な人にも、
梅雨の時期などにも、
とても効果ありです。

また、お魚を蒸す時も同様です。
蒸し器の中に(お湯の中に)、
お茶殻を泳がせておくのです。
私は、じかにお魚にふりまいてしまいますが、
食べる時もそんなに気になりません。
味や香りはお料理の邪魔をしません。

その他、
お魚を焼く時のグリルに茶殻を敷いておくと、
焼いている間もさかな臭くないですし、
落ちた油を茶殻が吸収してくれて、
お手入れも簡単です。

もちろん、
お魚をさばいた後のキッチンのお掃除にも
我が家では、
茶殻は欠かせないアイテムです。
血みどろ~のまな板やシンクも、
茶殻をパッと撒いて、
あとは軽く洗い流すだけでも、
ほんとーに
生臭さが残らないのですよ。

お茶をたくさん飲んで、
お茶殻活用いたしましょう。






秋菓

2008年10月20日 | Weblog
秋に熟する果物を秋果といいます。
かき、くり、なし、ぶどう、いちじく、あけび・・・、
もう熟したかな、
甘さはどうかな、
いつごろ食べようかな、
頃合いを計るのもまた楽しみのひとつです。

今、お菓子と果物は違うものですが、
昔は、お菓子といえば、果物のことでした。
だって、
チョコレートもポテトチップもクッキーもなかったのですから。
甘みといえば、
干し柿の甘さが、とびきりのスイーツだったわけです。

それが、
いわゆるお菓子というものが出てきてから、
果物は水菓子というようになり、
さらに、
ゼリーやババロアというものが出てから、
そっちが水菓子のイメージになってしまったので、
本来の菓子は果物と呼ばれることに落ち着いてきたのです。

では、
「菓子」が「果物」であった時代、
お茶席ではどんな菓子が添えられていたのでしょう。
お茶席の道具や花や菓子を記録したものを「会記」といいますが、
確認されている最古の会記は1537年のもので、
そこには、
『菓子ヤキクリ、コフ、クワイ(焼栗、昆布、くわい)』
と記されています。

栗は、
食べるのは簡単ですが、
そこに至るまでは本当に手がかかります。
いただく時の感謝の気持ちも一入ですね。
栗の皮を剥いていて二針縫ったという人もいました。
もう良くなったかなあ。


ビタミンC

2008年10月19日 | Weblog
三崎名物マグロのカマ、
のお菓子、
『かぶと焼』。
三浦沖海洋深層水を使った小豆餡を
マグロのカブトを形取り焼き上げました、
だけでしたら、ふんふん、なのですが、
なあんと、小豆餡の中に味付けしたマグロの角煮が!
「ヘルシーで栄養豊富なマグロと、
小豆餡との見事なコラボレーション」。
ご製は、まぐろ工房『清月』さんです。

今日は三崎港にある産直センター「うらり」に行きました。
海洋実習に出かける子どもの船を見送り、
東京から集まった友人たちと海の幸、畑の幸を物色。
新鮮でお安い食材がいっぱい、あっという間に両手がいっぱい。
ザルに山盛りのかます、山盛りのメトイカ、きんめ2匹をゲット。
これで2000円でした。

そして三浦名物メロン饅頭とか、
このかぶとちゃんも連れ帰り、
我が家でお茶を一服いたしました。

子どもたちは今頃カエルの合唱中だろうなと、
よぎる心配をお茶と一緒に飲みこみました。
カエルの合唱というのは、
今日は波の高さ4mなもので、
沖に出ると胃の中シェイクされるほど揺れるので、
船の中ではゲロゲロゲロゲロくわっくわっくわ~が始まるということです。

船の中ではお茶を飲みなさいと、
しっかり指令を下しておきました。
2か月近くも陸に着かない彼らの野菜不足を補うのが、
ドライベジタブルであるお茶なんですね。
昔から、船乗りさんはお茶を持ち込み、
お茶漬けにしたりしてビタミンCを摂っていたのです。
船とお茶、関係は深いのです。

カメリア

2008年10月18日 | Weblog
カメリアというのは、
お茶の学名です。
チャは、ツバキ科(Camelliaカメリア)ツバキ族チャ節に属します。
1887年にドイツの植物学者クンツが命名した
「カメリア・シネンシス」が
学名として定着したようです。

私のgooIDはCamellia4387、
前半のカメリアはここから来ています。
後半の4387は西双版納(しいさんぱんな)。
中国雲南省の茶樹の故郷です。
もう、こてこてにお茶好きじゃけんねなIDです。

でも、お茶との出会いは、ほんの15年ほど前。
子どもの幼稚園のご縁で伺ったお宅で、
お茶を点てていただいたことに始まります。
シュンシュンと沸くお釜にお水をさした時、
しょーおおおお~と音が変わって、
その時に得体のしれない感動が込み上げてきたんです。
涙が込み上げてきたのです。
あれは何だったのか未だによくわからないのですが、
たぶん、お湯の音を聞く、その音の変化を感じる、
ただそれだけのために座っている、
そんなことに感動したのかも知れません。

茶道って何?
こんな仕掛けのある茶室を作った人の願いってなに?
そして茶道がずっーと続いているということは、
その願いのバトンが渡され続けていること?
この日、私のお茶への旅の扉が開かれたのです。

その釜の音が「松風」というのだと知ったのは、
ずっと後になってからでした。
本で学ぶ前に、
松風に恋に落ちた私は仕合わせだったと思います。
とにかく、その釜の音が聴きたくて聴きたくて、
お茶のお稽古を始めたわけです。
出会いというのは不思議です。

そんなcamellia4387、
夕べご出張帰りのお疲れの中レスくださったmyuさんにお礼をと思い、
ブログにお邪魔したのですが、
はて、私は誰?名乗れない・・・。
「私の名前」が私のブログにないことに今になって気が付きました。
どこまで抜けているんだろう・・・。

遅くなりましたが、
私の名前はMINAKO。
どうぞよろしくお願いいたします。

茶髪

2008年10月17日 | Weblog
おそれいれました、この茶髪!
茶農家の息子さんでしょうか、
思わず、お~~と抱きかかえてしまったこの雑誌は、
静岡県茶業会議所発行の月刊誌『茶』。

茶業界の方々の情報誌ですが、
さすがはお茶の業界誌、
その内容は文学・歴史に及び、
大変興味深いものです。

茶髪のお兄さんの表紙をめくると、
相馬駒焼の作家さん、田代清治右衛門氏が絵付けをなさっている写真。
初代清治右衛門氏は仁清に学び、17世紀初めに福島県相馬市に開窯とな。
ここには、東日本最古の登り窯があるそうです。

続いて、茶道具の学びのページ。
ペットボトルはお茶流通の一つの形態ですが、
楽しいお茶の時間を作りだす茶器の開発といった努力も必要とのこと。 
そういえば、
温度によって色が変わる急須とか、
絵が浮き出てくる急須とかを見たことがあります。
左利き用の急須も出てきました。
ガラスの急須もいいアイディアだったと思います。

あとは、ちょっとツウな項目。
最近の釜炒り茶事情、
全国茶品評会結果、
栽培から荒茶製造までのマネジメント
静岡県茶業研究センタ-100周年

お茶と文学者、
海外トピックス、
という連載物にはバックナンバーが欲しい!と思いました。

その他、
暮らしのヒントあれこれ
中国ばなしあれこれ
茶事点描、ティ-タイム 
輸出入量など様々な統計、
茶市場だより、各地の話題、くみあい便り、
今月の茶作業では、秋整枝や病虫害の情報などがありました。 

読んでみたい方は、静岡県茶業会議所へどうぞ。
http://www.wbs.ne.jp/bt/chacha/index.htm

図書館に購読依頼してみようかな~。
無理かな~。