思えば7年前の話。
家人の転勤話が前の会社に出て、そいつを断った家人は転職を希望した。
普通なら年齢的に難しい転職についても、家人は何なくこなしたので転勤話はなかったことになった。
当時行かされる場所は豪雪地帯だし、家人の必要な店はほとんどなかったとのこと。私は子どもさえ何とかなればどっちでも良かったのである。
それを機に一馬力は怖いなあと、再就職かけることにした私であったが切った腹はまだ体が完全ではない、10年専業主婦だった、40超えて国家資格以外があまりない私は自分が市場価値0の女だと思い知った。
だがそんなもの好きな企業があって(物好きな企業さんには感謝いたしております)、私はそこに拾われることになった。
持病ありますってぼやいたのに採用になったのだ。
だが40超えての仕事を覚えると言うのは並大抵ではない上に不人気業種、何もないわけがない。最初は人員が飽和状態だったのに、今はなんか人が足りていないみたいなことに。
恥をたっぷりかかされながら仕事を覚え、入社した際に沢山いた先輩たちは3年後にはほとんど消えていた。
そして、そこに向けて初めて責任者が常駐することになり、どんな人が来るのか不安だったのだが、聞けば親しくしていた正社員さんが可愛がっていた人だと言う。
それで私に「〇〇(責任者)は私が大事にしている人だから粗末に扱わないでほしい」と。
一方で責任者には「私さんは私が大事にしている人だから、上司が何言っても絶対邪険に扱うな!!」とおっしゃっていたと知る。
だが新しい責任者は気立ても良く、素直な優しい人で、私は最初に言われてなければすぐには親しくもなれなかっただろうけど、それでもこの人のことは正社員さん同様好きになった。
その間不遇だった私が仕事はするからと、以後は優遇されたのである。
しかし、うちの会社(私のではないけど)は面白いところで、正直で自分に向いていればきつくても長居が出来るところなんだなあと。これはチームが違っても古いパートさんなどは一様におっしゃるそうだ。
それで嘘つきとか、いい加減なのは割にさっさと消えるのである。それも嘘つきが盛大にばれて消えていくのである。それも謎だ。会長にすごい神様でもついているのだろうかと思ってしまう。
一方でお客様も新人だからと底意地の悪いことをなさった方は少しだけで、大半はご親切に私を気長に育ててくださったのであった。
全部でもないけど、底意地の悪いお客様も気が付いたら消えていた。
そして最終日の仕事、今の責任者が泣きそうになりながら、皆からのプレゼントをくださり、少しだけ話をした。
だが最後の勤務ですらミスの尻拭いばっかりだし、他部署から自分でないことのミスで怒られ、それでも私が最後だからとわざわざ来店してくださったお客様、最後だと知って泣きそうになりながらお別れしてくださったお客様、嫌いなお客様だったけど、最後は普通の対応だったお客様、さまざまでした。
この先どういう仕事に就くかわからないけど、この仕事ほどディープな仕事は今までなかったです。面白かった仕事ならブライダルであったが、人生凝縮したような仕事だったなあと私的には思います。
って言うかね、年齢の壁があるから大した仕事には就けないと思うわ!!
運よくご縁があれば仕事に就けるかもしれないが。
そして今は子どもが家を出てしまい、そのごみを必死こいて片付けている。
いなければ楽だが、手持ち無沙汰にはなったのかもしれない。後から寂しいとかくるんだろうなあ、この気持ちは。