カフェウィステリアのワイドショー的アメリカ事

Way to go! アメリカの田舎で余計なことを考えつつ…アメリカの三面記事、ワイドショーネタを拾ってお届け。

バージニア・テック銃乱射の後

2007年05月24日 | ワイドショー的アメリカごと
テック大学なのにEnglish専攻だったというチョは、事件の後では精神異常ということになったが、どうみて生活上の支障はないし思考機能上の問題はなかったと思われる。

両親は韓国移民の典型として洗濯屋を開き、もくもくと働いて、出来のいい娘はプリンストンを出て州政府の公務員、下の息子も大学へ。移民のお手本のような一家なのだが、息子にとっては大量殺戮で全米の注目を集めるプランの替わりに幕引きをしても構わないしみったれた人生だったようだ。

NBCに送りつけてきたビデオでは、「悪いのはてめえらだっ」と吼えているが、イマイチ何でそんなに怒っているのか伝わってこない。印象としては、最初に銃乱射やってみたい願望有りきで、後からもっともらしい理由をこじつけているという気がした。

この犯行声明ビデオは1本や2本ではない。夜な夜な自分でビデオを回しながらポーズを取っていたかと思うとかなり変だが、準備の方はきっちりやっていた。インターネットで6万円ほどで銃を購入、2丁めも一ヶ月空けて正当に取得、射撃場でちゃんと練習していた。そのおかげで当日は200発を乱射、一人一人に数発づつ打ち込むという念の入れようだった。

犯人は留学生でもなく英語にアクセントもなかったが、米国市民ではなく、韓国系グリーンカードホルダーだったことから、韓国人人口が多い他の大型大学にとっても他人事ではない。バブル期の日本人学生のごとく、今はアメリカのどの大学にも韓国人学生がやたら多い。うちの大学も状況は同じ。すぐさま、プレジデント、留学生オフィス、アジア系が多い寮アパートのマネジメントなどから、留学生宛てのメールが立て続けに届いた。ま、内容はみな同じで、もしあなたが悩みがあるなら(銃乱射する前に)大学が提供するカウンセリングを受けてほしい。もしあなたの周りに(銃乱射しそうな)変な留学生がいたら通報してほしい、事件への反応として韓国人向けまたはアジア系留学生向けの嫌がらせがあったら通報してほしいてなことを美しく書いてある。。ま、白人達にしてみたら、チョのような表情に乏しくいつもむっつりしているアジア系の小柄な男子学生ってあちこちにいるじゃないか。何を考えているかわかんない、ああ不気味っていうのが本音だろう。

しかし、この事件にインスパイアーされ、人生のごちゃごちゃを銃乱射で片付けたいと思う人の多くは韓国人でも留学生でもない普通の人たちで、あちこちでシューティング事件が相次いでいる。先日もアイダホの教会で銃乱射があったばかりだ。たいてい、犯人も自殺するか射殺されてしまうので、ここアメリカでは「心の闇」の解明は難しい。人がそう簡単に非道を行うとは考えたくないのはわかるが、そもそも銃乱射犯にもっともな「闇」があるのかどうか疑わしい。

日本では、銃規制が必要という議論が多いが、銃規制しようという動きは、はっきり言ってほとんどない。根本的に銃で撃つことが好きなのである。特にハンティングは一人前の男にするっぽい発想が、ある。狩猟民族の流れからか、動物を撃って食べるのはスポーツ以上の意味のあることらしい。近所の小学校のバザーでは、毎年恒例のシューティング・ゲームがバージニア・テックの事件の直後でも問題なく行われていた。ゲームセンターでもビームの出る銃をもってチームで撃ちあうというコンバット・ゲームが、人気である。

いくらハンティングの経験があったって、学校やショッピングモールに銃なんて持っていかないし、乱射犯にフェデラル・エージェントでもないかぎり対抗することもできない。ま、ひとたび起きてしまえば、状況は日米でも同じ。こっちは素手、先方は武装。生き残りの確率を上げるにはどうすればよいか。子どもに発砲音を聞いたらまずどうするか、聞いてみた。「先生に知らせる。」うーん、良い子だね。でも違うよ。やれやれ。

Disclaimer-------------------------------
このブログはアメリカのメディアの記事に基づき、作者の意見や背景を交えつつ解説するものです。参考にした記事の正確性については保証できません。

追伸
長い間休んでいた上に、これがアメリカから発信する最後のブログになりました。
今までお付き合い頂きありがとうございました。これからもアメリカウォッチは続けて行きたいと思いますのでまた違うブログでお会いしましょう。