Cafe SLOWHAND

珈琲と紅茶の小さなカフェのお話

出会う

2015年09月29日 | 日記

いいお天気が続いて気分爽快。お茶の木
に咲いた白い花を見ながら、お店のテラ
スでくつろいでいるレイラです。

真っ青な秋空の下で、ぼおっと昨日のこ
とを思い出しているレイラ。
昨日は月曜日とあって、静かな一日だっ
たなぁ。
家族連れやグループでの来客はなく、も
っぱら「一人女子」や「独り男子」のオ
ンパレード。
パパたちと他愛もないことを話したり、
黙って本を読んだり・・・
そんな絵に描いたような喫茶店の風景の
中にいて、あたり前のように過ぎていく
一日だけど、よおく考えると、自分一人
の貴重な時間を費やす場として、みんな
がパパたちのお店を選んでくれているこ
とに、驚きと感謝の気持ちを隠せないん
だな。
 
そんなことを考えているレイラをよそに
パパは、客席でいつものようにコーヒー
を飲みながら新聞を読んでいる。

すると、身近な出来事が書かれたローカ
ル面に、パパはこんな記事を見つけた。

先日、繁華街で「まちコン」とやらが開
かれ大いに盛り上がった、って書いてあ
る。
なんでも、一人女子や独り男子に出会い
の場を作ったげて、未婚率を下げちゃお
うという企画らしい。
今回はね、1,000人近い男女が集ま
り、大盛況だったと。
そして記事には、初めて参加した女子の
感想が一言。
「いろんなお話ができて楽しかった、ま
た来たい」。

きっと記者さんは、この催しが好印象だ
ったと伝えたかったんだね、参加者の生
の声を添えて。

でも待てよ「また来たい」ってのは、ど
うなの?
次回また来るってことは、来年まで一人
を貫く、一人がいいもん!ってか?
パパは、これじゃ未婚率の低下は防げな
いんじゃないかと心配している。

出会い・・・
それって、そんな大げさな場所じゃなく
って、 ありふれた日常の中とかにあん
じゃいかなぁ。
大切なのはさ、一人で出かけれる元気と
か、一人でお店に入れる勇気とかの方じ
ゃないのかなぁ。

ってことは、パパ。うちのお店に来てく
れる独り女子たち。きっといい出会いが
あるってわけだね・・・ 


連休をとる・・・かも

2015年09月24日 | 日記

好天に恵まれたシルバーウイーク、行楽
地も高速道路も混み合って、どこも沢山
の人出で賑わったみたいだ。
レイラはね、パパたちがいつも通りお店
を開けてたもんだから、いつも通りの毎
日だった。
たまにはさ、しばらくお店を閉めて、ゆ
っくり休めばいいのにって思うけど、パ
パたちにそんな気配はない。
きっとね、そんなに忙しい店じゃないか
らね、疲れが溜まるなんてことはないん
だろう。

さてさて、シルバーウイークも終わり、
秋が深まってきた。
こうなってくると、温かいコーヒーや紅
茶がますます美味しくなってくる。
そいでね、パパとママは飲みもののライ
ンナップを増やすことにした。

はは~ん、そいじゃカフェオレとかウィ
ンナーコーヒー、フルーツを使ったアレ
ンジティーとか出すんだろうと思いきや
パパは何やらエスプレッソとお湯を混ぜ
ては味見をし、ママは紅茶のテイスティ
ングを繰り返してる。

その結果、新しくなったメニュー表を見
てみたら、何やら聞いたこともない名前
の飲みものが増えていた。

トワイスアップ Twice-up ¥450円
これは、エスプレッソをダブルでグラス
に注ぎ、それと同じ量のお湯を加えて調
整した飲みもの。
デレクドミノス
Derek and the Dominos ¥550円
エスプレッソがデミタスで出てきて、同
時にカフェ・アメリカーノが別のカップ
で出てくるって超お得な代物。
紅茶ではね、ママがいろんな産地の紅茶
葉を取り寄せた。
中国のラプサンスーチョンにスリランカ
のキャンディやルフナ、それからケニア
ってな具合。

さあ、絶好のカフェ・シーズン。
生クリームを使ったウィンナーコーヒー
なんかはないけどさ、コーヒーや紅茶の
味と香りをストレートに表現したやつ楽
しめること間違いなし!
パパもママも張り切ってっからね、新し
い味、ぜひ試しに来てちょうだいな。

ねぇ、パパ、ママ。
たくさんお客さま来てくれるといいね。
忙しくてさ、
「ああ、しばらく休みたい~っ」ってな
るくらいにさ。
そしたら、レイラんちにも連休ができて
一緒にお出かけできるじゃない・・・ 


乗り換える

2015年09月20日 | 日記

気がつけば9月も中盤に入り、すっかり
秋になっていた。
なんでも、世の中はシルバーウイークと
かいう連休に入ったらしい。春のゴール
デンウイークに続く大型連休。気候もい
いからね、みんな家族やお友だちと行楽
に出かけるんだろう。

お出かけといえば、こないだパパは久し
ぶりに夕方からお出かけしていた。
きっとね、知り合いのお店にでも行って
一杯やろうという魂胆だ。
一杯やるからにはね、車では行けない。
公共交通機関を利用しようと、パパは歩
いて近くのバス停へ行った。

程なくしてバスが到着。
ところがね、そのバスは学生さんたちで
満員状態。
そしてバスの運転手さんがマイクでね、
「満員です、
次のバスに乗ってください」って。

えーっ?ショック!
パパが生きてきた約半世紀の間で初めて
の出来事。
アチャーと思いながら、パパは振り返っ
て時刻表を見た。
するとね、ダブルショック。なんと次の
バスは30分後。

こんなのありか?とか思っていると、長
年愛用してきたバス会社に対して、なん
だかパパは怒りがこみ上げてきて、ジッ
と次のバスを待つ気にはなれなかった。
だからね、JRの駅まで歩くことにしたん
だな。

こうなりゃ急ぐこともないからね、パパ
は駅までゆっくり歩くことにしたよ。

するとさ、秋の風が頬を撫でて気持ちい
い。
駅までの道のりは、半世紀前とほとんど
変わらない景色。
駅に着くと、ホームにはお仕事帰りのサ
ラリーマンが家路を急ぐ姿や、じゃあね
って手を振って別れる学生さんたち。
サラリーマンには、その帰りを待つ家族
がいて、学生さんには、その将来を心配
する家族がいるんだろう。
サラリーマンはどんな人生を送っていて
学生さんはこれからどんな人生を歩むの
か・・・
そんなことを考えていたら、パパの怒っ
た顔が次第に笑顔に変わっていった。

きっと、予定どおりバスに乗ってたら、
こんな場面には出会えなかっただろう。
予定どおりお店に着いていたら、きっと
余計に一杯飲んじゃうのが関の山。

予定どおりいかなかったことで、チョッ
ピリ
いい気分になれたパパは幸せ者だ。
予定のバスをやめて、JRへ乗り換えたパ
パ。

そういえば、パパはお勤め辞めて喫茶店
のおじさんへ乗り換えたんだっけ。

ということは、チョッピリいいことがあ
るかもね・・・パパ。