99歳の柴田トヨさんの詩集です。いろいろ苦労や辛いことを乗り越え、前向きに生きてこられたようです。日々の生活の些細なことや自然を楽しみ、一人住まいの自分を助けてくれる人たちへの感謝の気持ちもつたわってきました。老いをしっかり受けとめ前向きに生きていらっしゃいることが分かりました。この詩集私の指針として大事にしようと思います。綺麗なおばあちゃんですね。デジカメ壊れて写真が変ですが。
少し引用させていただきます。
「目を閉じて」
目を閉じると
お下げ髪の私が 元気に かけまわっている
私を呼ぶ母の声 空を流れる白い雲
何処までも広い菜の花畑
92歳の今 目を閉じて見る ひとときの世界が とても楽しい
「返事」
風が耳元で 「そろそろあの世に行きましょう」 なんて猫撫で声で誘うのよ
だから私 すぐに返事したの
「あと少しこっちにいるわ やり残したことがあるから」
風は困った顔をして すーっと帰って行った
「朝はくる」
一人で生きていくと決めた時から
強い女性になったの
でも 大勢の人が 手をさしのべてくれた
素直に甘えることも 勇気だとわかったわ
「私は不幸せ・・・・・」
溜息をついている貴方
朝はかならずやってくる
朝日もさしてくる筈よ
私ね 人からやさしさを貰ったら心に貯金をしておくの
さびしくなった時はそれを引き出して元気になる
あなたも 今から積んでおきなさい年金よりいいわよ