祖母が句集を出しました。
『海の蝶』です。
今年、89歳の祖母、2冊目の句集です。
はじめは
「(1冊目はすべて自分で選んだけど、今回は)他の人に選んでもらって、
納得のいかない句が載っているから・・・」
と、あまり満足いかない様子だったそうですが、
朝日新聞の書評(ローカル版?)に紹介されたとのことで問い合わせが入るようになり、
今は良かった、と思っているようです。
しかし。
実はわたしも読んだのですが、俳句の世界はまるきり分からないため
せっかくの句集もなにやら難解です。
季節ごとに章が分かれており、冬の章に「寒卵」という言葉が何度か出てくる
ことに気づきました。
土曜日に訪ねた夫の家族も読んでくれていて、土曜日は俳句の分からないもの同士、「寒卵」とはなんだろうか?という話で盛り上がりました。
「きっと、霜柱とか氷柱とか、そんなものがある時期丸く凍ることがあるのでは?」
「いや、きっと寒いから卵みたいに丸くなることに違いない!」
「ねえねえ、冬ってミカンを凍らせて食べるじゃない?丸いミカンが真っ白に凍って卵みたいに見えるんじゃないかな?」
と好き勝手に想像し、なんとなく納得して帰宅したのですが、
早速調べてみると「寒卵」とは、寒いときに産んだ卵は他の季節に比べて
滋養があることから、「ふだんよりあり難いもの」「価値のあるもの」を
表す季語なんだそうです。
わたしたちの盛り上がりはあさっての方向に全力疾走していたみたい・・・
ちなみに、寒卵を季語に使った句はこんなもの。
「寂しさはひとりがよろし寒卵」
おばあちゃん、冬は寂しがっていたものなあ・・・
と思う一方、「ひとりがよろし」ってことはその寂しさも楽しんでいたのかな?
と、肉親ながら甚だ心許ない。
俳句の分からないわたしが、すごいと思ったのはこの句です。
「青梅雨の書院ネガティヴとして父」
いや、89歳にして、「ネガティブ」を「ウ」に点々で書くなんて
カッコイイな・・・ってくらいなんですけど・・・。
青梅雨を、「あおつゆ」と読むのか「おうめあめ」と読むのかも分からないでけど・・・。
もう少し、祖母の気持ちに近づくには地道に俳句のことを勉強したほうが
いいでしょうね。
でも、分からないながらもこの句集にこんな素敵な装丁が付いていたり、
膨大な句の中から、この一冊に纏め上げる選句をしていただいたり、
帯に暖かい帯文を頂戴していたり、書評にお問い合わせをしてくれる方が
たくさんいたり・・・ということだけでも、祖母がどんな人間関係を築き、
どんな方々に心温かく見守っていただいてるのか伝わってきて、
ありがたいことだなあと胸が一杯になります。
そして、早くに夫を亡くして長いこと独りで暮らしながら、多くのことに
チャレンジし、たくさんの人と交流して、こんな素敵な仲間達に囲まれている
祖母にも頭が下がる思いです。
孫バカかも知れませんけどね・・・。
『海の蝶』です。
今年、89歳の祖母、2冊目の句集です。
はじめは
「(1冊目はすべて自分で選んだけど、今回は)他の人に選んでもらって、
納得のいかない句が載っているから・・・」
と、あまり満足いかない様子だったそうですが、
朝日新聞の書評(ローカル版?)に紹介されたとのことで問い合わせが入るようになり、
今は良かった、と思っているようです。
しかし。
実はわたしも読んだのですが、俳句の世界はまるきり分からないため
せっかくの句集もなにやら難解です。
季節ごとに章が分かれており、冬の章に「寒卵」という言葉が何度か出てくる
ことに気づきました。
土曜日に訪ねた夫の家族も読んでくれていて、土曜日は俳句の分からないもの同士、「寒卵」とはなんだろうか?という話で盛り上がりました。
「きっと、霜柱とか氷柱とか、そんなものがある時期丸く凍ることがあるのでは?」
「いや、きっと寒いから卵みたいに丸くなることに違いない!」
「ねえねえ、冬ってミカンを凍らせて食べるじゃない?丸いミカンが真っ白に凍って卵みたいに見えるんじゃないかな?」
と好き勝手に想像し、なんとなく納得して帰宅したのですが、
早速調べてみると「寒卵」とは、寒いときに産んだ卵は他の季節に比べて
滋養があることから、「ふだんよりあり難いもの」「価値のあるもの」を
表す季語なんだそうです。
わたしたちの盛り上がりはあさっての方向に全力疾走していたみたい・・・
ちなみに、寒卵を季語に使った句はこんなもの。
「寂しさはひとりがよろし寒卵」
おばあちゃん、冬は寂しがっていたものなあ・・・
と思う一方、「ひとりがよろし」ってことはその寂しさも楽しんでいたのかな?
と、肉親ながら甚だ心許ない。
俳句の分からないわたしが、すごいと思ったのはこの句です。
「青梅雨の書院ネガティヴとして父」
いや、89歳にして、「ネガティブ」を「ウ」に点々で書くなんて
カッコイイな・・・ってくらいなんですけど・・・。
青梅雨を、「あおつゆ」と読むのか「おうめあめ」と読むのかも分からないでけど・・・。
もう少し、祖母の気持ちに近づくには地道に俳句のことを勉強したほうが
いいでしょうね。
でも、分からないながらもこの句集にこんな素敵な装丁が付いていたり、
膨大な句の中から、この一冊に纏め上げる選句をしていただいたり、
帯に暖かい帯文を頂戴していたり、書評にお問い合わせをしてくれる方が
たくさんいたり・・・ということだけでも、祖母がどんな人間関係を築き、
どんな方々に心温かく見守っていただいてるのか伝わってきて、
ありがたいことだなあと胸が一杯になります。
そして、早くに夫を亡くして長いこと独りで暮らしながら、多くのことに
チャレンジし、たくさんの人と交流して、こんな素敵な仲間達に囲まれている
祖母にも頭が下がる思いです。
孫バカかも知れませんけどね・・・。