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共謀罪:朝日新聞10月4日の記事「共謀罪ゴング再び」

2006-10-05 20:01:36 | 「共謀罪」

 「朝日新聞」 2006.10.04

 共謀罪ゴング再び

 民主、「廃案日指す」強調

 「共謀罪」法案の取り扱いが、臨時国会で再び与野党攻防の焦点となりそうだ。前の通常国会で与党は、民主党の出した修正案を丸のみする奇策まで繰り出したが継続審議に。ここにきて、かつて日本政府が「共謀罪は日本の法原則になじまない」と主張していたことが明らかになり、野党は廃案を求める姿勢を強める。政府・与党は、国際的なテロ防止を旗印に重要法案と位置づけるが、「厭戦(えんせん)ムード」も漂い始めた。

 「廃案を求めていく姿勢に変わりはない」。民主党の高木義明国会対策委員長は3日の記者会見で、「共謀罪」創設を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案の廃案をめざす考えを強調した。
 民主党は先の通常国会で、政府案では労組や市民団体にも適用される恐れがあるとして、対象をより限定した対案を提出した。与党は民主案の丸のみで成立を図ろうとしたが、政府内から「この案では国際組織犯罪防止条約を批准できない」と異論が出たうえ、民主党も拒否して継続審議になった経緯がある。
 この国会で民主党は安倍新政権への対決姿勢を打ち出しており、修正案を提出した前国会のような妥協はしない構えだ。
 しかも、政府が条約批准に共謀罪が必要としながら、99年の国連の条約起草会議で「日本の法原則になじまない」と主張していたことも表面化。民主党は「国会では裏腹な説明をして、二枚舌だ」(高木氏)と追及していく考えだ。
 前国会で民主党が丸のみを拒んだのは「いったん成立させて、後から改悪することも考えられる」(高木氏)と警戒したためだ。かといって、対案を出さなければ政府案のまま採決される可能性もある。このため、今国会では改正案から共謀罪を削除し、サイバー犯罪対策などを盛り込むにとどめた修正案を提出することも検討している。

 政府「全力」、熱意は薄れ

 一方の政府・与党。安倍首相は自民党総裁選で「条約を結んでいる以上、国内法を整備していく責任は果たすべきだ」と語り、成立に意欲を見せた。
 長勢法相も就任記者会見で「首相から一生懸命取り組むように指示された懸案」として真っ先にこの法案を挙げた。
 99年の政府の主張との整合性についても、法務省は「共謀罪が必要ないという論拠にはならない」と主張している。政府としては「成立に向けて全力で取り組む」のが表向きの姿勢だ。
 だが、今のところ成立に突き進む機運には乏しい。与党内での優先順位が高くなく、政府内の熱意も薄れてきたからだ。
 ある法務省幹部は「もともと政治的な法案で、省内の優先順位は低かった。変にけちが付いて、今やお荷物状態だ」とこぼす。通常国会では、与野党対立のあおりで経済界から要望の強い信託法案などの実質審議ができず、「条約を批准できなくても困ることはない。もっと生産的な法案を優先させないと」との声も聞こえてくる。
 首相も、党総裁の就任会見で臨時国会で優先する法案を問われ、教育基本法改正案と11月1日に期限切れを迎えるテロ対策特別措置法改正案のみ具体名を挙げた。ともに与野党対決法案で、とくに教育基本法の審議には与党も精力を注がざるを得ず、共謀罪まで今国会で手がけるのはなかなか容易ではない。

【キーワード】共謀罪
 重大な犯罪にあたる行為を「団体の活動」として「組織により」実行しようと共謀すると、実際に行動を起こさなくてもそれだけで罰するという内容。政府案では、もとの犯罪が極めて重い場合は懲役・禁固5年以下、それ以外の場合は2年以下とされる。日本の法体系では、共謀段階で罰するのは例外的なものに限られるが、政府案では適用罪種は615。
 00年に国連が採択した国際組織犯罪防止条約の締結のためには国内法の整備が必要だとして、政府は03年から3度にわたり国会に関連法案を提出。日弁連や野党が猛反対し、可決していない。

 ■■■共謀罪をめぐるこれまでの動き■■■
1999年 国連の国際組織犯罪防止条約起草委で
    日本政府が「共謀罪は日本の法原則に
    なじまない」と主張
2000年 国連総会で同条約採択
 02年 法相が法制審議会に共謀罪創設を諮問
 03年 共謀罪創設のための法案を国会提出。
    10月の衆院解散で廃案に
 04年 通常国会に2度目の法案提出
 05年 8月の衆院解散で再び廃案に。10月、
    特別国会に3度目の法案提出
 06年 通常国会の衆院法務委員会で与党、民
    主党がそれぞれ修正案を提出。与党は
    一時民主党案「丸のみ」を提案した
    が、採決を断念。政府原案のまま継続
    審議に



 参考:
 ・「条約批准のために共謀罪新設が必要」はウソだった (共謀罪ってなんだ?)

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