BE2 / ベルギー通信2

Enjoy your life. ベルギー、欧州から、フィールドは世界へ。

そして2年経った

2012-08-25 22:54:20 | ETC
 最後にブログをアップしてから2年経った。2年という時間は長いようで短かった。あまたいる人間という生き物の中の1人が地の底に落ちて、浮上してくるまでに戻るのに要した時間だ。個人的には、あっという間だった。


無敵
 45歳からジテンシャを再開したカラダはどんどん強化されていった。歳を重ねても記録は上がっていった。走る距離、上る坂、長距離を走っても疲れた自覚が無い。

 元来、好調、不調という感覚がないこともあって、積み上げていく日々は充実していた。日本縦断もやり遂げた。想いは海外へ向かっていた。

 50歳を前にして、無敵のカラダに自信が増していた。どんな50歳台が待っているのだろう。誕生日が来るのが楽しみだった。



それは突然やってきた
 2年前、それは50歳を祝う日だった。自分にとって衝撃的な事が降ってきた。呆然とした。この先どうしたらいいのか分からなくなった。何かが壊れた気がした。

 自分自身の問題なら解決の引き出しは沢山持っていた。しかし、それは自分の外で起こっていた。慌てて引き出しを開け続けた。しかし、どの引き出しを覗いてみても問題を解決する鍵が入っていなかった。

 マイッタ。これはマイッタ。どうする。頭の中をいろいろな考えが巡った。そのどれもが適当ではなかった。負のスパイラルが回り始めた。


これが引きこもりというやつか
  晴天青空の毎日が、突然曇天土砂降りの日々の変わった。目の前に移る風景が変わってしまった。

 体の苦痛なら相当の痛みに耐えられる自信がある。人間で一番太い骨を折った時も、内臓を切り取った時も、想像を絶する痛みだった。しかし今回は違った。

 みなぎる気力は霧のように消えて目に映る風景は白黒になった。体を支配しているのは心だということを思い知った。

 無気力な生活が始まった。ユーラシア大陸へ準備していたのが嘘のような、何もしない日々。ただ生きているだけ。日々の活動はおろか、風呂にすら入りたくなくなった。ただ時間だけが過ぎていった。

 チームの仲間が声を掛けてくれた。嬉しかった。しかしそれに応えられる心理的状態ではなかった。


泥沼の負のスパイラル
 心は地に沈み、体は鉛になった。生きていても仕方ない。負のスパイラルは深度を増していった。

 こういう状態になると、自分のほかに、外から自分を見ているもう一人の自分が居る。そのもう一人の自分が、こんなことじゃダメじゃないかと言う。でもそれには反応できない。理性は失われ、自分が自分で無くなる。この苦しみから解放される方法はひとつしかない・・・。

 幸か不幸か、この世からこの身を消し去ることは出来なかった。人生は波動だ。波動が底を打てば浮上を始める。医者を頼った。メンタルクリニックの門を叩いた。薬を処方してもらった。それが2010年の暮れ。

 年は明けて2011年。少しずつ心は改善の兆しを見せ始めた。そんな時に東北を大震災が襲った。東京も大きく揺れた。住んでいる建物にヒビが入った。直後は余震に備えて気が張っていたが、また気分が沈んでいった。なにもしたくなくなっていく自分が嫌だった。でもそれを止めることは出来なかった。


被災地ボランティアに
 5月連休明け、思い切って都民ボランティアに申し込んだ。バスで岩手に移動して1週間被災地支援にあたる。団体行動。様々な人。凄まじい風景。目に映る風景は想像を遥かに超え、心が体がアラームを鳴らし続けた。

 作業は過酷だった。それが嬉しくもあった。何も考えず体を動かし続けた。被災された方々と心が通った。嬉しかった。充実した時間がやってきた。

 それから都合4回、都民ボランティアで気仙沼、大島、陸前高田にこの身を投じた。様々な作業を通じて、ボランティアに求められるスキルが上がっていった。4週間を終えた頃には、どんな現場にも対応できる自信がついた。



再び波動は下降に
 ボランティアから帰宅すると虚脱感に襲われた。また無気力になった。衝撃が強すぎたのか。年末まで小さな波動を繰り返しながら下降していった心は、年が明けて2012年になっても浮上してこなかった。どん底は2月だった。


居なくなるよりはいいか
 私を最後に救ってくれたのは家族だった。妻が支えてくれた。外に連れ出してくれた。今まで応じられなかったのに、散歩するようになった。季節が移りやってくる春が心を動かした。風景は変わり、いつしか桜が青空の下に咲き誇った。

 居なくなるよりはいい。今のままで、生きているだけでいい。トンネルを抜けた、そんな気がした。急にではなく、徐々に。風景に少ずつ色が付いてきた。



ジテンシャ再開
 5月、1年間乗らなかった自転車に乗ってみた。この1年、触わりたくもなかった自転車。荒川に踏み出してみた。気持ちよかった。風が体をくすぐっていった。チームの仲間は変わらず走っていた。加わって走った。帰ってきた気がした。気力が蘇ってきた。



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